ミラ・ココアはミラの姉妹車としてダイハツから販売されている。西山茉希とウェンツのCMでもおなじみだ。ライバル車はスズキ・ラパンとなる。
かわいい軽が欲しいならミラ・ココア
エクステリアはフィアット500風
ダイハツのミラの姉妹車は、ミラ・ジーノがMINI風のエクステリアだったりと小型欧州車をモチーフにしたデザインが多い。このミラココアはフィアット500を意識したデザインと言えるだろう。残念ながら一部の口コミではパクリなどと批評されている。
自動車ファンやダイハツファンからすれば残念に感じる人もいるだろうが、日本人のほとんどは旧フィアット500を知らないし、外観を気に入ったのなら問題に感じることはないだろう。実際にミラココアの実物を見た感じの印象では、新型のオシャレな軽というのが正直な感想だ。
ミラのかわいい版
ミラココアはその名の通りミラをベースに独自のエクステリアとインテリアを持たせたものだ。丸いライトがかわいく、特にルーフレール付きのココアプラスはオシャレだ。ルーフ無しモデルの全高は1530mmで立体駐車場に入るようになっている。
内装はココアの名前の通り、ゆったり落ち着けるカフェのような空間をめざし開発された。広さも十分でリラックスできる空間で評価が高い。
基本的にはミラと同じ車で、乗り心地、操縦安定性などはミラと同等だ。強めに加速をすれば、すぐに50~60キロに達し、交通の流れに乗りやすい。ブレーキも踏み込みに応じて自然な形で効いてくれる。ブレーキを踏んでも簡単に前のめるようなこともない。
ミラは大人の女性をターゲットにしており、上質さを求める上級志向の顧客にも満足できるように商品開発されている。
一方、ミラココアは免許を取り立ての方や運転になれていない女性でも車に親しみやすいようにと考えられている。特に車庫入れなどの運転のしやすさがアピールポイントだ。
バックモニター付きオプション
ミラココアはバックモニタがルームミラーの中に埋め込まれているオプションを選択する事ができる。シフトレバーをリーバースギアに入れるだけで、ルームミラ左側にリアカメラからの映像が映し出され、車庫入れの苦手なドライバーをサポートする。通常バックモニターとい言えば、ナビのディスプレイに映し出されるものが多いが、ルームミラーに映し出されれば視線移動が少なくて済む。
また、エクストラサイドウィンドーと呼ばれるサイド後方に3つ目の窓が設置された。後方を自分の目で確認しやすいように工夫がされている。
エンジン、トランスミッション
ミラと共通のKF-VE型の3気筒エンジン採用だ。信頼性も高く、購入にあたって問題となる点はないだろう。
現在のモデルはFF、4WDを問わず全てCVTのトランスミッションが採用されており低燃費が期待できる。FF車の10・15モード燃費は23.5km/Lとなっている。
サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式コイルスプリングで、FF車のリアがトーションビーム式コイルスプリング、4WD車のリアが3リンク式コイルスプリングとなっている。軽自動車としては一般的な装備だ。
ミラココアとライバル車アルトラパンとの比較
エクステリア
2009年デビューのミラココアは新しい分、エクステリアもかわいく高評価だ。
一方、アルトラパンは2008年にフルモデルチェンジをしているものの、2002年の初代デビュー以来、キープコンセプトのデザインで新鮮味に欠ける。
ただ、ミラココアのリアからの眺めはミラそのもので面白味がない。リアのデザインはラパンの方がオシャレな印象だ。
どちらも女性向きだが、ミラココアの方がより女性向きで男性は購入を躊躇するだろう。
室内の広さ
全高が2cm高いなど寸法上はミラココアの方が広い。アルトラパンは角張ったデザインであるので、実使用上はほぼ互角と考えていいだろう。
どちらも軽自動車という概念からすれば広いし、大人4人が十分乗ることができる。もちろんムーヴやワゴンRのようなトールワゴンと比較すると広々感では劣る。しかしトールワゴン車よりも低重心なので乗り心地が良く室内は快適だ。
どちらも横幅の狭さはあるもののコンパクトカーに近い感じでリラックスすることができる空間だ。ラパンは全グレードに後席8段階リクライニングが付いているので、この点についてはミラココアが不利だ。
使い勝手
ミラココアは前後のドアが約90度近く開くこともアピールポイントとなっている。乗り降りはもちろん、荷物の出し入れがしやすくなる点は評価に値する。アルトラパンのドアの開閉角度は前が66度、後が80度と一般的だが通常のシーンでは全く不足がない。
運転席まわりの操作系の配置については、ミラココアが不利だ。ハンドル回り以外の手で扱う操作系が少し離れた場所に位置している。特に体の小さな女性がメイン顧客ということを考慮すると、不親切に感じる。
一方、アルトラパンの操作系の配置はシートから体を離すことなく届く位置にあり、理想的と言える。アルトラパンは二代目ということもあり、より熟考して設計されている部分は評価したい。
足回り、ハンドリング、乗り心地を比較
簡単に言えば、運転操作のしやすさ、乗り心地のよさはミラココアは劣っている。ここ数年でスズキは軽自動車メインから普通車への転換を遂げようとしてきているが、そのことがいい意味で軽自動車の開発にも活かされているようだ。ミラもアルトも10年前は大差ない足回りであったが、その後、旧態依然のミラシリーズに対し、アルトシリーズは大きく進化した。
ミラココアのエクステリアに惚れたなら、ミラココアの選択で後悔がないだろう。しかしどちらか迷っているのなら、残念ながらミラココアよりもアルトラパンをオススメする。
ユーザー口コミによる実燃費報告では、燃費性能までもがアルトラパンの方が勝っている。