新型CR-V FCEV仕様が2024年に日本発売予定、新開発「e:FUEL CELL」はクラリティFCV比でコスト1/3
新型CR-V(6代目モデル)のFCEV仕様が、2024年に日本での発売を予定している。
CR-Vシリーズは、2022年9月に、6代目モデルのフルモデルチェンジを迎え、北米での販売を開始。続いて、中国、メキシコ、欧州の市場への進出も果たした。
一方、日本では5代目CR-Vの後継として、新型ZR-Vの販売がスタートしたため、新型CR-Vの国内販売は実現しないとも考えられた。しかし、2024年にリリースされるFCEVモデルについては、日本販売されることが予告された。
ホンダは、2023年2月に「水素事業の取り組みについて」を発表。日本および北米での新型FCEVの導入を計画し、そのベース車体として新型CR-Vを使用する方針を明らかにした。
新型CR-V FCEVは、次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」を搭載予定。このシステムはGMとの共同開発により、従来のクラリティFCVに比べて、耐久性が2倍、コストは3分の1とされ、耐低温性も向上する見込みである。
新型CR-V FCEVは、同クラスのPHEV車などと同価格帯になることが期待される。
新型CR-V FCEVの生産は、これまでのCR-Vと同様、米国オハイオ州メアリズビルにあるパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で行われる見込み。また、FCEVの導入を機に、ガソリン車やe:HEVの日本での販売も期待されるが、現在のところ具体的な話は無い。
ホンダは2040年までに、BEV・FCEVのグローバルでの販売比率を100%にする目標を掲げている。ただし、現状ではBEVですら販売比率は低く、「HONDA e」や、中国向けの「e:NP1」、「e:NS1」をラインアップするに留まっている。
FCEVについては、2021年に少量生産のクラリティFCVが終了となってからは、後継モデルを投入することすらできていない状況であった。2024年には、新型CR-Vに採用されることで、ホンダのFCEVが復活することになる。
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ホンダ新型CR-Vだけではない、トヨタでもFCEVの選択肢が増える

新型クラウンセダン プロトタイプ(画像提供 Twitter@Tourney_19 様)
トヨタはMIRAIを2020年にフルモデルチェンジさせ、2代目モデルが販売中となっている。さらに、プラットホーム共用のロングホイールベース版となる新型クラウンセダンが2023年秋に発売予定となっており、パワートレインはFCEVとハイブリッドの二本立てとなる見込み。

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新型CR-V欧州仕様発表、e:HEVとe:PHEV採用 2023年5月
新型CR-V欧州仕様が発表された。パワートレインラインアップはe:HEVとe:PHEVの二種類が用意され、いずれも2.0L NAエンジンが搭載される。また、CR-V中国仕様で先行導入されてきた、ホンダ最新の安全運転支援システム「Honda SENSING 360」が欧州で初めて採用された。
ホンダは新型CR-Vの欧州仕様を現地時間2023年5月12日に発表した。パワートレインラインアップは、「e:HEV」と、欧州初となるプラグインハイブリッドの「e:PHEV」が用意される。
両方のバリエーションには、効率、洗練度、全レンジのダイナミックパフォーマンスを向上させる目的で、改良された2.0リットルの直噴式アトキンソンサイクルガソリンエンジンが搭載される。特にe:PHEVは、印象的な加速、短い充電時間、高競争力のある全電気モードの範囲を提供するため、e:HEVと同じ軽量で高出力の車載電動モーターを採用する。
e:PHEVは、電気モードで82kmの走行が可能で、ほとんどの日常のトリップを電気駆動だけで完了できる。また、バッテリーの温度が25度の場合、空からの充電が100%になるまで2.5時間しかかからない。
一方、e:HEVには、どんな運転状況にも適応するEV走行、ハイブリッド走行、エンジン走行のシームレスな切り替えが可能なe:HEVパワートレインの最新バージョンが搭載される。
新型CR-Vは「Honda SENSING 360」運転支援システムをヨーロッパで初めて導入
新型CR-Vにはヨーロッパ初となる運転支援システム「Honda SENSING 360」が搭載される。先行してCR-V中国仕様で導入されてきたこのシステムは、車両周囲の死角を排除し、運転者の負担を軽減することにより、衝突回避に大きく貢献する。
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新型CR-Vがフルモデルチェンジ、米国先行発表 2022年7月
米国ホンダは新型CR-Vのフルモデルチェンジ発表を2022年7月12日に行った。パワートレインラインアップは、1.5L ターボエンジン、2.0Lハイブリッドが用意される。
新型CR-V エンジン車の日本発売は無し、新型ZR-Vが後継車種
6代目となる新型CR-Vは、5代目の従来型と比較して、ホイールベースが40mm延長され、大型化を受けた。
ホンダのラインアップでは、CR-Vよりワンサイズ下のクロスオーバーSUVが新設されており、新型HR-V米国仕様として販売されている。新型HR-V米国仕様は日本市場ではモデルネームを変えて、新型ZR-Vとして販売中となっている。
ZR-Vのボディサイズは、全高が少しタイトになったものの従来型CR-Vを継承するサイズ感の車種に仕上げられている。日本市場で販売するにあたって最適な中型SUVとなっている。一方で、北米市場に向けて大型化された新型CR-Vは、日本ではFCEVのみが発売される見込みとなっている。
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新型CR-Vのボディサイズを従来型CR-V、新型ZR-Vと比較
新型CR-V(6代目)米国仕様ボディサイズ
- ホイールベース:106.3インチ(換算:2700mm)
- 全長:184.8インチ(換算:4694mm)
- 全幅:73.4インチ(換算:1864mm)
- 全高:66.2~66.6インチ(換算:1681~1692mm)
従来型CR-V(5代目)日本仕様 2022年8月生産終了モデル ボディサイズ
- ホイールベース:2660mm
- 全長:4605mm
- 全幅:1855mm
- 全高:1680~1690mm
米国HR-V(国内向け新型ZR-V)のボディサイズ
- ホイールベース:104.5インチ(換算2654mm)
- 全長:179.8インチ(換算4567mm)
- 全幅:72.4インチ(換算1839mm)
- 全高:63.4~63.8インチ(換算1610~1621mm)
CR-V FCEV(燃料電池車)日本発売のまとめ
- 新型CR-V FCEVは、日本と米国で2024年の発売が予告された
- 北米などで販売中の6代目新型CR-Vがベース車
- 生産拠点は米国オハイオ州メアリズビルのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)
- 次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」は、GMと共同開発
- クラリティフューエルセルと比較して、コストは1/3、耐久性2倍、、耐低温性向上
- 一般でも購入可能な価格帯、販売方法になることが期待される
- 1.5Lターボ、2.0L e:HEVなどガソリン燃料車の日本発売はおそらく無し
- 中国、欧州のCR-Vで先行導入される「HONDA SENSING 360」の日本仕様採用期待