新型CR-V e:HEVの日本発売はあるのか、ガソリン燃料車の追加が待望されている
フルモデルチェンジを経て6代目となった新型CR-Vについて、日本での導入が発表されているのは「e:FCEV」モデルのみです。「1.5Lターボ」や「2.0L e:HEV」といったガソリン燃料車への関心が高まっていますが、これらのモデルに関するホンダの日本での販売計画の発表はまだありません。
欧州市場ではCR-Vが「2.0L e:HEV」と「e:PHEV」モデルで展開され、米国市場では「1.5L ガソリンターボ」と「2.0L e:HEV」が販売されています。これらは、それぞれの市場の需要や環境規制に応じて設定されています。
一方、日本市場ではCR-Vの代わりにZR-Vが設定され、「1.5L ガソリンターボ」と「2.0L e:HEV」モデルがラインアップされています。
ZR-Vは比較的堅調な販売実績を記録しており、月間3~4千台規模となっています。これは、他のメーカーの中型SUVと同等、あるいはそれ以上の水準です。このため、現段階でCR-Vを日本市場に導入する動きは期待薄かもしれません。
新型CR-Vの「e:FCEV」モデルは、2024年夏に日本での発売が予定されています。これは北米で販売中の6代目新型CR-Vをベースに、GMと共同で開発した次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」を搭載しています。このシステムは、従来のクラリティフューエルセルに比べて、コストを1/3に抑えつつ耐久性を2倍にし、耐低温性も向上させています。
日本で発売される新型CR-V「e:FCEV」は、米国オハイオ州メアリズビルにあるパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で生産されます。新型CR-Vは国内での生産がされていないため、1.5Lターボや2.0Lハイブリッドの日本市場への導入が困難である可能性が指摘されています。ただし、オデッセイのように中国で生産されたモデルを輸入する可能性に期待する声も存在します。
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新型CR-V e:FCEVは、2024年夏に日本発売
ホンダは新型CR-V e:FCEVを2024年夏に日本発売することを発表した。これに合わせて特設サイトもオープンした。
新型CR-V e:FCEVは東京ビッグサイトで開催される「H2 & FC EXPO」(2024年2月28日~3月1日)でワールドプレミアとなった。
CR-V e:FCEVは、日本の自動車メーカーが発売するモデルとして初めて、外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池車となる。この車は、燃料電池車特有の長い航続距離と水素の充填時間の短さを保ちつつ、家庭や外出先での充電が可能なプラグイン機能を加えることで、利便性がさらに高められた。
WLTCモードによる一充填走行距離は600km以上、EV走行可能距離は60km以上となる見込み。北米地域や中国などで販売されている6代目CR-Vをベースにしており、SUVならではのユーティリティーやパッケージが提供される。
CR-V e:FCEVに搭載される燃料電池システムは、Hondaとゼネラルモーターズ(GM)が共同で開発し、米国ミシガン州にある両社の合弁会社、Fuel Cell System Manufacturing, LLCで生産される。この燃料電池システムを搭載した車両の生産は、米国オハイオ州のPerformance Manufacturing Centerで行われ、日本に輸出されることになる。日本に加え北米での発売も2024年に予定されている。
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新型CR-V e:FCEVの主な特長
グランドコンセプトとして掲げる「E-Life Generator」は、3分の水素充填時間で長距離ドライブを実現し、日常的な走行ではEVと同様の使い勝手を提供する。SUVの走破性と機能性を兼ね備え、外部給電器を通じて高出力の電力供給が可能であり、普通充電ポートに接続することで簡単に電力を取り出せる点も特徴となる。
燃料電池システムはGMとの共同開発による。「CLARITY FUEL CELL」に搭載されていたシステムと比較して、白金使用量の削減やセル数の削減、量産効果によりコストを3分の1に抑えつつ、耐久性を2倍に、耐低温性を大幅に向上させた。パワーユニットを一体化することで、小型軽量化が実現され、CR-Vのエンジンマウントをそのまま使えるためコスト低減と衝突安全性の向上にも寄与した。振動や騒音もCLARITY FUEL CELLと比較して大きく低下し、走りの上質感が大きく向上した。
充給電機能については、AC充給電コネクターに「SAE J1772」規格を採用し、家庭のACコンセントから気軽に車両を充電できる。AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を普通充電ポートに接続することで、最大1500WのAC給電が可能な外部給電機能を装備し、停電時やアウトドアでのレジャーに活用できる。日本仕様では、荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに「Power Exporter e:6000」、「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続し、非常時や屋外イベントで高出力の電力供給が可能なDC外部給電機能も備えている。
内装では、CR-Vの広々とした居住空間が維持され、荷室には水素タンクを利用した新しいアイデアが採用されている。フラットで広範なラゲッジスペースと、荷物の整理がしやすい2段式の荷室を実現している。
デザイン面では、エクステリアにCR-Vの伝統的なスポーティーさと機能性に加え、「クリーン」「タフ」「アイコニック」をキーワードとしたFCEVならではの知的な佇まいと力強さが反映されている。インテリアにおいても、CR-Vの高級感とタフネスを維持しつつ、環境に配慮した素材であるバイオ合皮をシートに採用し、人と環境に優しいFCEVのスタイルを提案している。
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新型CR-V e:FCEV仕様が2024年に日本発売予定、新開発「e:FUEL CELL」はクラリティFCV比でコスト1/3
新型CR-V(6代目モデル)FCEV仕様については、燃料電池システムの生産スタートがホンダから発表されていた。
次世代燃料電池システムは、ホンダと米国GMが共同開発してきた。その生産については、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC(FCSM)によって行われる。
「FCSMで生産される燃料電池システムは、2024年内にHondaが発売を予定している新型燃料電池自動車(FCEV)へ搭載されます。」と発表しており、これは新型CR-V FCEVであることは間違いないだろう。
さらに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つの適用領域を中心に、B to Bのお客様に向けた製品・事業への適用拡大により、水素需要の喚起を図っていくとしている。
FCSMは、先進の燃料電池システムを生産する自動車業界初の合弁会社として2017年1月に設立。米国ミシガン州ブラウンズタウンにある、70,000平方フィートの敷地を有するGMの既存バッテリーパック生産工場内に設置された。両社が同額ずつ拠出した投資総額は8500万ドルにもおよぶ。
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新型CR-V FCEVには新開発「e:FUEL CELL」を採用
CR-Vシリーズは、2022年9月に、6代目モデルのフルモデルチェンジを迎え、北米での販売を開始。続いて、中国、メキシコ、欧州の市場への進出も果たした。
一方、日本では5代目CR-Vの後継として、新型ZR-Vが導入されており、新型CR-Vの国内販売は実現しないとも考えられた。しかし、2024年にリリースされるFCEVモデルについては、日本販売されることが予告された。
ホンダは、2023年2月に「水素事業の取り組みについて」を発表。日本および北米での新型FCEVの導入を計画し、そのベース車体として新型CR-Vを使用する方針を明らかにした。
新型CR-V FCEVは、次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」を搭載予定。このシステムはGMとの共同開発により、従来のクラリティFCVに比べて、耐久性が2倍、コストは3分の1とされ、耐低温性も向上する見込みである。
新型CR-V FCEVは、同クラスのPHEV車などと同価格帯になることが期待される。
新型CR-V FCEVの生産は、これまでのCR-Vと同様、米国オハイオ州メアリズビルにあるパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で行われる見込み。また、FCEVの導入を機に、ガソリン車やe:HEVの日本での販売も期待されるが、現在のところ具体的な話は無い。
ホンダは2040年までに、BEV・FCEVのグローバルでの販売比率を100%にする目標を掲げている。ただし、現状ではBEVですら販売比率は低く、「HONDA e」や、中国向けの「e:NP1」、「e:NS1」をラインアップするに留まっている。
FCEVについては、2021年に少量生産のクラリティFCVが終了となってからは、後継モデルを投入することすらできていない状況であった。2024年には、新型CR-Vに採用されることで、ホンダのFCEVが復活することになる。
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ホンダ新型CR-Vだけではない、トヨタでもFCEVの選択肢が増える
トヨタはMIRAIを2020年にフルモデルチェンジさせ、2代目モデルが販売中となっている。さらに、プラットホーム共用のロングホイールベース版となる新型クラウンセダンが2023年秋に発売予定となっており、パワートレインはFCEVとハイブリッドの二本立てとなる見込み。
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新型CR-V欧州仕様発表、e:HEVとe:PHEV採用 2023年5月
新型CR-V欧州仕様が発表された。パワートレインラインアップはe:HEVとe:PHEVの二種類が用意され、いずれも2.0L NAエンジンが搭載される。また、CR-V中国仕様で先行導入されてきた、ホンダ最新の安全運転支援システム「Honda SENSING 360」が欧州で初めて採用された。
ホンダは新型CR-Vの欧州仕様を現地時間2023年5月12日に発表した。パワートレインラインアップは、「e:HEV」と、欧州初となるプラグインハイブリッドの「e:PHEV」が用意される。
両方のバリエーションには、効率、洗練度、全レンジのダイナミックパフォーマンスを向上させる目的で、改良された2.0リットルの直噴式アトキンソンサイクルガソリンエンジンが搭載される。特にe:PHEVは、印象的な加速、短い充電時間、高競争力のある全電気モードの範囲を提供するため、e:HEVと同じ軽量で高出力の車載電動モーターを採用する。
e:PHEVは、電気モードで82kmの走行が可能で、ほとんどの日常のトリップを電気駆動だけで完了できる。また、バッテリーの温度が25度の場合、空からの充電が100%になるまで2.5時間しかかからない。
一方、e:HEVには、どんな運転状況にも適応するEV走行、ハイブリッド走行、エンジン走行のシームレスな切り替えが可能なe:HEVパワートレインの最新バージョンが搭載される。
新型CR-Vは「Honda SENSING 360」運転支援システムをヨーロッパで初めて導入
新型CR-Vにはヨーロッパ初となる運転支援システム「Honda SENSING 360」が搭載される。先行してCR-V中国仕様で導入されてきたこのシステムは、車両周囲の死角を排除し、運転者の負担を軽減することにより、衝突回避に大きく貢献する。
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新型CR-Vがフルモデルチェンジ、米国先行発表 2022年7月
米国ホンダは新型CR-Vのフルモデルチェンジ発表を2022年7月12日に行った。パワートレインラインアップは、1.5L ターボエンジン、2.0Lハイブリッドが用意される。
新型CR-V エンジン車の日本発売は無し、新型ZR-Vが後継車種
6代目となる新型CR-Vは、5代目の従来型と比較して、ホイールベースが40mm延長され、大型化を受けた。
ホンダのラインアップでは、CR-Vよりワンサイズ下のクロスオーバーSUVが新設されており、新型HR-V米国仕様として販売されている。新型HR-V米国仕様は日本市場ではモデルネームを変えて、新型ZR-Vとして販売中となっている。
ZR-Vのボディサイズは、全高が少しタイトになったものの従来型CR-Vを継承するサイズ感の車種に仕上げられている。日本市場で販売するにあたって最適な中型SUVとなっている。一方で、北米市場に向けて大型化された新型CR-Vは、日本ではFCEVのみが発売される見込みとなっている。
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新型CR-Vのボディサイズを従来型CR-V、新型ZR-Vと比較
新型CR-V(6代目)米国仕様ボディサイズ
- ホイールベース:106.3インチ(換算:2700mm)
- 全長:184.8インチ(換算:4694mm)
- 全幅:73.4インチ(換算:1864mm)
- 全高:66.2~66.6インチ(換算:1681~1692mm)
従来型CR-V(5代目)日本仕様 2022年8月生産終了モデル ボディサイズ
- ホイールベース:2660mm
- 全長:4605mm
- 全幅:1855mm
- 全高:1680~1690mm
米国HR-V(国内向け新型ZR-V)のボディサイズ
- ホイールベース:104.5インチ(換算2654mm)
- 全長:179.8インチ(換算4567mm)
- 全幅:72.4インチ(換算1839mm)
- 全高:63.4~63.8インチ(換算1610~1621mm)
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CR-V FCEV(燃料電池車)日本発売のまとめ
まとめ更新日: 2024/04/04
- 新型CR-V FCEVの日本発売は2024年夏の予定
- 北米などで販売中の6代目新型CR-Vがベース車
- 搭載される次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」は、GMと共同開発
- 「e:FUEL CELL」の生産スタートが発表済み
- クラリティフューエルセルと比較して、コストは1/3、耐久性2倍、、耐低温性向上
- 一般でも購入可能な価格帯、販売方法になることが期待される
- 車体の生産拠点は米国オハイオ州メアリズビルのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)
- 中国、欧州のCR-Vで先行導入される「HONDA SENSING 360」の採用は見送りか
- 1.5Lターボ、2.0L e:HEVなどガソリン燃料車の日本発売はおそらく無し