自動車メーカーの被災と復旧状況

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トヨタ

関連会社の被災状況

セントラル自動車の宮城工場、関東自動車工場の岩手工場が操業停止となった。
このほか、トヨタ紡織東北の本社、北上工場、金ヶ崎工場、宮城工場が設備に被害があり稼動が停止していた。
かつてトヨタは東海地震が想定されるエリアに事業所が多く存在したため、リスク回避の意味で全国に事業所を分散させることを行ってきていたが、今回はその措置が裏目に出てしまい東北地方に移転した関連工場が被災した。

現在約5割の稼動

完成車工場においては急速に復旧を遂げたトヨタ関連工場であるが、部品の供給が未だ十分ではない状況だ。
そのため稼働率は通常時の半分程度に留まっている。
プリウスやレクサスのハイブリッド車種は比較的早い段階から、操業を再開している。

日産

関連会社の被災状況

いわき工場、栃木工場、横浜工場、追浜工場、座間事業所、本牧の埠頭が地震による被害を受けた。
栃木工場やいわき工場では小規模な火災が発生した。
日立港では米国向けの完成車約1300台が炎上。
宮城サービスセンターでも新車約1000台が津波を被った。
日産車体、日産工機でも地震による直接的被害を受けていた。
また、トランスミッションを製造するジャトコも被害を受けた。

被害の大きかったいわき工場が復旧

4月中に多くの事業所が操業を再開し、現在復旧している。
ただし、部品の供給状態は良くない。
通常の50%程度の稼働率に留まっている。

ホンダ

関連施設の被災状況

栃木にある本田技研研究所4輪R&Dセンターの一部が倒壊し、従業員1名が死亡した。
このほかにもいくつかの栃木の関連施設が地震による被害を受け多くの負傷者を出した。

復旧状況は?

狭山、鈴鹿、熊本の事業所は稼動を再開させたものの、国内メーカの中では、比較的深刻度は高い。
新車の開発を行う施設の復旧状況に手間取りそうだ。
3月に予定されていたフィットシャトルの発売が、未だ達成されていない。

三菱自動車

仙台のパーツデポ、テクニカルセンターが被害を受けた。
新車完成車、約400台が津波の被害に。
部品供給の問題は現在もある。

マツダ

事業所の直接的な被災は少ない。
部品のサプライ問題はあるが、他メーカーに比べれば、深刻度は低い。
生産に関しては、通常時には及ばないものの、昼夜操業が行われている。
海外工場も操業が続けられている。

スバル

生産施設や研究施設の建屋にわずかな被害がある程度で、小さな被災に留まっている。
ひたちなか港で約50台が津波の被害となった。
通常時の半分程度の生産力まで回復。

スズキ

仙台での保管車両約2000台が津波の被害に遭った。
サプライチェーンも回復段階にあり、湖西工場、相良工場、磐田工場が4月中に稼動再開。
二輪の生産は豊川工場で稼動している。

ダイハツ

八戸で約200台、仙台で約1400台が津波の被害にあった。
工場の直接被害は少ない。
4月中に全工場で生産を再開しているが、部品供給が十分でなく通常の5割の生産台数となっている。

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