トヨタの生産が通常の半分程度まで回復見込み
トヨタ自動車は来週4/18より、完成車の生産を通常時の半分程度の水準まで回復させる見込みとなった。
現在の部品調達状況は万全ではなく、一先ず6/3までの生産計画となった。
これまでトヨタは、ハイブリッドカーを中心にプリウス、レクサスCT200h、レクサスHS250hの生産を先行して再開させていたが、今回の発表では全車種にわたっての生産再開となる。
ただし、一部グレードや仕様違いなどで生産対応できない車種もあるようだ。
日本国内の工場の再開を優先か?
日本国内にある生産拠点に関しては少しずつ回復傾向にあるが、海外の生産拠点については減産や生産休止の決定をしている。
イギリス、フランス、トルコ、ポーランドといった欧州を中心とするトヨタの工場では減産体制となり、部品供給が途絶えるようだ。
また、アメリカでの工場は生産を継続して行っている。
トヨタにとってのマーケットの重要度は、日本>アメリカ>欧州という位置付けなのだろうか?
自動車部品供給のネックとなっているのは樹脂と電子部品
自動車業界の生産再開に向けてネックとなっているのが、樹脂原料の供給問題だ。
中でも三菱化学の鹿島工場のダメージが大きく、樹脂原料の生産再開は6月以降になる予定。
ここで生産される樹脂原料を元にプラスチック・ゴム製の自動車パーツが製造される。
他には、電子部品の供給問題も深刻だ。
自動車用のシステムLSI、マイコンを生産しているルネサスエレクトロニクスでは茨城県で被災した工場を急ピッチで立て直そうとしている。
躍進する欧米の自動車メーカー
日本の自動車メーカーの生産が滞っている中、ドイツを中心とする欧米の自動車メーカーが販売数を積極的に伸ばしつつある。
BMWは過去最高の販売台数
BMW社は3月の販売台数が、過去最高となった。
レクサス、インフィニティー、アキュラといった日本メーカーの高級ブランドが十分な商品を提供できない状況のなか、直接競合となるBMWは、そのシェアを奪って大きく躍進した。
BMWのほか、MINI、ロールスロイスといった傘下のブランドの販売台数も含めている。
フォルクスワーゲンのCM
最近めっきり見なくなったのが、自動車のテレビCMである。
平時であれば、テレビをつけると今頃はフィットシャトルやプリウスプラスといったコマーシャルを見るはずだった。
生産もままならない中では、テレビCMなど放映できる状況でないのが今の自動車業界である。
ただし、例外として、フォルクスワーゲンのミニバン、シャランとトゥーランはテレビCMを放映している。
輸入車登録台数1位のフォルクスワーゲンは、この機を逃すまいと販売促進に力を入れている。