ハイブリッドだけでないアウディの環境対策車、g-トロン
アウディがジュネーブモーターショー2013で発表した『A3 スポーツバック g-トロン』は興味深い一台であった。アウディは同じくジュネーブモーターショーで『A3 スポーツバック e-トロン』というプラグインハイブリッド車を発表したが、e-トロンのeはもちろん電気を表すもの。一方でg-トロンのgは、2011年よりアウディが開発を進めてきた「e-ガス」プロジェクトの1つである次世代の天然ガス車を意味するのである。
g-トロンは1.4L TFSIエンジンを天然ガス燃料にも対応させた
A3 スポーツバック g-トロンのパワートレインは、アウディではTFSIエンジンと呼んでいる1.4L直列4気筒の直噴ターボガソリンのユニットがベースになっており、最大出力は110ps、最大トルクは20.4kgmというスペック。もちろん燃料に天然ガスを使用するための特別な調整がなされており、シリンダーヘッドやターボチャージャーなどは専用設計となった。また、天然ガス用のタンクにも工夫が凝らされており、炭素繊維樹脂と特殊ポリマーによって軽量化されたものがトランク床下に2基設置された。
A3スポーツバック gトロンは、天然ガスで400kmを走行することができ、ガソリンでさらに900km、合計すると一度の燃料補給で1,300kmの航続距離を持っている。天然ガスのおかげで、CO2排出量が30g/kmに抑えられるという抜群の環境性能を誇りながら、0-100km/h加速は11秒、最高速度も190km/hと実用的なスポーツ性能を持つ。