508から新デザインのプジョー顔
プジョーの新型Dセグメントカー、508と508SWが、昨年の2011年6月から発売されている。
この508から、新しいプジョー顔が導入されている。これまでの鋭い吊り目が少し大人しくなり、グリルの口の開きもファニーで落ち着いた雰囲気になった。
決して若者ではない日本での購入年齢層を考えると、スッキリと落ち着いた印象になったプジョーを歓迎するファンも多いのではないか。ただ、これまでのプジョー顔のような、インパクトの強いものではなくなってしまったのは少し残念だ。
内装デザインも派手さよりも上質を求める方向で進化し、プレミアムカー並のステイタス感がそこにはある。
508/508SW、パワートレーンは1.6Lターボ+アイシン6AT
508、508SWに採用されているエンジンは、1.6Lにツインスクロールターボチャージャが装備されたものになる。現在、日本で販売されているプジョー車は、NAとターボの違いはあれど、全て1.6Lエンジンの採用となっている。Cセグメントコンパクトカーの207と共通になる1.6Lエンジンで、車両重量1.5tを超える508、508SWを満足に走らせることができるのか?これは誰もが思う疑問だろう。しかし、動力性能に関する評価はむしろ高いほうで、フランス車は燃費、加速性能ともに、ようやく一昔前のドイツ車に並んだと言える。
トランスミッションはアイシンAW製の6速ATを採用。これも一昔前のドイツ車によく使われたタイプと同系列のトランスミッションとなる。日本メーカー製ということで、トラブルの元だった欧州メーカー製のオートマチックトランスミッションよりも安心感がある。しかし、ゴルフⅤの初期モデルに採用されたアイシンAW製6速ATに、不具合が多かったことは忘れてはいない。信頼性が高いと言われる日本メーカー製トランスミッションだが、欧州車に載せた途端にトラブルを多発するという例は、この他にもよくある。ちなみに、この508、508SWに採用されているアイシンAW製6速ATは、第二世代と呼ばれている新型のものなので、過去の不具合とは無縁であることを期待したい。
新型の508、508SWの乗り心地は総じて良いという評価が多いが、いわゆる猫足と呼ばれる柔らかさを感じるものではないようだ。明らかにドイツ車を意識した、硬さの残る足回りにセッティングしてある。
508SWで前席のみ乗車の場合は、リアがバタつく場面を指摘する声もある。ただしこれは、ステーションワゴンという特性を考えてのこと。後席に乗客がいる場合や、広いラゲッジに荷物を乗せている場合で、ベストなバランスになるように、調整されていると考えていいだろう。
価格は、セダンの508は、アリュールが374万円から、グリフが414万円から。
ステーションワゴンの508SWは、アリュールが394万円から、グリフが437万円から。
特にアリュールが300万円台なのは、ちょっとした上級車が欲しいユーザーにとって、現実的な選択肢となるはず。
さらに、508SWはパノラミックガラスルーフが標準装備されているのも購買欲がそそられる要素。
フランス車独特のプレミアム感と装備の充実さ、この値段ならコストパフォーマンスは高く感じる。