マツダではMAZDA6後継モデルの開発が進められており2023年以降の発売が予想される。
最近のマツダでは、クロスオーバーSUVの新型CX-60が欧州市場に向けて発表され、その日本仕様も4月上旬に発表される見込み。4ドアクーペの次期MAZDA6は、この新型CX-60とプラットフォーム共用されるラージ商品群の一つとしてラインアップされることになる。
特に注目されるのは、ラージ商品群に用意される3つの新開発パワートレインで、これらは次期MAZDA6への搭載が予想される。
まず、直列4気筒2.5Lガソリンエンジンをメインユニットとするプラグインハイブリッドシステムは、新型CX-60に先行搭載されるということで仕様の概要が明らかとなっている。トランスミッションは8速AT、駆動用モーターの出力は100kW、バッテリー容量は17.8kWhとなり、フル充電からのEV航続距離として63kmが提供される。
次期MAZDA6への搭載にあたっても、これに近い仕様でパワートレイン共用されることが予想される。
残る2つのパワートレインは、新開発の直列6気筒エンジンで、マツダのプレミアムセグメントへの挑戦を象徴するユニットとなる。
排気量はガソリンが3.0L、ディーゼルターボが3.3Lとなる見込み。
環境性能への要求が厳しくなる中での大排気量エンジンであるが、いずれもアシストモーターを備えた48Vマイルドハイブリッド方式を採用することで、多くの市場での販売に適応したパワートレインに仕上げられ、次期MAZDA6へも搭載されることになるだろう。
MAZDA6の後継モデルの予告、VISION COUOPEで示されたFRプラットフォーム
マツダがFRレイアウトをベースとした4ドアモデルを計画していることは、2017年の東京モーターショーで発表されたVISION COUOPE コンセプトにより明らかとなっていた。
VISION COUPEの特徴は、大きなボンネットと、四隅に配置されたホイール、そして室内には極太のセンタートンネルが存在し、エンジン縦置きのFRレイアウトを採用していることが強調された。
ただし、MAZDA6後継モデルとしての市販実現性については、発表当時は疑問視する声も多く、単なる客寄せのコンセプトカーという見方もあった。
VISION COUPEコンセプト公開から4年が経過し、マツダの新開発FRプラットフォームもより具体的な形で判明してきている。
なかでもパワートレインについては、3種類が用意されることが、マツダが発表した「2030年に向けた新たな技術・商品方針」のなかでも明らかとなっていた。
- ガソリンエンジン48Vマイルドハイブリッド
- ガソリンエンジンプラグインハイブリッド
- ディーゼルエンジン48Vマイルドハイブリッド
これらのパワートレイン構造の概略はイラストで公開されており、いずれもエンジンが縦置きにレイアウトされていることと、プロペラシャフトが存在することが判断できる。
ガソリンエンジン48Vマイルドハイブリッド
パワートレインラインアップのなかでも販売の主力となりそうなのが、直6ガソリンエンジンをメインユニットとする48Vマイルドハイブリッドシステムである。排気量は3.0Lが想定される。
このクラスの6気筒エンジンは、衝突安全性の確保のためエンジン長を短くすることができるV型エンジンを採用するのが今世紀初頭ごろからの流れであった。ただし、その後の技術の進歩で直列6気筒でも衝突安全性を確保することが可能となった。構造的に一次振動を抑えられる上、コスト面でも有利な直列エンジンに回帰する動きがある。
6気筒のシリンダーブロックは、直4 2.0L SKYACTIV-Xの現行エンジンから気筒を2つ増やしたものが想定される。電動部は48Vマイルドハイブリッドに仕上げられる。
近年の直列6気筒ガソリンエンジンと言えば、メルセデス・ベンツが2018年にSクラスで導入をスタートさせたM256型エンジンがあり、ISGによる48Vハイブリッドも備わる。このメルセデスの直6パワートレインがベンチマークの一つとなっているだろう。
ガソリンエンジンプラグインハイブリッド
プラグインハイブリッドのメインユニットは縦置き搭載された2.5Lの4気筒エンジンとなる。仕様は前述の通り。
- トランスミッション:8速AT
- 駆動用モーター出力:100kW
- バッテリー容量:17.8kWh
- EV航続距離:63km
ディーゼルエンジン48Vマイルドハイブリッド
そして、ディーゼルも直列6気筒で開発中となっている。排気量は3.3Lとなる。現行の2.2L 直列4気筒ディーゼルをベースに開発されている。
直列6気筒ディーゼルの48Vハイブリッドといえば、BMWのM340dなどで導入された例がある。