ダイハツ・ムーヴの6月下旬の生産終了が告知された。後継車種の開発は既に完了しており、本来なら空白期間なく新型ムーヴの販売に引き継がれるはず。しかし、相次ぐ試験不正の発覚や大規模リコールの対応のため、新型ムーヴの発売時期は未定となっている。
当初の計画は、5月10日にティザーキャンペーンが開始され、ガソリンエンジンのNAとターボが用意されるというものであった。後席では、スライドドア装備という大幅な進化を遂げる。ムーヴカスタムは廃止され、ボデイタイプは一本化される。
一方で、期待された新開発の軽自動車向けe-SMART HYBRIDは、少なくとも発売初期モデルには採用されないことが判明していた。
次期ムーヴは、e-SMART HYBRID搭載は遅れる
次期ムーヴへの搭載が期待されるハイブリッドシステムはどのようなものになるのか。その大きなヒントとなるのが、2021年11月1日に発売された、ダイハツ・ロッキー e-SMART HYBRIDである。
そのシステムは100%モーター駆動のシリーズ式ハイブリッドとなっており、ダイハツが自社開発したものである。この発電エンジンの排気量は1.2Lであるが、今後、軽自動車向けe-SMART HYBRIDが登場することが予告された。その市販時期は2023年頃になる見込みとなっており、次期ムーヴの発売時期と重なる。ただし、発売初期モデルには用意されないことが見込まれている。
7代目となる新型ムーヴへは、KF型エンジンの改良版の搭載も予想される。
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ムーヴ e-SMART HYBRIDに期待、シリーズ式ハイブリッドは1.2Lと軽自動車用の両方あり
ダイハツがシリーズ式ハイブリッドの開発に本格的に取り組んでいることは、特許出願の状況により以前から推測されていた。しかし、これが軽自動車向けなのか、1.2Lクラス程度の小型車向けなのかは判断が難しかった。結局は両方のボディタイプに対してシリーズ式ハイブリッドシステムが用意されることになる。
ハイブリッドカー黎明期から現在に至るまでは、エンジンとモーター両方が並行して駆動するパラレル式もしくはシリーズパラレル式が主流で、トヨタやホンダも採用してきた。しかし近年は、バッテリーやインバーターなどの性能向上とコストダウンが進み、100%モーター駆動のシリーズ式も合理性を持つようになってきている。それでも、比較的低価格なスモールカーを中心に取り扱ってきたダイハツにとっては、ハイブリッド化にはコスト面の問題が大きく、これまでは消極的な姿勢を見せてきた。
過去にはトヨタからの技術協力により実現したハイゼットカーゴハイブリッドがあったが、セールス面で大きな実績もなく2010年に販売を終了さている。
次期ムーヴにEVは用意されないのか
軽自動車の脱炭素化、電動化については、本格ハイブリッドをスキップして、一気にEV化するのでは、という予想もある。しかし、軽自動車の「2030年度燃費基準」をEVシフトだけで達成するのは、実際には難しい。本格ハイブリッドとEVの両方の手段で電動化を進めるのが現実的となる。
新世代の軽自動車EVについては、2022年に日産・サクラ、三菱・eKクロス EVを発売し、これらのボディはムーヴと近いベーシック乗用タイプであった。また、ホンダは2024年春にN-VANベースのEVを出すことを発表している。
ダイハツとスズキは、Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)の参画として、商用軽自動車EVの2023年度の発売目標を発表している。
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新型ムーヴのEV化は遅れそう、2022年は日産三菱の新型軽EVが発売
2022年に発表された日産の新型軽自動車EVは、「SAKURA」と命名された。その車両価格に補助金を差し引くと、実質負担額は178万円程度となり、軽自動車のEV化の進行が予想された。(その後、値上げが実施された。)しかし、軽自動車の新車販売の全台数がEVに置き換わるわけではないだろう。航続距離などを理由にガソリン燃料で走る軽自動車のニーズはこれからも続くはず。
それだけに本格ハイブリッドのe-SMART HYBRIDの軽自動車への導入が期待される。
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新型ムーヴ e-POWER まとめ
まとめ更新日: 2023/06/28
- ダイハツ・ムーヴの新型7代目、発売時期未定
- 新開発の軽自動車向けe-SMART HYBRIDの搭載期待
- e-SMART HYBRIDは、100%モーター駆動のシリーズ式ハイブリッドシステム
- ガソリンエンジンはNAとターボが継続、改良版KF型エンジン
- ダイハツとスズキは商用軽自動車EVを2023年度に発売する目標を設定
- ムーヴシリーズのEV化は遅れる可能性がある