日産ノート3代目フルモデルチェンジ、E13型はe-POWER専用車
2020年11月24日にフルモデルチェンジ発表されたe-POWER 2WDモデルは、日産の中でも優先して生産が進められているようで、2021年1月 7532台、2月 7246台、3月 13352台(乗用登録車4位)の販売実績を残している。
日産のコンパクトカー、ノート シリーズは2005年に初代モデル(E11型)が登場し、2012年の二代目(E12型)と続き、本モデルで3代目(E13型)となる。
新型ノートのボディサイズは、全長4045mm×全幅1695mm×全高1505mm、ホイールベース2580mmとなった。従来型からのサイズ感、Bセグメントが維持された。
パワートレインはe-POWERに絞り込まれた
かつての国内Bセグメントは、トヨタ・ヴィッツ(現ヤリス)、ホンダ・フィットが人気を二分していた。そこへ割って入ったのが日産・ノートというわけだが、そんななかで、15年間で累計約146万台という販売実績を残してこれたのは、お買い得感と、パワートレインラインナップの豊富さ、にあったと考える。
まず初代ノートでは、エンジン選択肢として1.5Lの一種類のみが用意された。それでもエントリー価格は他メーカーの1.2~1.3Lクラスエンジン車と同等とすることで、お買い得を出した。これが地味に販売台数を伸ばすことに成功していた。
次に二代目ノートでは、1.2Lガソリン、1.2Lスーパーチャージャー、e-POWERとパワートレイン選択肢を増やした。この時期の日産のラインナップでは、国内向けティーダが廃止されたり、あるいはマーチをタイ生産することで国内向け重点車種から外すという動きがあった。ノートがこれらの受け皿となるべく、幅広い価格帯、多彩なパワートレインラインナップが用意され、顧客のニーズに応えてきた。
そして、今回の3代目は再びパワートレイン選択肢が一つに絞り込まれた。新型ノートはe-POWER専用車となったのだ。
エントリー価格はSグレードの202万9500円で、Fグレードが205万4800円、Xグレードが218万6800円となる。以上は2WDモデルで、さらにe-POWER 4WDも発売された。
従来型2020年販売実績で約68%がe-POWER
国内向けBセグメントハッチバックカーにおいて、コンベンショナルガソリンを搭載した150万円程度のモデルを置かないのは、ある意味賭けでもある。今後、前述の半導体不足の問題が解決すれば、追加でそういった廉価モデルが出される可能性は残される。ただし、これをフルモデルチェンジ初期の段階で用意しないのは戦略としてはアリと考える。
というのも、従来型(E12型)の2020年1月~9月の販売実績では、約68%がe-POWER搭載モデルが選ばれていたのだ。e-POWERがこの水準で売れていたのであれば、フルモデルチェンジ初期に安いモデルをラインアップさせないのは、十分に合理的な判断と言えるだろう。
そして、いまや150万円のクルマは、軽自動車のテリトリーになりつつあることも忘れてはならない。