スズキの小型ワゴン車、「ソリオ」と「ソリオ バンディット」がフルモデルチェンジ間近となっている。
新型ソリオは、ガソリン仕様とマイルドハイブリッド仕様
他社に比べ、発表前情報が極端に少ないのがスズキの特徴。今回の新型ソリオも例外ではない。ただし、令和2年10月9日の官報により型式の指定が公表されたことで、ようやく概要が見えてきた。
- スズキ 5AA-MA37S
- 三菱 5AA-MB37S
- スズキ 5AA-MA27S
- 三菱 5AA-MB27S
型式は以上の4つで、いずれも製作者はスズキ株式会社。
ここから読み取れるのは、三菱にデリカD:2として車体供給してきたOEM関係は継続されるということ。そして、2つのパワートレインの存在である。
従来型は、型式末尾が
- ~46S ストロングハイブリッド
- ~36S マイルドハイブリッド
- ~26S コンベンショナルガソリン
以上の3タイプであった。
この型式法則が継続されるとすれば、ストロングハイブリッドは廃止ということになる。なぜなら新型の型式に47Sのものは存在しない。
つまり、新型ソリオのエンジンラインナップは、
- 1.2Lコンベンショナルガソリン
- 1.2Lマイルドハイブリッド
の2種類ということになる。
トランスミッションは、ストロングハイブリッドに採用してきたシングルクラッチ式の5速オートギアシフト(AGS)は廃止。ガソリンもハイブリッドもCVTのみのラインアップになりそうである。
現行型ストロングハイブリッドモデルはオーダーストップ済み
既に、ソリオは一部グレードにおいて、オーダーができない状況になっている。特にストロングハイブリッド仕様は、他モデルより先にオーダーストップとなっていた。
スズキの車種は、フルモデルチェンジ時に大量の新古車がカーオークションに流れ込むという現象があった。ただし、最近は過去の反省からか、なるべく在庫を持たない方針に切り替わっている。
ソリオは元々、2020年秋頃のフルモデルチェンジが見込まれていたが、これはコロナなどの理由で恐らく延期になっている。延期といっても在庫が無いため、次期モデル直前まで生産を続けなければならない。ただし、次期ソリオにストロングハイブリッドが設定されないということなら、当初の予定通り、ストロングハイブリッドのパワートレインについては先に生産終了してしまった可能性がある。このあたりも、前述の「型式に47Sが存在しないこと」と辻褄が合う。
スズキは年末年始を挟んで、新型車を投入してくるスケジュールが多いが、今シーズンは新型ソリオということになりそう。年内に正式発表され、年始より発売というスケジュールが予想される。
新型ソリオのボディサイズは大型化、居住性アップ
まだ発表前で正式な情報ではないが、大型化されるという話もある。
ソリオは、元々は軽自動車ワゴンRのワイド版という位置づけでスタートした車種である。現行型3代目モデルのボディサイズは全長3710mm×全幅1625mm×全高1745mm。国内市場をメインに開発された多くの小型車が、5ナンバー枠いっぱいの全幅1695mmに設定されるなかで、ソリオは車幅が小さく設定されてきた。ソリオはこの取り回しの良さがメリットで、軽自動車と小型登録車の中間的なポジションを取ることで他モデルとの差別化が図られてきた。大型化の程度によっては、従来からのユーザーを切り捨てるということになるかもしれない。