フォルクスワーゲン車の弱点
日本車の設計コンセプト
近距離の移動メイン、100km/hの速度制限、渋滞の多さ、湿度の多さが日本の道路環境の特徴だ。
渋滞の多さから日本車は冷却系統の信頼性を高めて、オーバーヒートが起こりえないような設計を行ってきた。
さらに、日本は湿度の多い気候なので、電気系統の絶縁もコストや手間をかけて万全に行われてきた。
年式が極端に古い車でなければ、電気系統のトラブルが起こる頻度は少ない。
一方で走行性能については、コストカットの対象となってきた。
ドイツ車のような強化された足回りやハンドリング性能は100km/h制限の日本の道路では実用的というよりも趣味の領域だ。
ドイツ車の設計コンセプト
ドイツでは速度無制限のアウトバーンがある。
日本車では趣味のものと軽視されてきた足回りやハンドリングの良さが実用性能として求められる。
高速域では、車の基本性能の高さは命に関わる重要な問題になってくるからだ。
ただし、エンジン周りに樹脂パーツが多用されている割合が日本車より多く、ウォーターポンプやサーモスタットなんかも車種によってはプラスチックで出来ており、日本車の部品レベルに及ばない。
オーバーヒートや電気系統の故障の発生頻度は改善がされつつはあるものの日本車には及ばない。
最近の日本に輸入されるVW車はメキシコ製と南アフリカ製がほとんどだ。
やっぱりVWは故障が多い
残念ながら、100km/h制限の日本の道路であればフォルクスワーゲン車を選ぶ合理的な理由はほとんどないのが実情だ。
走行性能が良くても日本では活かしきれる道路や道路交通法がないし、故障頻度の高さだけがデメリットとして浮かび上がってくる。
フォルクスワーゲンが選ばれる理由
フォルクスワーゲン車はしっかりした足回りとハンドリングの素晴らしさで定評がある。
走りにこだわるユーザーに人気が高いが、決して加速性能が優れているという意味ではなく、常用域での曲がる止まるのコントロールがしやすくセッティングされているのが特徴だ。
ただし、車が止まっている時の快適さや便利さは、日本車の方が優れていると感じることが多い。
収納の数や使い勝手の細かい工夫を日本車と比較していけば、フォルクスワーゲンは質素で物足りなく感じるだろう。
安全装備を含めると意外と安い車体価格
エアバッグ類の安全装備がエントリーグレードで省略されることがないのは、フォルクスワーゲン車の特徴。
例えば、フォルクスワーゲンのエントリーカーであるPolo TSI Comfortlineは、\2,130,000の車体価格だ。
サイズ的にはフィットと変わらない車に213万円は高すぎるという考え方もできる。
しかし、ポロは標準でも足回りやボディがフィットよりも強化されており、車のキャラクターは異なるがFIT RSに相当すると考えてもいいのではないだろうか。
FIT RSに、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、横滑り防止装置等の安全装備のオプションを追加すれば、Polo TSI Comfortlineの価格に近いものになってくる。
安全装備を充実させたい客層に対して、十分な説得力をもった価格設定がフォルクスワーゲンの車にはある。
ディーラーの多さはメリットの一つ
フォルクスワーゲンが選ばれるのは、ディーラーが全国にあり、メンテナンスで困る事が少ないことも理由の一つだ。
価格も輸入車の中ではエントリークラスで、修理整備費用も日本車の2割増しぐらいにおさまる。
ピットインする機会が多い輸入車は、後々のメンテナンスまで考えて購入する必要があるので、ディーラー数の少ないプジョーなどのフランス車は日本では余り人気がない結果になっている。