新型ラクティスの長所
運転席からの視界
新型ラクティスのドライバーズシートに座ってみて、まず気づくのが視界の良さだ。ピラー回りの死角が少なく、まだこの車に慣れないのに不安感がない。ピラーの形状や三角窓の周辺に視界を良くする工夫を感じられるのは評価したい点だ。周囲が良く見渡せているという安心感があるのは運転が苦手な人もハンドルを握るのが億劫にならなくて済むと評判がいい。
エンジンフィール
NSP120型(1300ccの1NR-FEエンジン)とNCP120型(1500ccの1NZ-FEエンジン)がラインナップされている。その違いはスペック上もさほど変わらないし、運転した感じのフィールも大きな違いがあるわけではない。積極的に速度を上げるような車でもないし1300ccの1NR-FEで十分といった印象だ。
多人数乗車や重い荷物を載せる機会が多いのなら、1500ccの1NZ-FEを選択した方が後悔がない。エンジン排気量の違いによる価格差もわずか10万円となっており、実際に1500ccの1NZ-FEを選択する顧客も多そうだ。
足回りはやや硬めで安心感がある
昔のトヨタ車は軟らかい足回りが特徴であったが、最近はやや硬めにして、しっかりした乗り味をつけてくるのがトレンドだ。ただ単に軟らかい足回りはドライバーが運転しにくいだけでなく、同乗者も車酔いしやすくなったり長時間のドライブでは疲れが溜まる。やや硬めの足回りは評価に値する。乗り心地も良いという口コミ評価が多い。
スポーツグレードとしてインチアップしたアルミホイールのSが用意されているが、ノーマルのG、Xグレードでも高速道路の巡航は不安なく走れる。気になるふらつきもなく車のキャラクターの割には直進安定性は高い。
急加速ではCVTが唸る場面もあるが、概ね車内は静かだ。アクセルオフでエンジンブレーキがもう少し利いてくれると運転しやすいが、最近の低燃費性能の流行ではこれぐらいの味付けがいいのかもしれない。
低燃費性能
前述の通り1300ccの1NR-FEと1500ccの1NZ-FEの2タイプのエンジンがあるが、仕様上の燃費性能は全く同じになるように仕上げられている。両エンジン共、10・15モード走行で20.0km/L、JC08モード走行で18.4km/Lとなっている。
CVTとの組み合わせが効果を上げているようだ。
新型ラクティスの短所、欠点
アイドリングストップの設定は無し
この新型ラクティスはアイドリングストップの機能が装備されていない。最近の新型車はアイドリングストップシステムを装備するのがトレンドだが、今回は見送りとなった。しかし、車体価格の上昇や大型バッテリーを維持するコストを考えると必ずしも必要な装備ではないだろう。
内装は安っぽさがやや目出つ
車体価格からして内装の素材がチープになるのは致しかたない。しかし、この車種に関して言えば少し工夫が足りなかったのではと感じる。もちろん購入者が納得することが大事なので、後悔の無いようにチェックしたい項目だ。
この手の車種は見せ掛けの高級感よりも道具としての使い勝手が重要だ。コンパクトだが広い室内の新型ラクティスは一通りのシーンできちっと人を乗せて、荷物を詰めてしっかり走る車に仕上がっており評判が良い。