新型【スイフト】フルモデルチェンジいつ?発売日はCVT車が2023年12月13日、5MT車が2024年1月17日、消費税込み車両本体価格1,727,000~2,332,000円、グレードHYBRID MZは電動パーキングブレーキ+停止保持【スズキ最新情報スクープ】車中泊は可能か?ジャパンモビリティショー展示車両を実測

スイフト

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フルモデルチェンジを受けた新型スイフトが正式発表された。発売日は、CVT車が2023年12月13日、5MT車が2024年1月17日となる。

消費税込み車両本体価格は、1,727,000~2,332,000円に設定された。

グレードは、「XG」、「HYBRID MX」、「HYBRID MZ」の3種類で構成される。CVT車は全てのグレードに2WD/4WDで設定される。5MT車は「HYBRID MX」の1グレードの2WDに限られるが、5MTモデルが消滅しなかったことで、約一年遅れで発売されるであろうスイフトスポーツに期待が持てる。

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注目された電動パーキングブレーキは、「HYBRID MZ」だけに装備される。これにより、全車標準装備されるアダプティブクルーズコントロールの動作に違いが出ており、特に「HYBRID MZ」だけが停止保持機能を有する。

機種名 エンジン 駆動 変速機 燃料消費率
WLTCモード走行
(km/L)
燃料消費率
JC08モード走行
(km/L)
エコカー減税 アダプティブクルーズコントロール 消費税込み車両本体価格(円)
XG 1.2L NA 2WD CVT 23.4 24.3 50% 全車速追従機能付 1,727,000
4WD 22 22.6 1,892,000
HYBRID MX 1.2L NA マイルドハイブリッド 2WD 5MT 25.4 27.6 100% 装備 1,922,800
2WD CVT 24.5 28.9 50% 全車速追従機能付 1,922,800
4WD 22.7 26.3 2,087,800
HYBRID MZ 2WD 24.5 28.9 全車速追従機能停止保持機能付 2,167,000
4WD 22.7 26.3 2,332,000

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新型スイフトで車中泊するのは可能?室内を実測

ジャパンモビリティショーで初公開となった新型スイフト コンセプトの車内の各所を実測してみた。測り方には誤差があり、あくまで目安です。

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まずは、車中泊での可用性を考えて、助手席シートを最前列にスライドさせ前倒しした状態から。実測値によると、助手席シート背面から、バックドア内張りまでは、1735mm(目安)であった。日本人男性の平均身長をわずかに上回った。

ただし、展示車両はラゲッジアンダートレーが装備されておらず、フロアにかなりの段差がある。さらに後席足元部分の空間を埋める工夫も必要になる。例えば、身長ほどの長さで強度のあるコンパネのような板があれば、車中泊も快適となりそう。

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次に、助手席乗車時の荷物の積載力として、以下の部分を測定した。

後席フォールディング状態、後席シートバック先端からバックドア内張りまでが1139mm。

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ドライバーにより個人差があるが、参考値として、運転席背面からバックドア内張りまでが1300mmであった。

5名乗車時にも使える通常ラゲッジは、底部の奥行きが621mm。

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ラゲッジ幅は、ホイールハウスによる最小部が1013mmで、ホイールハウス後ろの凹みを活用すると1145mmとなる。

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ちなみに右側のホイールハウス後ろには凹みが無い。

この他、ラゲッジ開口幅の目安として、エクステリアデザインの影響で下部は744mm、トノカバー下の広いエリアが 968mmとなった。また、室内高さの目安として、ラゲッジ開口上辺中央部からフロアまで垂直で868mmであった。

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現在のところ、公表されている仕様は、ボディサイズとして全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mm、ホイールベース2450mm。

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スイフト、フルモデルチェンジの特徴、新開発Z12E型3気筒エンジンを採用など

フルモデルチェンジで6代目となった新型スイフトには、新開発の高効率「Z12E型エンジン」が初採用となる。従来1.2LのK12C型エンジンは直列4気筒であったが、新型1.2LのZ12E型ではこのクラスでは標準的な直列3気筒となり、燃費性能と走行性能の両立を実現したとしている。

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さらにトランスミッションのCVTも新開発されており、効率がアップしている。

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車体色は、新色「フロンティアブルーパールメタリック」、「クールイエローメタリック」を含む全9色、13パターンのラインアップが提供される。

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空力性能は、デザインを維持しながらも、バックドアサイドスポイラーやフロントストレイク、フロントバンパー、ホイール形状の最適化により、先代モデルより空気抵抗を約4.6%低減。これにより、コンパクトカークラスのトップレベルの空力性能を実現している。

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ボディーの高張力鋼板使用範囲の拡大や構造用接着剤の採用により、剛性が高まり、操安性や乗り心地が向上している。また、バッフル材の追加やボディー結合部への減衰接着材の塗布により、静粛性も高められている。

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安全装備面では、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートIIが採用されている。

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電動パーキングブレーキの採用により、停止保持機能を追加したアダプティブクルーズコントロールやブレーキホールド、車線維持支援機能、アダプティブハイビームシステムなどが組み合わされ、日常運転の負担を軽減している。

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ドライバーの表情を認識し、眠気や脇見をカメラ検知して注意を促すドライバーモニタリングシステムがスズキで初めて採用された。

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パッケージングでは、コンパクトで取り回しの良いボディーサイズを維持。運転席周りではオーディオやスイッチ類をドライバーの使いやすさを考えた自然な姿勢で操作できるレイアウトに設定されている。

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また、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーS ワイド」、国土交通省による「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」にも該当している。

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新型スイフト コンセプト、インテリアを実車画像でチェック

スイフトシリーズのフルモデルチェンジは約7年ぶりとなり、5代目モデルとなる。

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新型スイフトについては、スパイショットによりテストカーがリークされていた。ハニカムメッシュのフロントグリル、後席ピラーマウントドアハンドルの廃止などのエクステリアの特徴を改めて確認することができる。

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直線的なボンネットフードの繋ぎ目から続くドアハンドル上のキャラクターラインは、エクステリアの大きな表情となっている。このラインはバックドアまで続けられ、ボディ全体を水平線でぐるりと囲んでいる。

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インテリアは9インチのディスプレイオーディオが上段に配置され、近年のトレンドに沿ったデザインが採用された。インパネはドライバー側に向けられスポーティな印象に仕上げられている。

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電動パーキングブレーキ装備

電動パーキングブレーキの装備も確認でき、本コンセプトは最上級の「HYBRID MZ」相当のモデルということになるだろう。その操作ボタンは、従来のハンドブレーキのあった場所に配置されている。「HYBRID MX」および「XG」はハンドブレーキの設定となるはず。遅れて発売されるであろうスイフトスポーツは、どちらの採用となるであろうか。

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アダプティブクルーズコントロールは、「HYBRID XG」では完全停止保持機能を含めた動作となる。また、バドルシフトの装備も確認できる。

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本モデルは展示車両ゆえ、上級グレード相当であると思われるが、従来的なアナログメーターが採用されている。

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9インチのディスプレイオーディオはピアノブラックのフレームで存在感があるが、液晶ベゼルが極太なのは好みが分かれそう。

スイフト スポーツ

従来型 4代目スイフト スポーツ

なお、従来型スイフトスポーツは、一部仕様変更を受けたばかりで、しばらく旧ボディでの販売が継続されると予想される。

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スイフトがフルモデルチェンジ、2023年秋~年終盤の実施予想

スイフトの5代目となるフルモデルチェンジは、2023年秋~年終盤の実施が予想される。従来型スイフトは2016年12月に発表された4代目モデルである。約7年の販売期間を経て、5代目新型スイフトへフルモデルチェンジする。

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出典 motor1.com

リークされている開発車両のスパイショットによると、エクステリアは大きくイメージチェンジされることになりそう。

スイフト ジュネーブモーターショー2017

従来型スイフト 2017年 ジュネーブ

一方、スイフトスポーツのほうは、ZC33S型の販売がしばらく継続される見込みで、2023年秋の商品改良により、6MTモデルの廃止、セーフティサポート非搭載車の廃止により、6ATモデルのワングレード設定となった。2024年5月より、後退時車両直後確認装置の装着が継続生産車にも義務化されるため、これに対応したラインアップでもある。

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新型スイフト 5代目モデル開発車両 スパイショット リーク

新型スイフトについては、2022年夏の段階で、擬装シールが貼られた開発車両がスパイショットされていた。

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出典 motor1.com

スパイショットされた車体はコードネーム「YED」と呼ばれるモデルで、エクステリアには擬装ラッピングが施されている。デザインの詳細を知ることはできないが、ボンネットフードやバンパーラインの形状や、僅かな隙間から覗くヘッドライトの目つきなどは、2011年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー、REGINA(レジーナ)を彷彿とさせる。

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REGINA(レジーナ) 2011年東京モーターショー

アッパーグリルが閉じられた近未来的な顔付きのレジーナであるが、新型スイフトには大柄のハニカムパターンを取り入れたグリルデザインを採用していることがリーク画像より確認できる。新型スイフトもスポーティなホットハッチらしいイメージは従来モデルに引き続き採用されることになりそう。

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当時のレジーナ コンセプトに設定されたスペックは、全長3550mm、全幅1630mm、排気量800ccのガソリンターボエンジンを搭載する。左ハンドル仕様となっており、グローバル市場に向けたAセグメントハッチバックカーであることが想定されていた。

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出典 motor1.com

スパイショットされたコードネーム「YED」なるモデルは、フロント部分の顔つきこそレジーナからデザインコンセプトを引き継いでいることが想定されるが、ボディ後半はスペース的に余裕のある後席が存在する。レジーナよりも一回り大きい、Bセグメントハッチバックの新型スイフトのテストカーである可能性がやはり高いだろう。

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出典 motor1.com

この他、スパイショットからは後席ドアハンドルが前席と同じ高さのオーソドックスな配置に戻されていることが確認できる。従来型スイフトは後席用にピラーマウントドアハンドルが採用されており、3ドアホットハッチモデルのようスポーティさが演出されていた。

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新型スイフトはストロングハイブリッドSZ復活せず

スズキは「2030年度に向けた成長戦略」を2023年1月に発表した。このなかで、2030年度までの市場投入を計画しているBEVとして、日本で6モデル、欧州で5モデル、インドで6モデルが発表された。しかし、スイフトを想定したBEVは、いずれの市場においても含まれていなかった。

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新型スイフトの電動化に、BEVの計画が無いということになると、以前から噂されていた本格的ハイブリッドの導入が期待される。

スズキはこれまで、マイルドハイブリッドによる方法を中心に電動化を行ってきた。なかでも2022年発売のエスクードに搭載されたハイブリッドシステムは、モーター出力 24.6 kW (33.4 PS) というスズキとしては本格的なものとなった。

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一方で、2022年12月に追加発売されたソリオの「SZ」、「SV」の各グレードにおいては、モーター出力 10kW (13.6PS)の従来システムに改良が施されて、採用が復活された。

ただし、いずれのスズキの最新ハイブリッドシステムも、トヨタのTHSⅡと比較して、力不足であることは否めない。モーター出力だけを取り上げても、ヤリスおよびアクアは 59 kW (80 PS)にも及ぶ。

新型スイフトのハイブリッドモデルは、トヨタから技術供与を受けることで、高出力モーターと大容量リチウムイオンバッテリーを使った本格的なハイブリッドシステムの搭載になることも期待された。

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スイフトがフルモデルチェンジで、トヨタのTHSⅡのハイブリッド技術を導入する可能性は

スズキがトヨタからハイブリッドシステムの供給を受けることは、2019年3月の段階で正式に発表されていた。

豊田章男-鈴木修

しかし、スイフトは販売台数が非常に多い車種である。仮にトヨタのハイブリッドシステムが採用されたとしても、供給能力の問題から主力グレードにトヨタ生産のTHSⅡをそのまま搭載していくのは難しいのではないか。高まる電動化ニーズには、独自で開発し生産するハイブリッドシステムを主軸に対応していく可能性がある。

スズキ ハイブリッドシステム

ストロングハイブリッド(2015年)

トヨタとハイブリッド技術で提携してきた他メーカーの例では、マツダが「アクセラ ハイブリッド」をかつて販売していた。近年では「MAZDA 2 HYBRID」を欧州地域に限り発売させたが、これはヤリスと共通車体のOEMモデルであった。

またスバルは、THSの技術を取り入れながらもハイブリッドパワートレインを独自に開発している。これは「THS×水平対向エンジン×シンメトリカルAWD」という3つの柱となる技術を融合させたもので、次期フォレスターへの搭載が期待されている。

「新型スイフト ハイブリッド」が製品化されたときの販売規模を考えると、THSの技術を取り入れながらもスズキが独自開発したハイブリッドシステムになる可能性が高いと考えられる。

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スイフトはフルモデルチェンジでTHSⅡもストロングハイブリッドも採用されなかった

スズキは「ストロングハイブリッド」という呼称を2015年頃も使っていたが、後にこの呼び方をやめている。2016年のソリオから搭載がスタートしたストロングハイブリッドは、「MGU」と「5速AGS」を採用していることが構造的な特徴であった。ただし、コストアップの割には燃費向上幅が大きくなく、存在意義を失いかけていた。従来型スイフトには、この従来型ストロングハイブリッドを搭載する「SZ」グレードの販売が継続されてきたがこれも2022年8月にラインアップから消えている。ソリオに関しては、もっと早い2020年末のフルモデルチェンジのタイミングで、従来型ストロングハイブリッドの採用が廃止となっていた。その後、2022年12月には、バッテリーを増強するなどで性能向上が果たされ、ソリオでの搭載を復活させている。

スズキ ハイブリッド MGU

ストロングハイブリッドのキーデバイス「MGU」はモータージェネレーターユニットを意味し、駆動モーター兼発電モーターということになる。従来システムにおけるMGUの最高出力はわずか10kWで、「ストロング」としながらも、他メーカーのハイブリッドシステムと比較するなかでは、むしろ「マイルド」と言ったほうが適切なぐらいだ。

スズキは、公式には「ストロングハイブリッド」という言葉の使用をやめて、グレード名が「S」で始まる表現に改めていた。2021年11月の欧州向けビターラの発表では、モーター出力を24.6kWと大幅に向上させたためか、「ストロングハイブリッド」という呼称を復活させている。

スズキハイブリッドISG AGS

ストロングハイブリッドは、欧州ビターラのほか、欧州S-CROSS、エスクード日本仕様にも搭載が進んでいる。これは「AGS」の機構を継続させ、従来から一段増やした6速AGSとなったことも興味深い部分である。AGSはシングルクラッチ式の自動変速システム。フォルクスワーゲンやホンダが採用してきたデュアルクラッチ式と比較してローコストというメリットがあるものの、変速スピードが遅くギクシャク感が大きいというデメリットがあった。ただしスズキのストロングハイブリッドのシステムでは、MGUからのトルク介入ができるため、単純なシングルクラッチ式の自動変速よりもドライバーの体感的にはスムーズなシフトチェンジが可能となる。

スズキ ストロングハイブリッドシステム AGS

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新型スイフトにソリオの10kWモーターハイブリッド採用の可能性

ソリオに2022年12月追加されたのが「ハイブリッドSZ」グレードで、従来の5速AGSと10kWモーターによるハイブリッドシステムが性能向上を果たして復活した。バッテリー容量を従来4.4Ahから6.0Ahに増強するなどのブラッシュアップが施されている。

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この新型10kWモーターハイブリッドシステムが、新型スイフトのパワートレイン選択肢の一つとなる可能性がある。

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新型スイフトハイブリッドに、1.5L NA + 6速AGS + 24.6kWモーターのストロングハイブリッド搭載の可能性は

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新型エスクード

また、新型スイフトには、エスクードの新世代ストロングハイブリッドが搭載されることも期待されていた。しかし、性能向上を果たした10kWモーターハイブリッドの登場により、その可能性は低くなった。車体重量が軽いスイフトに、エスクードの24.6kWモーターハイブリッドを使うことはなさそう。

「従来スイフトSZ」と「新型エスクード」のパワートレインを比較すると、メインユニットは1.2Lから1.5Lに排気量アップされている。トランスミッションについても、5速AGSから、6速AGSに一段増やされている。

  従来スイフトSZ 新型エスクード
駆動方式 2WD フルタイム4WD
トランスミッション 5速AGS 6速AGS
変速比 3.545~0.717 3.846~0.659
車両重量(kg) 970kg 1320kg
WLTCモード燃費平均(km/L) 23.0 19.6
エンジン型式 K12C型(1.2L NA) K15C型(1.5L NA)
エンジン最高出力(kW) 67 74
エンジン最大トルク(kg・m) 118 132
モーター最高出力(kW) 10 24.6
モーター最大トルク(kg・m) 30 60
リチウムイオンバッテリー(個) 28 56
リチウムイオンバッテリー容量(Ah) 4.4 6

新型エスクードの駆動用モーターのパフォーマンスは大幅に上げられており、最高出力は24.6kW、最大トルクは60Nmとなった。これはスズキのハイブリッドシステムとしては最も大きな規模のものとなった。ただし、車両重量が大きく異なることから、新型スイフトにそのまま搭載させることは難しそうだ。

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新型スイフトハイブリッドはダイハツ「e-SMART HYBRID」を超えることができるか

一方でライバルのダイハツも、スズキと同じく本格ハイブリッドシステムの導入が待望される状況であった。去る2021年10月に小型SUVのロッキーに搭載される「e-SMART HYBRID」を発表したことで、今後の方向性が明らかとなった。

ロッキー e-SMART HYBRID 構造

ダイハツ e-SMART HYBRID

ダイハツ「e-SMART HYBRID」はシリーズ式ハイブリッドシステムを採用しており、発電専用エンジンと100%モーター駆動を特徴とする。日産の「e-POWER」とシステム構造が近くなる。

スイフト レンジエクステンダー 2010年モデルは約100台を生産

ダイハツが新開発したシリーズ式ハイブリッドを採用した小型車は、実はスズキが2010年の段階でスイフト レンジエクステンダーとして具現化していた。

スイフト プラグインハイブリッド1

スイフト プラグインハイブリッド(レンジエクステンダー)

しかし当時の状況下では、スイフト レンジエクステンダーは経済的合理性が満たせないと判断され、その生産台数は僅か100台に届かない程であった。これらは、地元浜松の公共施設などに貸し出され、実証実験が行われる程度に留まった。スイフト レンジエクステンダーは一般発売も噂されていたモデルだけに、結果的にはファンの期待を裏切ることになった。

スイフト プラグインハイブリッド2

当時を振り返ると、スイフトは約116万円からのラインアップであった。現在は、1.2Lシリーズ式ハイブリッドを搭載する日産・ノートが、エントリー価格約203万円の設定で販売ランキング上位を獲得する時代である。コスト高を理由に一般発売までたどり着けなかったスイフト レンジエクステンダーであるが、その復活に向けての機運は高まったと言えるのではないだろうか。

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スイフト レンジエクステンダーはプラグインハイブリッド、軽自動車エンジン搭載

本題とは外れるが、2010年のスイフト レンジエクステンダーを振り返り、その仕様を詳しく見ていく。

乗車定員 5人
全長×全幅×全高 3,755mm×1,690mm×1,510mm
モーター 交流同期電動機
モーター最高出力/最大トルク 55kW/180N・m
エンジン形式 K6A
充電所要時間 約1.5時間/100V、約1時間/200V
バッテリー種類/容量 リチウムイオン電池/2.66kWh
プラグインハイブリッド燃料消費率 37.6km/L(JC08モード)
ハイブリッド燃料消費率 25.6km/L(JC08モード)
EV走行換算距離 15km(JC08モード)

シリーズ式ハイブリッドであるためバッテリー容量は少ないが、それでも充電ソケットを備えることで、名目上はプラグインハイブリッドに仕上げられている。EV走行換算距離は僅か15kmであるが、近所の買い物や送り迎えに限定すれば、ほとんどガソリンを消費しない運用パターンも想定される。

また発電専用エンジンとしてK6A型、つまり軽自動車向けの660cc未満エンジンを搭載しているのもスズキらしい部分である。ただしこのエンジンは、軽自動車向けのユニットをポン付けしたわけではない。このレンジエクステンダーのためにエンジンブロックから専用設計されており、主に軽量化と冷却性能アップのためにコストが掛けられている。

一般発売が期待された3代目スイフトのレンジエクステンダー

スイフト レンジエクステンダー実証実験モデルは、2代目スイフトの車体をベースに制作された。一般発売が特に期待されたのが3代目モデルをベースにしたレンジエクステンダーであったが、残念ながらこちらはスイフト EV ハイブリッドのモデルネームでコンセプトカーが発表されただけであった。

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3代目 スイフト EV HYBRID コンセプト

スイフトのフルモデルチェンジで搭載が期待されるレンジエクステンダーであるが、実際には、そのような話は表向きには進められていない。

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スイフトの歴史を総チェック、歴代モデルの進化、ハイブリッドは4代目から

スイフトの5代目へのフルモデルチェンジが迫っている。これまでのスイフトシリーズの歴史を振り返り、進化のポイントを総チェックしてみる。

初代スイフトHT型は車両本体価格79万円で有名となった激安黒歴史モデル

初代スイフト(HT51S型)は、2000年に発売。軽自動車「Kei」のSUV派生の小型登録車というポジションでラインアップされた。サイドパネルはKeiと共用、さらにプラットフォームは小型登録車のワゴンR+から流用され、開発費が抑えられた。搭載エンジンは1.3 L 直列4気筒のM13A型NAガソリンとなる。

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新型車でありながらも販売台数は伸びず、地味な存在であったが、2002年には消費税抜き車両本体価格で79万円の低価格グレードが導入され、一躍注目を集めた。

2代目スイフト(ZC/ZD11S,21S,71S型)はグローバルモデルとして本気で開発、最も売れた2代目スイフト

2004年にはフルモデルチェンジが実施され、2代目スイフト(ZC/ZD11S,21S,71S型)が発売される。初代型の軽自動車派生SUVというコンセプトから一転。世界戦略車として開発され、走行安定性やハンドリングといった基本性能が高く評価された。

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エンジンはM13A型が初代型からキャリーオーバーされたほか、1.5LのM15A型も用意された。さらに2007年のマイナーモデルチェンジでは、環境性能に優れた1.2L 直列4気筒のK12B型エンジン+CVTが加わった。

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3代目スイフト(ZC/ZD72S型)はキープコンセプトで正常進化

2010年に3代目スイフト(ZC/ZD72S型)へのフルモデルチェンジが実施された。
新開発プラットフォームの採用で、ホイールベースは40mm拡大され商品力は向上した。先代型のセールス的成功もありエクステリアはキープコンセプトながらも一新された。エンジンは先代型後期から導入されたK12B型に統一され、CVT(FF/4WD)のほか5MT(FF)も用意される。

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一方で国内市場では、小型車から軽自動車へのシフトが進み、Bセグメントカーハッチバックカーの売れ行きが落ち込んでいた。3代目スイフトについても2代目モデルの販売規模を超えることができなかった。

4代目スイフト(ZC13S,ZC43S,ZC/ZD53S,ZC/ZD83S型)は、ハイブリッド含む多彩なパワートレインラインアップを用意

4代目スイフトは2016年末にフルモデルチェンジされ、2017年より販売開始となった。外観はキープコンセプトであった2代目から3代目と比べれば幾分のイメージチェンジがなされた。共通プラットフォームのHEARTECTも採用され、基本性能が向上している。

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多彩なパワートレインが用意されたのも4代目スイフトの特徴の一つ。直列4気筒 1.2L NAガソリンエンジンのK12C型には、コンベンショナル、2.3kWモーター搭載のマイルドハイブリッド、10kWモーターと5速AGS搭載のハイブリッドが用意された。

1.0L ブースタージェット エンジン スズキ

また、直列3気筒 1.0Lターボを搭載するRStグレードも用意され、スイフトスポーツほどの本格仕様ではないものの、スポーツ走行が楽しめるグレードとして存在感を示した。

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スイフトはフルモデルチェンジでライバル車のハイブリッドシステムに追いつけるのか

国内の小型ハッチバックカーのセグメントを見てみると、トヨタ・アクア、トヨタ・ヤリス、ホンダ・フィット、日産・ノートといったモデルが新世代型に切り替わっている。これらライバルモデルは、一部でガソリンエンジン仕様が残されたものの、販売の主力はハイブリッドに移りつつある。

新型アクア

新型アクア

国内向けスイフトには2つのハイブリッドモデルが用意されているが、HYBRID SZグレードが10kWモーター、HYBRID RS/MGグレードが2.3kWモーターで構成され、他メーカーハイブリッド車との比較の中では、いずれもマイルドハイブリッドに相当するシステムである。

新型エスクードのシステムでモーター出力は24.6kWに強化されるが、ライバルハイブリッド車との比較のなかでは、ヤリスハイブリッド/アクアが59kW、フィットハイブリッドが80kW、ノートが85kW、ダイハツ・ロッキーが78kWとなっており仕様上は大きく劣っている。スズキのハイブリッドシステムは、コストを重視した、まだまだ簡易的なものという見方もできる。

それでも、今後のCO2排出量規制の達成のためには、スイフトのような販売台数の多い車種に、ハイブリッドもしくはEVを導入し、その販売比率を上げることが重要となっている。

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スイフト フルモデルチェンジ まとめ

まとめ更新日: 2023/12/06

  • 新型スイフトが正式発表
  • 2023年12月13日 CVT車が発売(2WD/4WD、3グレード設定)
  • 2024年1月17日 5MT車が発売(2WDのみ、HYBRID MX ワングレード)
  • 新開発エンジンZ12E型採用で3気筒化(従来4気筒)
  • コンベンショナルの「XG」、マイルドハイブリッド「MZ、MX」がラインアップ
  • ストロングハイブリッド無し
  • 後席ピラーマウントドアハンドル廃止
  • スイフト スポーツ ZC33S 継続販売
  • スイフト スポーツは、2024年のフルモデルチェンジ発売の予想
  • 2030年度までのBEV計画モデルに含まれず

新型スイフト XG(エントリーグレード)主な標準装備

  • デュアルセンサーブレーキサポートⅡ
  • 低ブレーキサポート(前進・後退)
  • 車線維持支援機能
  • ブラインドスポットモニター
  • リヤクロストラフィックアラート
  • アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • 誤発進抑制機能
  • 後方誤発進抑制機能
  • 発進お知らせ機能
  • ハイビームアシスト
  • SRSエアバッグ
  • LEDヘッドランプ[マニュアルレベリング機能付)
  • キーレスプッシュスタートシステム
  • マニュアルエアコン(液晶表示式)
  • 運転席シートリフター
  • チルトステアリング
  • テレスコピックステアリング
  • 運転席バニティーミラー[チケットホルダー付]
  • 電動格納式リモコンドアミラー
  • 運転席・助手席シートヒーター
  • 全面UVカット機能付ガラス
  • 15インチフルホイールキャップ
  • ファブリックシート表皮[ブラック]
  • 2スピーカー

新型スイフト HYBRID MX 主な標準装備

※XGに追加

  • マイルドハイブリッド
  • アイドリングストップシステム
  • フルオートエアコン[メッキノブ]
  • 助手席バニティーミラー[チケットホルダー付]
  • 電動格納式リモコンドアミラー[リモート格納]
  • リヤバンパー[車体色&ブラック]
  • フロントグリル[メッキ加飾付]
  • サイドアンダースポイラー
  • ルーフエンドスポイラー
  • バックドアサイドスポイラー
  • LEDサイドターンランプ付ドアミラー
  • 16インチアルミホイール[シルバー]
  • ドアガーニッシュ[サテンダークシルバー]
  • インパネオーナメント[サテンダークシルバー]
  • コンソールオーナメント[サテンダークシルバー]
  • ファブリックシート表皮[メランジグレー&ブラック]
  • 運転席センターアームレスト
  • 助手席シートバックポケット
  • ラゲッジシェルフ
  • 6スピーカー(フロント2 リヤ2 フロントツイーター2)

新型スイフト HYBRID MZ(最上級グレード) 主な標準装備

※HYBRID MXに追加

  • アダプティブハイビームシステム
  • 電動パーキングブレーキ
  • ブレーキホールド
  • アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能、停止保持機能付)
  • LEDヘッドランプ(オートレベリング機構付)
  • LEDフロントフォグランプ
  • プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)
  • IRカット機能付フロントガラス
  • USB電源ソケット[Type-A/Type-C](インパス、2個)
  • 16インチアルミホイール[切削加工]
  • 本革巻きステアリングホイール[シルバーステッチ]
  • ステアリングガーニッシュ[シルバー]
  • パドルシフト
  • ディスプレイオーディオ・スズキ
  • コネクト対応通信機

新型スイフト 画像 2023年12月 正式発表

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新型スイフト コンセプト 画像 ジャパンモビリティショー 2023年10月

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スイフト 一部仕様変更 2022年9月

  • 全グレード 1万1千円の値上げ
  • カタログ落ちしていたSZグレードの復活無し

新型スイフトへのフルモデルチェンジに向けて、従来型はモデル末期の販売体制が整えられていた

従来型スイフトは、2022年は9月に仕様変更が実施されたが、その主な内容は法規対応と値上げということで、商品に大きな変更点がなく公式発表は無し。また、販売終了していた「SZグレード」もラインアップから削除されたままで復活することはなかった。大きな販売のテコ入れもなく、モデル末期の販売体制が整えられ、フルモデルチェンジが迫っていることを感じさせるものであった。

スイフト リアコンビネーションランプ

従来型スイフト

フルモデルチェンジ前、従来型スイフトのエンジンは2種類のみが残された

新型スイフトに搭載されるエンジンはどうなるのか。まずは、4代目モデルである従来型スイフトに搭載されるエンジンをおさらいしておくと、以下の4種類がラインアップされてきた。

  • ガソリン : 直4 1.2L NA(K12C型)
  • ガソリンターボ : 直4 1.0L ターボ(K10C型)
  • マイルドハイブリッド : 直4 1.2L NA(K12C型) + 2.3kWモーター(WA05A型)
  • ハイブリッド : 直4 1.2L NA(K12C型) + 10kWモーター(PB05A型)

このうち「ガソリンターボ」については、RStグレードとして比較的スポーツイメージの強いモデルとしてラインアップされてきたが、2020年5月に廃止されている。

スイフト 東京オートサロン

さらに、2022年8月には「ハイブリッド」を搭載する「SZグレード」がラインアップ上から姿を消しており、販売が終了している。

モデル末期となった現在では「ガソリン」「マイルドハイブリッド」の2種類のみが残される。いずれもトランスミッションとしてCVTが用意され、「ガソリン」には5速MTも残された。

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