プジョー・2008試乗、直3 1.2L NAエンジン+5速ETG搭載のコンパクトSUVを評価

プジョー

プジョー2008は直3 1.2L NAガソリンエンジン搭載、高速巡航は快適

プジョー2008はBセグメントハッチバックの208シリーズをベースに開発されたクロスオーバーSUVである。2014年2月の日本発売からおよそ1年を過ぎるわけだが、試乗の機会があったのでレポートしてみる。

(写真はプジョー2008)
プジョー2008

プジョー2008に搭載される5速ETGのクセは要チェックポイント

プジョー2008 リアコンビネーションランプ プジョー2008リアハッチ

プジョー・2008に搭載されるメインユニットは直3 1.2LのNAガソリンエンジンで、最高出力82ps/5750rpm、最大トルク12.0kgm/2750rpmというスペック。このクラスの欧州車勢を見渡すと、VW・クロスポロやルノー・キャプチャーは過給器付きの直4 1.2Lガソリエンジンを採用しており、パフォーマンスもワンランク上。プジョー・2008がスペックシートで大きく見劣りする部分である。

プジョー2008 フロントグリル プジョー2008 SUV

ただし、NAエンジンながらも実際の走行では非力と感じる場面はほとんど無い。日本国内の速度域であれば、高速巡航はむしろ快適にすら感じる。ボディが軽くやや高い重心位置のせいか、段差では軽く揺さぶられる感覚が残るが、同クラス車の中では上手く抑えられていると考える。

プジョー2008リアシート プジョー2008トランクルーム

問題はトランスミッションの5速ETGのギクシャク感である。

5速ETGはヒルストップ機構を備えているが、トルコンAT車の操作感で上りの坂道発進をすれば、実際には車体は少し後退する。アイドリングストップが作動した場合は、さらにワンテンポ、操作レスポンスが落ちる印象を受ける。

クリープ機能も備わるが完成度は低い。バック駐車などで同時にステアリングを切るシーンでは、3気筒ならではの安っぽい振動が車内に入り込む。

プジョー2008 エンジン

シングルクラッチトランスミッションの特性により変速時のタイムラグが大きくなるが、特に1速から2速への繋がりが遅いことは直接的に加速性能を悪化させストレスとなる。クロスポロおよびキャプチャーのライバル車らは、デュアルクラッチトランスミッションを採用しており、この部分でもアドバンテージを取られている。

プジョー2008 走行 プジョー2008インテリア

プジョー・2008はローコストなパワートレインを採用しながらも、車両価格はスタンダードが259万1000円から、パノラミックガラスルーフ付きが284万6000円からとライバル車らと同価格帯に並ぶ。

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