ホンダ・インサイトが2022年8月に生産終了となる。
現行型インサイトは2018年に発売された3代目モデル。2020年にはマイナーモデルチェンジを受けて後期型に切り替わったが、販売台数は振るわず月間目標の1000台にも届かない状況が続いてきた。フルモデルチェンジとはならず、次期モデルが用意されない状況での廃止となる。
インサイトの廃止、後を引き継ぐのはシビックのハイブリッドモデル
インサイトの廃止と入れ替わり、そのポジションを引き継ぐのが、シビックのハイブリッドモデルである。2022年7月に2.0L e:HEVを搭載するハッチバックが追加発売された。
新型シビックの国内向けにはセダンが設定されないため、厳密には後継モデルと考えるには相応しくない。
また、シビックのe:HEVモデルの排気量は2.0Lとなり、インサイトの1.5Lからパフォーマンスアップしている。
あまり売れなかった歴代インサイト、それでもホンダ ハイブリッドの象徴的存在
初代インサイトは燃費特化クーペ
初代インサイトはハイブリッド黎明期である1999年に発売され、これはプリウスより約2年遅れてのデビューであった。
パラレル式ハイブリッドのIMAシステムだけでなく、アルミニウムと樹脂素材を多用した徹底的な軽量化により、最高燃費モデルは36km/L(10・15モード)を達成。これはプリウスの燃費性能を超えていた。
ただし、2人乗りの3ドアクーペであるなどの理由で販売台数が出るモデルとはならず、2006年に販売終了。この時も次期型が用意されないまま廃止となった。
2代目インサイトの発売当初は好調、プリウスのヒットに便乗した
一方でプリウスは、2003年発売の2代目モデルが人気化し、ハイブリッドカー普及への機運が高まっていた。
その後の2009年、プリウスの3代目デビューに合わせるように発売されたのが、2代目インサイトである。インサイトらしいワンモーションフォルムを採用しつつも、日常で使いやすい5人乗り5ドアハッチバック車に仕上げられたことで、発売当初のセールスは好調であった。
しかし、プリウスの方が車格が上であるにも関わらず、インサイトと同価格帯に設定されたことで、すぐにプリウスの販売が優勢となった。結局、2代目インサイトは販売不振を匂わせながら、次期モデルが設定されず販売終了となった。
3代目インサイトは北米市場がメインのハイブリッドセダン
そして、2022年8月に生産を終了する3代目インサイトは北米メインのミドルクラスセダンとして商品化され、日本でも販売された。とはいえ、北米での販売も良くない。シビックとアコードに挟まれる中途半端なクラスであることもニーズに合わなかった原因の一つだろう。
再びホンダのラインアップから姿を消すことになるインサイトであるが、これまでホンダのの環境対策車としてのイメージを積み上げてきた。モデルネームの復活を期待したい。