プレリュード プロトタイプを発表、2025年秋の発売を予告
ホンダは1月10日に「プレリュード プロトタイプ」のカスタマイズモデルを「東京オートサロン2025」で初公開しました。2023年10月のジャパンモビリティショーで世界初公開された「PRELUDE Concept」をベースに、スポーティーさをさらに高めるエアロパーツを装着した姿が披露されました。
コンセプトでは小さなサイドミラーが取り付けられていましたが、今回のプロトタイプでは、市販車らしい大型のものが取り付けられ、ブラインドスポットインフォメーションの発光部分も確認できます。
ホンダが「プロトタイプ」と称するモデルは、エクステリアが市販車とほとんど同じであることがこれまでの慣例でした。
プレスカンファレンスでは、2025年秋の発売が予告されており、今後の正式発表が待たれます。
プレリュードから採用される「Honda S+ Shift」
ホンダは次世代eHEVに関する情報も公開しました。その中で、新技術「Honda S+ Shift」が2025年に発売予定のプレリュードから導入されることが示されました。
「Honda S+ Shift」は、現行のe:HEVモデルに適用されているリニアシフトコントロールの進化版で、有段変速フィーリングを提供するものとされています。ただし、次世代e:HEVの導入はプレリュード発売後の2026年が見込まれており、プレリュードは従来タイプのe:HEVをベースに「Honda S+ Shift」を先行適用する形であることが予想されます。
発売が近づくにつれ、プレリュードのテストカーのスパイショットも撮影されてきました。ボディスタイルはコンセプトを維持しつつ、法規に対応した大きなドアミラーが確認されています。
新型プレリュードのパワートレインについては、ICE車やマニュアルトランスミッションの採用に関する噂もあります。しかし、ホンダの公式発表にはそのような情報はなく、現実的にも採用は難しいのではという意見もあります。公式に発表されているパワーユニットはe:HEVであり、これは現行シビックe:HEVに搭載されているLFC型の2.0Lエンジンをベースにしたシステムが想定されます。またBEV仕様については否定されています。プラグインハイブリッドの可能性は残されていますが、コンセプトカーには充電口らしきものは見当たりませんでした。
ホンダは国内ブランドの中でもEVシフトを明確に打ち出してきましたが、2023年10月のプレリュードコンセプトの発表と同時期にGMとのBEVに関する事業提携の一部が解消されたことが話題となりました。さらに2024年1月には新世代BEVとして注目されていた「Honda e」の生産が早期に終了しました。このように、EVシフトが必ずしもスムーズに進んでいない様子も見受けられました。
しかし、その後ホンダは2024年5月に発表したビジネスアップデートで、プレリュードの発売時期である2020年代中盤をEV移行期として位置付けています。
米国では2025年にLGエナジーソリューションとの合弁によるバッテリー工場の稼働開始が予定されており、EVシフトに向けて本格的な動きが期待されています。
ホンダは2040年にグローバルでBEVとFCEVの比率を100%にすることを目指していますが、2030年の段階では40%を目標としています。新型プレリュードの発売時期である2025年は、依然としてe:HEVが主流であり、さらに2026年には次世代e:HEVの導入すら予定されている状況です。
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プレリュード初採用の新機能「Honda S+ Shift」
Hondaが開発した新機能「Honda S+ Shift」は、2025年に発売予定のプレリュードを皮切りに、次世代e:HEV搭載車全機種への順次導入が予定されています。これは、e:HEV特有の特性を生かしつつ、ドライバーとクルマの一体感をより際立たせ、操る喜びを追求するために新たに開発されたものです。2020年にe:HEVを採用した「FIT(フィット)」で実用化したリニアシフトコントロールを進化させ、これまでの高い環境性能をそのままに、加減速時にエンジン回転数を緻密に制御することによってダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を可能にします。
また、エンジン回転数と同期した迫力あるサウンドをスピーカーから流すアクティブサウンドコントロールシステムを採用し、その音質を高めることで運転者の聴覚を刺激します。これと連動するメーターの表示は俊敏な反応性を持ち、ドライバーが五感でクルマとのつながりを感じることを目指しています。その結果、車内環境はより爽快で、意のままに操れる走行体験へと進化します。
「Honda S+ Shift」という名称には、「S600」や「S2000」、「TYPE S」といったHondaのスポーツスピリットを源流とする「S」に加え、Synchronize(同期)、Special(特別)、Sensational(感覚的刺激)といった新たな価値を「+(プラス)」することで、ヒトとクルマを新たな世界へとシフトさせていく思いが込められています。
この機能の特長には、まず聴覚と視覚への新たなアプローチが挙げられます。2つの大出力モーターとアクティブサウンドコントロールを連動させることで、エンジン回転数に応じた力強いサウンドがドライバーの心を高揚させます。これにより、鋭いシフトフィーリングが生まれ、メーター表示の反応性とあいまってクルマとの一体感をさらに高めます。リニアシフトコントロールを進化させたことで、運転状況や走行環境に応じた変速が全車速域で可能となり、シフトホールドが作動している間は適切なエンジン回転数を維持し、再加速時のエンジン発電電力を最大限駆動力に生かします。その結果、アクセルを踏み込んだ際にはモーター初期応答時間が大幅に短縮され、ドライバー操作に直結するリニアなレスポンスが実現します。
さらに、e:HEVのメカニカルな変速機構を持たない構造的特性を踏まえつつも、Honda S+ Shift作動時にはパドル操作による変速を実現することで、有段ギアを切り替えるようなフィーリングがもたらされます。エンジンと大出力モーターの緻密な協調制御によって、リニアな変速レスポンスが得られ、ドライバーがアクセルやパドル操作を行った際に瞬時に呼応する「操る喜び」が目指されます。
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プレリュード コンセプトのエクステリアは市販プロトタイプ相当の完成度
プレリュードコンセプトのフロントデザインは、プリウスに似ていると揶揄されるほどで、トヨタのハンマーヘッドデザインの影響を受けた可能性が指摘されています。
デイタイムライトは、左右のヘッドライトと中央の一文字形の3つの発光部により構成されています。
ドアミラーは完全なカメラ式ではなく、物理ミラーが維持されています。ミラーの面積はコンパクトで、形状はシャープに仕上げられています。ドアハンドルはポップアップ式で、市販型でもこのまま採用されることが予想されます。
ヒューエルリッドカバーは左側のみで、サイズも標準的です。他に充電口であることが疑われる箇所は無く、ガソリンの給油のみでエネルギー補給されることになりそうです。
現段階では、プラグインハイブリッドである可能性も低いでしょう。タイヤはコンチネンタル 245/35ZR 20インチが装着されています。バックデザインは一文字テールランプに、中央に「HONDA」のメーカーロゴが表記されています。近年のデザイントレンドに従っている印象です。
リアバンパー中央に「Prelude」のバッジが貼り付けられており、これは4代目プレリュードのイメージを継承しているように見えます。
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プレリュード復活の背景
プレリュードは、かつてホンダを代表するクーペモデルとして、1978年の初代発売から2001年まで、5代にわたり進化を遂げました。
しかし、市場の変化と共にその姿を消しました。
2025年頃とされるプレリュード復活の背景には、クーペ市場の変化があります。
特に米国市場において、2021年に実施されたシビックシリーズの11代目へのフルモデルチェンジの際にクーペが設定されませんでした。
ホンダは新たなクーペモデルの開発を模索する必要があったと思われます。その結果、プレリュードという伝説的なモデルネームを再び市場に送り出すことになりました。
「ジャパンモビリティショー2023」での発表では、プレリュードがただのクーペではなく、ホンダの電動化戦略における重要なモデルであることが示唆されました。
クーペの楽しさと電動化の持続可能性を融合させることで、新型プレリュードはこれからのスポーツカーにおける新たな基準を示す存在となるでしょう。
この復活は、過去への敬意と未来への挑戦、そしてホンダが自動車という文化をどのように進化させていくかのビジョンを示しています。
新型プレリュードに採用される「e:HEV」は、電気モーターによる力強い加速が特徴です。さらに高速域ではガソリンエンジンからのトルクが駆動輪に直結される構造を持ち、環境性能と走行性能のバランスを高いレベルで実現しています。これは、特にプレリュードのようなスポーツモデルに相応しいパワートレインと考えることもできます。
新型プレリュードの登場は、ホンダが電動化を進める上での重要なマイルストーンとなります。「e:HEV」を中心としたパワーユニットの選択は、将来の電動車市場におけるホンダの競争力を高め、持続可能なモビリティ社会への移行を加速させることが期待されます。
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プレリュード復活 まとめ
まとめ更新日: 2025/01/10
- 発売時期は2025年秋を予告
- 東京オートサロンにプレリュード プロトタイプ カスタマイズを出品
- BEVではなく、HEVを採用
- PHEVは無さそう
- 新技術「Honda S+ Shift」先行導入
- フロントデザインはトヨタ ハンマーヘッドを意識か
- 物理ミラーは維持される可能性
- ポップアップ式ドアハンドルを採用
- フロント一文字デイタイムライト
- リア一文字テールライト
- 4代目「Prelude」に近いロゴをリアバンパー中央に配置