フルモデルチェンジ新型GT-Rか?丸目リアコンビネーションランプのティザー公開、それともスカイライン?
日産がR36型 次期GT-Rと思われるティザー動画を公開しました。
この動画は、日産の経営計画「The Arc」の発表の一環で、CGによる25車種の次世代モデルが登場する内容となっています。この動画内で確認できた一台は、伝統的な丸目4灯のリアコンビネーションランプのデザインを持つモデルで、これをいくらかのメディアは次期V38型スカイラインだと報じました。しかし、実際にはR36型 次期GT-Rと考えるほうが妥当です。
ジャパンモビリティショー2023で公開された「HYPER FORCE」は次期GT-Rをイメージしたコンセプトモデルで、このモデルにも丸目の左右4灯のリアコンビネーションランプが継承されていました。
一方、V38スカイラインに関しては、「Infiniti Vision Qe」として既に別のコンセプトカーが発表済みで、これが次期スカイラインのデザインスタディモデルに相当するでしょう。
「Infiniti Vision Qe」は、スカイラインの海外ネームである「インフィニティQ50」の次期型を想定しており、北京モーターショー2024ではモックアップが出品される見込みです。このモデルは、丸目4灯ではなく、円弧型の一文字テールランプを採用しており、その形状が特徴的です。
そして、円弧型の一文字テールランプのモデルは「The Arc」の25台のなかにも含まれています。これが次期スカイラインの姿と考えるのが妥当でしょう。
「The Arc」による25車種のフロントショットでは、次期GT-Rのデイタイムライトのラインが含まれ、このデザインは「HYPER FORCE」のコンセプトイメージを継承しているように見えます。さらに、光る日産エンブレムはその車がBEV(電気自動車)であることを示唆しています。
「HYPER FORCE」はBEVを想定しており、全固体電池と高出力モーターのパワートレインは最大出力1,000kWを発生すると発表されていました。さらに、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」も採用される予定です。
一方で、「The Arc」で公開されたサイドショットは、明瞭ではなく特徴がわかりにくいですが、GT-Rとして考えるには物足りない印象もあります。
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全固体電池パイロット生産ラインを公開、R36型GT-Rへも搭載予想
次期GT-Rは全固体電池搭載のBEVということですが、その実現のための具体的な取り組みが発表されました。
日産は、2028年度の実用化を目指して研究開発を行っている全固体電池のパイロット生産ラインを2024年4月に初公開しました。この横浜工場内で建設中となっているパイロットラインは2024年度中に稼働予定としています。ここで、電気自動車(EV)用の全固体電池の実用化に向け、革新的な工法を取り入れながら、様々な生産技術の課題に取り組むとしています。
全固体電池は、従来比で約2倍となる高いエネルギー密度や、優れた充放電性能による大幅な充電時間の短縮、さらにはより安価な材料の組み合わせによるバッテリーコストの低減等によりEVの競争力を向上させ、幅広いセグメントへの搭載が期待されます。
日産は2028年度までに全固体電池を搭載したEVの市場投入を予告しています。R36型GT-Rもその対象車種である可能性があります。
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新型【GT-R】R36フルモデルチェンジ 全固体電池搭載BEV予告コンセプト、HYPER FORCEジャパンモビリティショー発表
日産は、ジャパンモビリティショー2023で「NISSAN HYPER FORCE(ニッサン ハイパー フォース)」というコンセプトカーを発表しました。
この車はR36型、次期GT-Rが想定されています。ジャパンモビリティショーで日産は合計5台のBEV(電池搭載車)コンセプトカーを発表しました。その中の一台である「ハイパーフォース」は、最後のサプライズとして公開されました。
「ハイパーフォース」のフロント中央にあるエンブレムはモザイク柄で、上段がシルバー、下段がレッドです。この配色は従来のGT-Rのエンブレムを思わせるデザインです。
リア部分には、スカイラインGT-R伝統の丸目4灯が採用されており、この車が次期R36 GT-Rを意図していることを示唆しています。
リアのコンビネーションランプは立体的な見え方が特徴です。リア右寄りには「HYPER FORCE」というバッジがあり、このデザインも上段がシルバー、下段がレッドとなっています。
スタイリッシュなボディラインを補完する大型のスワンネック型リアウィングが装着されており、ダウンフォースや空気抵抗の最適化を追求しています。
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R36 GT-Rコンセプト「ハイパーフォース」は全固体電池と1,000kWモーター採用
次期GT-R想定の「NISSAN HYPER FORCE」は、日常とサーキットの境界を問い直すコンセプトカーとして設計されています。その主な特徴は、究極のドライビングプレジャー、高い環境性能、そして日常使用時の快適性です。パワートレインには、全固体電池と高出力モーターが採用されており、最大出力は1,000kWに達します。この高出力により、非常に強力な加速力を実現しています。
外観は、低くワイドなスタンスが特徴で、なめらかな曲線と幾何学模様のボディパネルがシームレスに融合しています。フロントデザイン、キャビンのシルエット、リアのコンビネーションランプには、日産のハイパフォーマンスカーのデザインDNAが織り込まれています。
空力性能は、NISMOレーシングチームと共同開発した技術が採用されています。これには、フロントボンネット下の2段の空力構造やフロントカナード、アクティブエアロ機能を備えたリアウイングなどが含まれます。新たに採用された二重構造ディフューザーや、新開発のプラズマアクチュエーターにより、空気の流れが最適化され、コーナリング時の安定性が向上しています。
さらに、強力なダウンフォースを生み出す空力設計や、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」、高強度カーボンを活用した軽量化車体といった要素が組み合わさり、サーキットやワインディングロードでの卓越した操作性を誇ります。
「NISSAN HYPER FORCE」には2つのドライブモードがあります。R(レーシング)モードでは、インストルメントパネルが赤いライティングで彩られ、コックピットは直感的な操作がしやすいデザインに変わります。ステアリング周りの画面には、タイヤ温度や空気圧、ブレーキローター温度、駆動力配分の情報が表示されます。
GT(グランドツーリング)モードでは、インストルメントパネルのライティングが青色に変わります。ステアリング周りの画面が統合され、エアコンやオーディオ、サスペンション設定、スタビライザー設定などの情報が表示されるようになります。このモードには、世界初のサスペンションとスタビライザーのチューニングシステムが採用されています。
また、インストルメントパネルのGUIには、株式会社ポリフォニー・デジタルとのコラボレーションが実現されています。これにより、ドライブモードに応じて、パネルのカラーや表示内容が変わり、ドライバーは必要とする情報を瞬時に表示や調整ができるようになっています。
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GT-R R35型2025年モデルが2024年6月に発売
日産は「NISSAN GT-R」2025年モデルを発表しました。2024年6月に発売される予定です。2024年モデルでは、マフラーを新開発することで法規対応をクリアし、R35型の販売継続が可能となりました。受注停止となっていたGT-Rは、2024年6月発売の2025年モデルにより販売再開されることになります。
2025年モデルは、2024年モデルに対して軽微な変更となっており、これがR35 GT-Rの最終モデルとは到底思えません。噂される「Final Edition」なるモデルの登場が待望されます。
R35型「NISSAN GT-R」は2007年に市場に投入され、その後、毎モデルイヤーで改良が加えられてきました。2025年モデルでは、「NISSAN GT-R Premium edition」に「ブルーヘブン」と名付けられた青基調の特別内装色が新たに設定されました。
さらに、「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」と「NISSAN GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」においては、上位グレード向けであった高精度重量バランス部品が採用され、これによりレスポンスと性能の向上が図られました。
これらのグレードには、技術の粋を集めた象徴として、赤文字で匠の名が刻まれたアルミ製ネームプレートとゴールドのモデルナンバープレートがエンジンルーム内に設置され、所有する喜びとともに、車両の特別感が高められました。2024年モデルは黒文字でした。
R35 GT-R 2025年モデルの消費税込み車両本体価格は、14,443,000円~22,891,000円となり、値上がり幅は、693,000~1,510,300円です。
また、高性能版の「NISMO」は、30,085,000円~30,613,000円となり、値上がり幅は、1,434,400~1,463,000円です。
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GT-R 2025年モデル 価格表
グレード | 消費税込み車両本体価格(円) | ||
2025年モデル | 2024年モデル | 価格差 | |
GT-R Pure edition | 14,443,000 | 13,750,000 | 693,000 |
GT-R Black edition | 16,115,000 | 15,350,500 | 764,500 |
GT-R Premium edition | 15,587,000 | 14,840,100 | 746,900 |
GT-R Premium edition T-spec | 20,350,000 | 18,960,700 | 1,389,300 |
GT-R Track edition engineered by NISMO | 18,535,000 | 17,650,600 | 884,400 |
GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec | 22,891,000 | 21,380,700 | 1,510,300 |
GT-R NISMO | 30,085,000 | 28,650,600 | 1,434,400 |
GT-R NISMO special edition | 30,613,000 | 29,150,000 | 1,463,000 |
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GT-R 2024年モデルは新開発マフラーで騒音規制クリア、BEVの次期R36登場までR35販売延長
日産は、「GT-R」2024年モデルの注文受付を2023年3月20日に開始しました。発売日は2023年4月下旬です。なお、「NISSAN GT-R NISMO/NISMO Special edition 」、「NISSAN GT-R Track edition engineered by NISMO/Track edition engineered by NISMO T-spec」は2023年夏の発売です。
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R36 GT-Rへのフルモデルチェンジならず、騒音規制クリアの2024年モデルでR35継続
「R35 GT-R」は、2022年モデルで終了し、「R36 GT-R」へのフルモデルチェンジも予想されていました。しかし、新開発マフラーにより騒音規制をクリアした2024年モデルが、2023年1月の東京オートサロンで発表されました。
この新型GT-Rは、法規制に対応するだけでなく、車両全体のバランスも進化しています。特に、フロントバンパー、リヤバンパー、リヤウイングの新デザインによって空力性能が向上しました。空気抵抗を増やさずにダウンフォースを増加させています。また、タイヤの接地性やハンドリング性能が向上し、洗練された乗り味を実現しました。
新車外騒音規制に対応した新構造のマフラーは、最高出力や最大トルクのパフォーマンスを維持しつつ、走行時の不要なノイズや振動を低減し、車内の快適性に貢献しています。この新型マフラーは、綿密に調整された新たなGT-Rサウンドを提供します。
特別仕様車「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」について、日産のCOOアシュワニ・グプタ氏は、本モデルのお披露目イベントで「最先端の技術と匠の技を掛け合わせ、新たなデザインをまとった本モデルは、R35型の集大成ともなるべきモデルです。」と発言しました。
こういった大幅改良が、R35型GT-Rに施されるのは最後になるでしょう。次期GT-RR36型は、全固体電池を搭載したBEVとなる可能性があり、その発売時期は2020年代の終わりごろが予想されます。それまでの間、騒音対策を施した2024年モデルをベースにしたR35型が販売されることが見込まれます。
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GT-R 2024年モデル スペック 価格
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「NISSAN GT-R」2024年モデル 全国希望小売価格(消費税込み)
駆動 | エンジン | グレード | ミッション | 価格(円) | ||
4WD | VR38DETT | GT-R | Pure edition | GR6型デュアルクラッチ トランスミッション |
13,750,000 | |
Black edition | 15,350,500 | |||||
Premium edition | 14,840,100 | |||||
Premium edition T-spec | 18,960,700 | |||||
Track edition engineered by NISMO | 17,650,600 | |||||
Track edition engineered by NISMO T-spec |
21,380,700 |
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「NISMO」 全国希望小売価格(消費税込み)
駆動 | エンジン | グレード | ミッション | 価格(円) |
4WD | VR38DETT [NISMO専用チューニング] |
NISMO | GR6型デュアルクラッチ トランスミッション |
28,650,600 |
NISMO Special edition | 29,150,000 |
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(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
「GT-R」まとめ
まとめ更新日: 2024/04/24
R36 まとめ
- 日産の経営計画「The Arc」のなかで、丸目4灯のリアランプのモデルが登場
- R36 GT-R 想定コンセプトカー「NISSAN HYPER FORCE」発表
- 次期型R36は全固体電池採用のBEV予想
R35 まとめ
- 2024年モデルで騒音規制クリアし、R35の販売継続
- 2025年モデル発表、2024年6月発売
- NISMO および by NISMOグレード継続
- NISSAN GT-R Premium editionの特別内装色「ブルーヘブン」
- 値上げ 新価格 14,443,000~22,891,000円
- NISMO 新価格 30,085,000~30,613,000円
R36 GT-R 想定コンセプト 「NISSAN HYPER FORCE」画像 2023年10月
「GT-R Premium edition T-spec」
特別仕様車の「T-spec」の意味は、時代を牽引するクルマであり続ける「Trend Maker」でありたいという思いと、しっかりと地面を捉え駆動する車両「Traction Master」であるという考えから来ている。
「GT-R Premium edition T-spec」では、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどが採用され、よりしなやかで上質な走りと、意のままに操れる楽しさが両立された。
「GT-R NISMO Special edition」
「GT-R NISMO」は、レーシングテクノロジーが最大限注ぎ込まれ、空力性能の磨きこみとサスペンションのチューニング、フロントメカニカルLSDが追加される。さらに、コーナリング性能が向上などが盛り込まれており、GT-R史上最高のパフォーマンスとなる。専用RECARO製カーボンバックバケットシートも刷新されたことで、車両との一体感や快適性が向上した。
「GT-R NISMO Special edition」では、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用。クリヤー塗装を施したNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)などが特別装備される。
GT-R 2024年モデル 画像
「GT-R Premium edition T-spec」
画像提供UYU by TOCOME enterprise様
「GT-R NISMO Special edition」
日産【GT-R】予約完売 2464万円 NISMOスペシャルエディション 2021年4月
「NISSAN GT-R NISMO」2022年モデル、および「NISSAN GT-R NISMO Special edition」2022年モデルは以下の価格で販売されていた。
・NISMO…24,200,000円
・NISMO Special edition…24,640,000円
2021年4月14日に先行公開されていた両モデルは、先行予約の段階で予定台数の300台を超える予約受注を獲得しており、価格発表と同時にオーダー受付の終了も告知された。
特に「NISSAN GT-R NISMO Special edition」2022年モデルについては、予約注文全体の99%を占めており、大変好評となった。また、NISMO専用新色の「NISMOステルスグレー」が全体の約半分で選ばれた。