スバルは、フォレスターも一部対象となるリコールを2022年5月26付けで発表している。対象のフォレスターは、排気ガス再循環装置の圧力センサの交換と、ECUの書き換えが必要となっている。
フォレスター E型 一部改良 2022年夏発表予告、フルモデルチェンは2024年か
スバルの中型SUV、フォレスター(5代目、SK系)は2021年にフェイスリフトを含むマイナーモデルチェンジ相当の大幅改良が実施されていた。現行型は後期モデルの(D型)となっている。
今後の予定は、2022年夏にE型への年次改良が行われる。E型の値上げ幅は、およそ5万円程度となることが予想される。
フォレスター「STI Sport」、2022年夏発表の予告
2022年夏の一部改良で、「STI Sport」グレードの追加設定が行われることが発表された。既に先行予約がスタートしている。
新型フォレスター「STI Sport」は、STIチューニングによる専用ダンパーを装備することで、重心の高いSUVでありながら、 スポーツセダンのようなハンドリングと上質な乗り心地が実現される。
また、エクステリアでは、艶のあるブラックパーツをあしらい、STI Sportの「上質さとスポーティさ」を表現。インテリアでは、熟成された深みのあるボルドー×ナッパレザー素材に包まれる「上質な空間」が演出される。
フォレスター「STI Sport」装備の一覧
- STIオーナメント(フロント、リヤ)
- 18インチアルミホイール(スーパーブラックハイラスター塗装)
- STIチューニング 日立Astemo製 SFRDフロントダンパー
- STI Sport用マルチインフォメーション ディスプレイ付メーター
- 本革シート(ナッパレザー)[ブラック/ボルドーアクセント](レッドステッチ)
- ブラックラスト塗装&ボルドー表皮巻 センタートレイ加飾(レッドステッチ)
現行フォレスターはF型への年次改良あり、フルモデルチェンジは2024年
SK系からはモデルサイクルが従来よりも1年ほど延長される可能性があり、2023年にはF型の登場が予想される。2020年8月にリークされたスバルのロードマップでは、2023年までの新型車投入計画が明示されていたが、そのなかにフォレスターのモデルネームは存在しなかった。フォレスターについて、従来のモデルサイクルを維持していくつもりはスバルには無いようで、フルモデルチェンジは早くとも2024年ということになりそう。
フルモデルチェンジでは、トヨタからの技術協力によって開発が進められているストロングハイブリッドシステム(SHEV)の初搭載が期待される。
新型フォレスターはフルモデルチェンジで新開発ストロング ハイブリッドシステムを搭載
スバルは2030年以降に向けた電動化ロードマップを2020年1月20日発表していたが、その中で、SHEVの導入時期を202X年としていた。
ロードマップ上では、より具体的に2023~2024年頃からSHEVを導入していくことが図示されており、これはフォレスターのフルモデルチェンジ時期と一致する。
また、SHEVのシステム概略図も公開されており、メインユニットには4気筒の水平対向エンジンが採用されているのが確認できる。そして、シンメトリカルAWDの技術も継承されるようだ。
スバルのラインアップでは、BEVのソルテラがまもなく市場投入される見込みで、電動化を進めるなかで大きな節目を迎える。ただし、ソルテラ以外のBEVモデルについては、今後の計画が明らかとなっていない。スバルの電動化はハイブリッドを中心に進めていく方針となっており、その中で水平対向エンジンは、しばらく存続していくことになりそうだ。
スバルの電動化目標は、2030年の段階で電動車(BEV+ハイブリッド車)が40%以上。さらに2030年代の前半には、100%が目指されている。
「ひどい」のか、フォレスター後期(D型)の外観デザイン
現行型フォレスターは2018年にフルモデルチェンジ発売されたモデルである。当時のスバルは、デザインコンセプトとして「Dynamic × Solid」をテーマとしており、これは2014年3月にジュネーブ発表された「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT」によって示されていた。フォレスターの前期モデル(A型~C型)は、この「Dynamic × Solid」のテーマでデザインされたものである。
その後、スバルは2019年3月に「SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT」を発表しており、デザインテーマを「BOLDER」に変更させている。
フォレスターにおいては、フェイスリフト実施のマイナーチェンジが2021年8月に行われ、後期モデル(D型)となった。
この時は新デザインテーマの「BOLDER」が採用されたわけだが、マイナーチェンジということもあり変更の対象とならない部分が多く残された。前コンセプトの「Dynamic × Solid」と新コンセプトの「BOLDER」が混在した状況となっており、「ひどい」と言われるデザインの理由の一つとして考えられる。
一方で、「BOLDER」のデザインコンセプトでフルモデルチェンジされたモデルが、新型レヴォーグと新型WRXである。
フロントデザインを比較してみても、新型レヴォーグと新型WRXのヘキサゴングリルからヘッドランプへと続くラインが自然なのに対し、フォレスターはSUVらしい無骨さを差し引いて見てもこのラインが自然に描かれているように感じられない。
フォレスターの歴史、フルモデルチェンジ周期の平均は約5年3ヶ月
スバル・フォレスターは1997年発売の初代モデル(SF系)を原点とする中型のクロスオーバーSUV。以来、現行型の5代目フォレスターに至るまで4回のフルモデルチェンジを受けている。
フルモデルチェンジ周期の平均は約5年3ヶ月であるが、このモデルサイクルの歴史が守られるなら、6代目フォレスターへのフルモデルチェンジの実施時期は2023年ということになる。しかし前述の通り、モデルサイクルは1年程度延長される見込みで、2024年のフルモデルチェンジが予想される。
SF系の初代フォレスターはEJ20型のNAとターボ、EJ25型ターボの水平対向エンジンを搭載
初代フォレスターの搭載エンジンとしては、EJ20型ターボ車が先行販売され、遅れてEJ20型NA車も用意された。
さらに1998年の年次改良ではEJ25型ターボ車を加え、これら3種類のエンジンラインアップでしばらく販売されることになる。
最初のフルモデルチェンジ、2代目フォレスター(SG系)が登場
2002年には2代目フォレスター(SG系)へフルモデルチェンジされる。
エンジンラインアップは主に環境性能向上のためブラッシュアップを受けるが、2.0L NA/ターボ、2.5L ターボの3種類であることはSF系から変わりがなかった。
SH系3代目フォレスターは大型化、立派な中型SUVに
2007年には3代目フォレスター(SH系)へフルモデルチェンジを受ける。
北米市場で販売しやすいミドルクラスSUVとしてボディは大型化される。先代モデル比では、ホイールベースが+90mm延長の2615mm、全長が+75mm延長の4560mmとなる。2010年のマイナーモデルチェンジでは、新世代BOXERエンジンのFB20型が採用され、加速性能、環境性能ともに向上した。
SJ系4代目フォレスターは、EyeSight装備車が人気に
2012年には4代目フォレスター(SJ系)へフルモデルチェンジされる。
EJ20型およびEJ25型エンジンの搭載は終了し、2.0L NAはSH系後期型から引き続きFB20型を搭載し、2.0L ターボとしてFA20型 DITエンジンが採用される。EyeSight装備車が人気グレードとなった。
現行型のSK系5代目フォレスターはマイナーチェンジを受け後期型(D型)が販売中
2018年には現行型の5代目フォレスター(SK系)へフルモデルチェンジを受ける。
スバルグローバルプラットフォームが採用され基本性能が大幅向上される。2021年にはD型への年次改良が実施されたが、これはフェイスリフトが含まれたマイナーモデルチェンジ相当の内容であり、後期型モデルに切り替わっている。
2022年夏にはE型への年次改良が予定されている。さらに2023年の年次改良で登場するF型がSK系の最終モデルとなり、2024年に6代目へのフルモデルチェンジが予想される。
新型フォレスター、フルモデルチェンジでの採用が期待される装備、内装、技術
フォレスターのフルモデルチェンジで期待される装備のなかには、「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ」がある。
先行してフルモデルチェンジされたレヴォーグ、アウトバックのセンターパネルには、縦型の大型ディスプレイをつかったナビゲーション機能をメインとするシステムが導入されており、人気装備となっている。現行フォレスターには採用されておらず、フルモデルチェンジのタイミングで装備されることが予想される。

フォレスターのフルモデルチェンジ、水平対向エンジン継続にはTHSⅡ技術の導入が不可欠
フルモデルチェンジによる新型フォレスターで採用されるSHEVは、「水平対向エンジン×シンメトリカルAWD×THSハイブリッド」という3つのテクノロジーを組み合わせた究極のハイブリッドシステムに仕上がることが期待される。
一方で、従来からの水平対向ガソリンエンジン搭載モデルも順次フルモデルチェンジなどでリフレッシュしていき、販売を継続していく方針となっている。
2022年からは、第二世代スバルグローバルプラットフォーム導入のフルモデルチェンジがボクサーエンジン搭載モデルに対して実施されていく見込み。まずはインプレッサとXVから実施され、そして2024年以降にフォレスターがフルモデルチェンジを受けることになりそう。
新型フォレスターにはストロング ハイブリッドが必要、BEVとe-BOXERだけではCAFE規制の対応は難しい
水平対向エンジンをメインユニットとするハイブリッドシステムは、これまでe-BOXERとして市販モデルに搭載されてきた。ただし、これはマイルドハイブリッドというレベルに留まっており、環境性能の向上幅は限定的であった。
さらにBEVの「ソルテラ」を発売するものの販売規模は限られるだろう。これらの手段だけでは、各国地域で厳しくなるCAFE規制をクリアしていくことは難しく、現実的な決め手となるのが、グローバル最量販モデルであるフォレスターのストロングハイブリッド化となる。
スバルの水平対向エンジンは、現行フォレスターにも搭載済みの新開発CB18型により効率が向上した。ストロングハイブリッド化においては、モーターアシストを鑑みてエンジンの最大トルク発生域を絞り込むことで、より一層の環境性能の改善が見込まれている。
また、シンメトリカルAWDという機械的特性も活用される。直結AWDの前後拘束力を活かし、車両安定性と回生エネルギー効率UPが両立される。
