新型フォレスターへのフルモデルチェンジは2024年の実施が予想される。
スバルは2023年5月11日に「電動化計画の現状」を公開した。これによると、次世代e-BOXERの生産時期として、より具体的に2025年と定めて計画していることが明らかとなった。次世代e-BOXERは、スバル独自の「水平対向エンジン」と「シンメトリカルAWD」の技術と、トヨタの「THS」の技術を融合させたシステムとなる。
次世代e-BOXERの初搭載モデルは、次期フォレスターになるのではという期待があった。しかし、2024年というフォレスターのフルモデルチェンジ想定時期を考えると、初期型では採用されず、2年目の年次改良のタイミングで追加採用される可能性がある。
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新型フォレスターのフルモデルチェンジは2024年予想、2023年は現行F型へ年次改良の計画
新型フォレスターへのフルモデルチェンジ想定時期は2024年ということで、現行モデル(SK系)は、あと一回の年次改良を2023年夏頃に受け、F型へと進化する見込み。
フルモデルチェンジの新型フォレスターで注目されているのが新開発パワートレインの採用である。スバルが2020年1月に発表したロードマップでは、次世代e-BOXERを「SHEV」として説明し、2023~2024年頃に導入することが示されていた。最新の発表内容によれば、次世代e-BOXERの生産開始時期は2025年のスケジュールで進められており、次期フォレスターB型からの搭載が期待される。
次世代e-BOXER(SHEV)は、スバル独自の技術として、「水平対向エンジン」と「シンメトリカルAWD」を採用しながらも、トヨタの「THSハイブリッド」を導入することで、燃費性能の大幅な向上が期待される。
フルモデルチェンジを受けた新型フォレスターのワールドプレミアについては、主力市場の北米で行われることになるはず。日本では、「東京モーターショー」の後継にあたる「ジャパンモビリティショー」が2023年10月に開催予定となっているが、ここでは発売を翌年に控えた次期フォレスターに関する何らかの発表があるのではと期待されている。
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フォレスターで「ひどい」とも言われるエクステリアの一新か、FMCで新デザインコンセプト採用期待
現行フォレスターのエクステリアは、2021年に実施されたビッグマイナーチェンジでフェイスリフトされている。フォレスターに採用されたデザインコンセプトは、この時期を境に従来の「Dynamic × Solid」から、最新の「BOLDER」に変わっている。

ビッグマイナーチェンジでは、外板パネルの変更箇所が限られており、ボディ全体で新デザインコンセプトの「BOLDER」を表現することができなかった。
現行フォレスターのデザインは「Dynamic × Solid」と「BOLDER」が混在している状況となっている。新デザインコンセプトによる洗練されたエクステリアも、フルモデルチェンジにより期待される部分の一つである。
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新型フォレスターはフルモデルチェンジで新開発ストロング ハイブリッドシステムを搭載か
スバルは2030年以降に向けた電動化ロードマップを2020年1月20日発表していた。その中で、SHEVの導入時期を202X年としていた。(2023年5月の発表により、生産開始時期は2025年で計画を進めていることが判明。)
ロードマップ上では、より具体的に2023~2024年頃からSHEVを導入していくことが図示されている。これはフォレスターのフルモデルチェンジ時期とも近いものである。
また、SHEVのシステム概略図も公開されており、メインユニットには4気筒の水平対向エンジンが採用されているのが確認できる。そして、シンメトリカルAWDの技術も継承されるようだ。
2022年4月、スバルはBEVのソルテラを発売し、電動化を進めるなかで大きな節目を迎えた。ただし、ソルテラ以外のBEVモデルについては、まだ概要すら発表される段階となっていない。スバルの電動化は、当面はハイブリッドを中心に進めていくことが予想され、その中で水平対向エンジンは、しばらく存続していくことになりそうだ。
スバルの電動化目標は、2030年の段階で電動車(BEV+ハイブリッド車)が40%以上。さらに2030年代の前半には、100%が目指されている。
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新型フォレスター、フルモデルチェンジでの採用が期待される装備、内装、技術
フォレスターのフルモデルチェンジで採用が期待される装備の一つが、「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ」である。
先行してフルモデルチェンジされたレヴォーグ、アウトバック、XV後継クロストレックのセンターパネルには、縦型の大型ディスプレイをつかったナビゲーション機能をメインとするシステムが導入されており、人気装備となっている。現行フォレスターには採用されておらず、フルモデルチェンジのタイミングで装備されることが期待される。
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フォレスターのフルモデルチェンジ、水平対向エンジン継続にはTHSⅡ技術の導入が不可欠
次期フォレスターのB型以降での採用が期待されるストロングハイブリッド(SHEV)は、トヨタからの技術協力を得て実現することになる。「水平対向エンジン×シンメトリカルAWD×THSハイブリッド」という3つのテクノロジーを組み合わせた究極のハイブリッドシステムに仕上がる予定となっている。
新型フォレスターにはストロング ハイブリッドが必要、BEVとe-BOXERだけではCAFE規制の対応は難しい
SHEVの導入により本格的に環境性能が高められる次期フォレスターであるが、スバルでは、従来からの水平対向ガソリンエンジン搭載モデルも、順次フルモデルチェンジなどでリフレッシュしていき、販売を継続していく方針となっている。
2022年は、XVのフルモデルチェンジに相当する新型クロストレックが発表された。これには、従来型キャリーオーバーのe-BOXERが全車に搭載される見込み。これは、電動化パワートレインではあるものの、マイルドハイブリッドというレベルに留まっており、環境性能の向上幅は限定的である。
また、スバルのラインアップでは、BEVの「ソルテラ」も販売されているが、その台数的な規模は限られるだろう。
これら既存の電動化手段だけでは、各国地域で厳しくなるCAFE規制をクリアしていくことは難しい。その現実的な決め手となるのが、グローバル最量販モデルであるフォレスターのストロングハイブリッド化である。
スバルの水平対向エンジンは、現行フォレスターにも搭載済みの新開発CB18型により効率が大幅に向上された。さらなるストロングハイブリッド化においては、モーターアシストにより、エンジンの最大トルク発生域を絞り込むことができるため、一層の環境性能の改善が見込まれている。
また、シンメトリカルAWDという機械的特性も活用される。直結AWDの前後拘束力を活かし、車両安定性と回生エネルギー効率UPが両立される。
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現行フォレスターはE型 2022年8月年次改良
2022年8月の年次改良では「E型」が発表され、5万5000円の値上げと、新グレードの「STI Sport」の追加があった。
その後の12月には、フォレスター特別仕様車「XT-EDITION」が発売されている。
新型フォレスター特別仕様車 XT-EDITION 2022年12月発売
スバルは、フォレスター特別仕様車「XT-EDITION」を2022年12月22日に発表した。
フォレスター「XT-EDITION」は、スバルのAWD車 誕生50周年を記念する特別車。従来販売の「SPORT」グレードをベースにアウトドアで使い勝手の良いアイテムが装備される。エクステリアとインテリアには、アウトドアシーンを想起させるデザインが施された。
また、北米向けモデルで採用しているボディカラー「ガイザーブルー」が日本仕様車として初めて設定された。
フォレスター特別仕様車「XT-EDITION」のパワートレイン選択肢は1.8L DITに限られる。車両本体価格は「XT-EDITION」3,355,000円、パワーリヤゲート装着車が3,410,000円で用意される。
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フォレスター E型 一部改良 2022年8月25日発表
スバルの中型SUV、フォレスター(5代目、SK系)は2021年にフェイスリフトを含むビッグマイナーチェンジ相当の大幅改良が実施されD型となった。
さらに2022年8月25日には、E型への年次改良が実施され発表された。E型の値上げ幅は、5万5000円となった。
グレード | エンジン | [新価格]消費税込み車両本体価格(円) | 旧価格(円) | 値上げ(円) |
Touring | 2.0L水平対向4気筒DOHC直噴+モーター(e-BOXER) | 2,992,000 | 2,937,000 | 55,000 |
X-BREAK | 3,135,000 | 3,080,000 | 55,000 | |
Advance | 3,234,000 | 3,179,000 | 55,000 | |
SPORT | 1.8L 水平対向 4気筒 DOHC直噴ターボ”DIT” | 3,355,000 | 3,300,000 | 55,000 |
STI Sport | 3,630,000 | – | – |
トランスミッションは全車リニアトロニック、駆動方式は全車AWDとなる。
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フォレスター「新型 STI Sport」が追加
2022年夏の一部改良で、「STI Sport」グレードが追加された。既に先行予約がスタートしている。
新型フォレスター「STI Sport」は、STIチューニングによる専用ダンパーを装備することで、重心の高いSUVでありながら、 スポーツセダンのようなハンドリングと上質な乗り心地が実現される。
また、エクステリアでは、艶のあるブラックパーツをあしらい、STI Sportの「上質さとスポーティさ」を表現。インテリアでは、熟成された深みのあるボルドー×ナッパレザー素材に包まれる「上質な空間」が演出される。
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フォレスター「STI Sport」装備の一覧
- STIチューニング 日立Astemo製SFRDフロントダンパー&STIチューニング リヤダンパー
- ブラックカラードドアミラー
- ナッパレザーシート(ブラック/ボルドーアクセント、レッドステッチ)
- 本革巻ステアリングホイール(レッドステッチ、ブラックラスト加飾付、高触感革)
- ブラックラスト加飾付本革巻セレクトレバー
- ピアノブラック調シフトパネル(ブラックラスト加飾)
- シャークフィンアンテナ(ブラック塗装)
- ボルドー表皮巻インパネ加飾パネル(レッドステッチ)
- STI Sport専用メーター
- ブラックルーフ&ピラートリム
- ブラック塗装加飾付フロントフォグランプカバー
- ブラック塗装加飾付バンパーガード(フロント、リヤ)
- ブラック塗装加飾付サイドクラッディング
- リヤガーニッシュ(ブラック塗装)
- FORESTER&シンメトリカルAWDリヤオーナメント(ラスターブラック)
- 18インチアルミホイール(スーパーブラックハイラスター塗装)
- ルーフスポイラー(ブラック塗装)
- STIオーナメント(フロント・リア)
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フォレスターの歴史、フルモデルチェンジ周期の平均は約5年3ヶ月
スバル・フォレスターは1997年発売の初代モデル(SF系)を原点とする中型のクロスオーバーSUV。以来、現行型の5代目フォレスターに至るまで4回のフルモデルチェンジを受けている。
フルモデルチェンジ周期の平均は約5年3ヶ月であるが、このモデルサイクルの歴史が守られるなら、6代目フォレスターへのフルモデルチェンジの実施時期は2023年ということになる。しかし前述の通り、モデルサイクルは1年程度延長される見込みで、2024年のフルモデルチェンジが予想される。
SF系の初代フォレスターはEJ20型のNAとターボ、EJ25型ターボの水平対向エンジンを搭載
初代フォレスターの搭載エンジンとしては、EJ20型ターボ車が先行販売され、遅れてEJ20型NA車も用意された。
さらに1998年の年次改良ではEJ25型ターボ車を加え、これら3種類のエンジンラインアップでしばらく販売されることになる。
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最初のフルモデルチェンジ、2代目フォレスター(SG系)が登場
2002年には2代目フォレスター(SG系)へフルモデルチェンジされる。
エンジンラインアップは主に環境性能向上のためブラッシュアップを受けるが、2.0L NA/ターボ、2.5L ターボの3種類であることはSF系から変わりがなかった。
SH系3代目フォレスターは大型化、立派な中型SUVに
2007年には3代目フォレスター(SH系)へフルモデルチェンジを受ける。
北米市場で販売しやすいミドルクラスSUVとしてボディは大型化される。先代モデル比では、ホイールベースが+90mm延長の2615mm、全長が+75mm延長の4560mmとなる。2010年のマイナーモデルチェンジでは、新世代BOXERエンジンのFB20型が採用され、加速性能、環境性能ともに向上した。
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SJ系4代目フォレスターは、EyeSight装備車が人気に
2012年には4代目フォレスター(SJ系)へフルモデルチェンジされる。
EJ20型およびEJ25型エンジンの搭載は終了し、2.0L NAはSH系後期型から引き続きFB20型を搭載し、2.0L ターボとしてFA20型 DITエンジンが採用される。EyeSight装備車が人気グレードとなった。
現行型のSK系5代目フォレスターはマイナーチェンジを受け後期型(D型)が販売中
2018年には現行型の5代目フォレスター(SK系)へフルモデルチェンジを受ける。
スバルグローバルプラットフォームが採用され基本性能が大幅向上される。2021年にはD型への年次改良が実施されたが、これはフェイスリフトが含まれたマイナーモデルチェンジ相当の内容であり、後期型モデルに切り替わっている。
2022年夏にはE型への年次改良が実施された。さらに2023年の年次改良で登場するF型がSK系の最終モデルとなり、2024年に6代目へのフルモデルチェンジが予想される。