セリカ復活2026年頃予想、新開発2.0Lターボエンジン搭載の可能性
トヨタの佐藤恒治社長は、かねてよりセリカの復活を夢見ており、その情熱は広く知られています。さらに、前社長で現会長の豊田章男氏も同様にセリカ復活を強く望んでおり、その実現を会社に強く訴え続けています。ただし、トヨタという巨大な企業において、トップ2人の願いだけで簡単に物事が進むわけではありません。しかし、2024年にはセリカ復活を裏付けるような動きがいくつか見られました。
2024年1月に開催された東京オートサロンにおいて、豊田会長はプレゼンテーションの中で、モータースポーツで勝てるエンジンの開発を佐藤社長に依頼したと発言しました。この際に示された赤いヘッドのエンジンが、その後明らかになることになります。
2024年5月に開催されたマルチパスウェイワークショップでは、トヨタが新たに開発したエンジンが公開され、セリカ復活への期待が一層高まりました。このワークショップで発表されたエンジンは、1.5L NA、1.5Lターボ、そして2.0Lターボの3種類です。特に2.0Lターボエンジンは、オートサロンで写真に示された赤いヘッドのエンジンそのものであるように見えました。
この新開発の2.0Lターボエンジンは、モータースポーツ向けの仕様も見据えて設計され、最大で600ps級のパフォーマンスを発揮できるとされています。市販車への搭載を視野に入れた場合、400PS/500Nm級および300PS/400Nm級の2つのバリエーションが候補となっており、いずれかがセリカ復活にふさわしい選択肢と考えられます。
セリカといえば、1970年の初代モデルから2006年の7代目最終モデルまで、様々な個性を持っていました。次期セリカは、1994年に発売されたST205型、6代目セリカ GT-FOURを直接後継するキャラクターが想定されています。つまり、前述の2.0Lターボを搭載したフロントエンジン・四輪駆動レイアウトのモデルであることが予想の一つです。
その発売時期は2026年頃が見込まれており、伝説の名車セリカが再びその姿を現す日は、いよいよ近づいているのかもしれません。
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セリカ GT FOUR後継の可能性、四輪駆動のBEVスポーツ FT-Se コンセプトを発表、トヨタ社長の夢実現か
一方で、トヨタがジャパンモビリティショー2023で公開したBEVスポーツの「FT-Se」も、市販型がセリカを名乗るに相応しいモデルと考えられます。
GRブランドのエンブレムが付いていることからも、「GRセリカ」として発売されるのではないかとの期待が一部で高まっています。
FT-Seは、カーボンニュートラル時代における高性能スポーツBEVを目指したコンセプトカーで、「モータースポーツを起点としたより良いクルマづくり」というトヨタの理念が反映されています。主要コンポーネントは、同時発表されたSUV「FT-3e」と共通するモーターを使用した四輪駆動システムが採用される見込みで、操縦安定性や空力性能がさらに進化することが期待されます。
一方、この「FT-Se」については、ミッドシップレイアウトの「MR2」や「MR-S」の後継モデルと見る向きもあります。しかし、四輪駆動のシステムを考慮すると、「セリカ GT-FOUR」の後継モデルと位置付ける方が適切かもしれません。
2023年4月にトヨタの新社長に就任した佐藤恒治氏は、「人生の夢はセリカの復活」と語ってきました。その夢がいよいよ現実のものとなる時が来たのかもしれません。
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次期セリカ GT FOURか、新型FT-Seのエクステリアは、ワイド&ロー、低ノーズな先進シルエット
「セリカ GT FOUR」の後継とも考えられる「FT-Se」のデザインは、ワイド&ローのプロポーションを採用し、ワンフォームシルエットによる先進的な印象で空気抵抗が削減される。ノーズ部は低く整えられている。
ボディサイズは全長4380mm、全幅1895mm、全高1220mmで、ホイールベースは2650mmとなる。コンパクトなサイズ感はスープラにも近い。ただしホイールベースは、180mmもFT-Seの方が長くなっている。
フロントのウィンカーレンズやリアのテールレンズは立体的で、空力パーツとしての機能も兼ね備える。
リアフェンダーのエアインレットは可動式で、状況に応じて空気取り入れ量を調整可能だ。
また、「GR」のエンブレムが貼られていることからも、GRブランドでのラインアップを計画していることになるだろう。これまで、GRの冠が与えられてきた車種は「GR COROLLA」、「GR 86」、「GR YARIS」、「GR SUPRA」の4モデルがある。市販型モデルネームは、シンプルに「GR CELICA」となるかもしれない。また、GRブランド初のBEVということになる。
次世代コックピットはフルデジタルで、操作が直感的。インパネ上部を低めに設定して高い視認性を保ち、新しいニーパッドで走行中のGから体をサポートする。ステアバイワイヤシステムも備えられている。また、ソフトウェアアップデートを通じて、ドライバーと共に成長するクルマが目指される。
タイヤはミシェランのパイロットスポーツCUP2が採用される。サイズは、フロントが265/35ZR20、リヤが295/35ZR20。
「FT-Se」と表記された赤いブレーキキャリパーも映える。
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「セリカ復活」は、トヨタ新社長 佐藤恒治氏の人生の夢、経歴がヤバい
トヨタは2023年4月1日付けで、豊田章男氏が会長へ退き、新社長に佐藤恒治氏が就任する人事を行った。新社長は、以前から「人生の夢はセリカを復活させること」と公言しており、ファンの間では「セリカ復活」を期待する声が高まっている。
佐藤氏は、1992年に早稲田大学理工学部機械工学科を卒業し、同年にトヨタ自動車株式会社に入社。2016年からはレクサス部門でZLチーフエンジニアとなり、現在は同部門のプレジデントのほか、トヨタの執行役員、GAZOO Racing Company President、などを兼任する。
これまで商品化に大きく関わったモデルには、レクサスLFA、GRヤリス、GRカローラ、などといった、スポーツ志向の強いクルマも多い。
また、モリゾー(章男氏)同様に、佐藤氏も「タイ25時間耐久レース」に出走するなど、レーサーとしての一面もある。
プライベートでは、最近購入した「AE86」の沼にハマっているということで、バラバラ状態のAE86をSNSにアップするなど、ヤバいほどの「クルマ好き」のようだ。
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セリカ復活、東京オートサロンのプレスカンファレンスは、トヨタ社長「やばい」夢実現の布石だったのか
佐藤氏が、現社長の章男氏から新社長として打診されたのは、2022年12月のタイ25時間耐久レースの最中であったという。その翌月、佐藤氏の新社長への内定がほぼ決まっていたと思われる状況で迎えた東京オートサロン2023で、「TOYOTA GAZOO Racing」のプレスカンファレンスが行われた。そのプレゼンテーションは、前半を章男氏が担当し、途中で佐藤氏へバトンタッチするという流れ。
このなかで、
「クルマ好きだからこそできる カーボンニュートラルの道がある!」
「クルマ好きを 誰ひとり置いていきたくない!」
という2つのスローガンが発表された。
そして、4A-G型を水素エンジン化した「トレノ」、マニュアルトランスミッション搭載でBEV化させた「LEVIN」を発表。
続いて、2022年WRC第8戦フィンランドのヒストリックカーラリーで優勝した、ラトバラ代表の「ST165型 セリカ GT-FOUR」が紹介された。
ただし、佐藤氏はまだ新社長就任前ということもあってか、今回の東京オートサロンでは「セリカ復活」についての具体的な発言は無かった。
トヨタは、「クルマ屋」から「モビリティ カンパニー」へのフルモデルチェンジを予告しており、これを若さのある新社長を軸とした新チームによって成し遂げようとしている。東京オートサロンでのフレスカンファレンスの内容は、トヨタが「モビリティ カンパニー」へと進化しても、クルマ好きを満足させるモデルをカーボンニュートラルの技術によって提供し続けていく意思を確認できるものであった。
また、トヨタに「セリカ」という名車があることをファンに思い出させる内容でもあった。
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セリカ復活 フルモデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2024/08/26
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