自動車関連株はトヨタ、日産はエコカー補助金効果もあり堅調
自動車関連株は、電気関連株と同様に輸出銘柄であり、米国やヨーロッパへの輸出が収益に大きく依存します。そのために、自社の売り上げよりも市場変動に大きく左右され、特に円高・ドル安またはユーロ安になるとその分だけ株価が下降する傾向にあります。株価の変動具合も大きく、ベータ値は1を超え、市場全体の変動よりも大きく値が動くのが特徴です。2012年初めからの上昇率は、日本の東北大震災の影響で春先の大きな変動があった後に、欧州経済懸念の市場への影響が一段落した2012年8月末現在、日経平均株価と自動車関連株は共に8%台と横並びになり、やや落ち着いた印象があります。
そんな中で各社の株価の動きを見てみると、好調なのはトヨタです。トヨタは系列会社も軒並み4-6月期決算で安定して好成績を残しており、ユーロ安などで下げたことがあるものの、他社と比較すると上昇率は大きいと言えます。プリウスやアクアがエコカー補助金の効果か制度が終了した後でも順調に売り上げを伸ばしていることが一因と言えそうです。
日産自動車の株価は、トヨタに続いて上昇しています。その要因としては、中国内陸部を開拓するヴェヌーシア、東南アジア向けとして復活したダットサンなど地域密着に基づいた明確な戦略への評価が定着し、投資家の期待を集めていることが挙げられます。
ホンダの株価は出遅れているが今後の成長に期待したい
これら2社に比較すると、出遅れた感が否めないのがホンダの株価です。ヨーロッパでの販売不振に加えて、インドに投入したブリオの苦戦などから、4-6月期の決算直後には大幅に値を下げました。投資家は米国秋に発売される新型アコードの成功の可否を注視しているとも言われています。
ホンダの国内向け車種に目を向けると、新型軽自動車のN BOXの販売には好感が持てます。グローバル車種を縮小する一方で国内向け軽自動車へ重心をシフトする方針は、円高ゆえの効果的なディフェンシブ戦略とも考えられ、下値リスクの低い投資対象として注目したいです。