BMW X1は、X3とX5の下位にあたるSUVスタイルの車だ。本格的な踏破性などのSUV特有の性能を磨いたというよりも、都会のオンロードでの使い勝手やプレミアム感が魅力だ。
X1は都市生活者のためのオシャレなSUV車
使いやすい全高が魅力
X1に設定された1545mmの全高は一般的なSUVカテゴリーの車種からは大きく外れる規格ではあるが、都会の立体駐車場でも止められるように考えられてある。オシャレにSUVテイストの車に乗りたい都市生活者をターゲットに開発されたのがよくわかる。
最近はミニバンが一般化してしまい、BMW1シリーズ等では室内の広さに不満を持つ顧客もいるだろう。しかし、X1であれば高めの全高による広い室内はアピールポイントになるはずだ。
着座位置も一般的なSUVよりも低く、乗り降りもしやすくユーザーからの口コミ評価が高い。
特に日本での使用を考えると、サイズ的にマッチする顧客も多く、ヒット車種になりそうだ。
後席とラゲッジルーム
後席は4:2:4の3分割可倒式が採用され、使い勝手も考慮されている点は評価が高い。前席だけでなく後席にもセンターアームレストが装備されている。ラゲッジ容量は5名乗車時で420L、2名乗車時は1350Lとなっている。ラゲッジルーム下には収納スペースを設けるなど、工夫も凝らされている。
直6エンジンも選択できる
今や希少になってしまった直6エンジンの設定があるのも、X1のアドバンテージとなっている。最近の6気筒エンジンは多くがV型になっているが、BMWは伝統の直6に拘りのある自動車メーカーだ。直6ならではのシルキーで艶のある回転フィーリングはクルマ好きにとって魅力的だ。
X1に内包されたBMW拘りのテクノロジー
口コミによる実燃費評価
まずカタログスペックの燃費性能だが、18iの10・15モード燃費が11.4km/L、JC08モード燃費が9.9km/Lとなっている。一方、25iについては10・15モードが10.8km/L、JC08モードで9.8km/Lとなっている。
ユーザーからの実燃費の口コミでは18iのモデルで7~10km/Lの報告が多い。一方、25iでは7~9km/Lの実燃費報告が多くなっている。
エンジンフィールが魅力的
グレードは大きく分けて2タイプ設定されている。
一つ目が、3.0L直6 DOHCエンジン搭載モデルで駆動方式は4WD、25iグレードと呼ばれるもの。二つ目が、2.0L直4 DOHCエンジン搭載モデルで駆動方式はRWD、sドライブ18iグレードである。
価格、プレミアム感、走行性能はもちろん25iのほうが上級となるが、18iもなかなかのものだ。18iは25iに対し150kgの軽量化がされており、前後の理想重量配分において勝っている。さらにノーズの軽さはハンドリングを気持ちよくさせてくれる。実際、25iと18iを乗り比べてみてもパワーの違いは大きく感じさせない。軽い車体による18iの加速性能はすばらしかったしコーナリングも気持ちいい。
4WDでなければならない人やどうしても直6が欲しいという人以外は、18iがおすすめという口コミが多い。
25iのプレミアム感のある重厚な乗り味を取るか、18iのスポーティーな走りを取るかは悩み所になるだろう。
BMWこだわりのメカニズム
X1はエクステリアの良さに注目が行きがちだが、BMW最新のテクノロジーも密かに採用されている。電子制御式4WDシステム(xドライブ)はDSCと連動しており、コーナー時は内輪にはブレーキを外輪には駆動力を与えてアンダーステアを打ち消すなどのドライブをサポートする。そのシステムの仕上がりもスムーズで違和感がないことは評価に値する。
トランスミッションはステップトロニック付の6ATである。
サスペンション形式は、フロントがストラット式、リアが5リンク式が採用されている。