2006年のデビューから5年が経過しようとしているゼストについてレポートした。
ライバルのワゴンR、ムーヴに対してCVT化が遅れており、その分大幅な値引きが期待できる。
少々設計が古くても新車の軽自動車が中古車並の価格で買えるのなら、検討する余地は十分あるはずだ。
スペックと口コミからゼストを評価してみる
ゼストはNAエンジンのDグレード、
ライフは価格帯の近いGスマートプラス、
ワゴンRは価格帯が近く4ATモデルのFXリミテッド、
MRワゴンは全車CVTのためやや高いがその他の装備品が近いXグレードを比較対象にしている。
ゼスト、ライフ、ワゴンR、MRワゴンのスペック比較
メーカー | ホンダ | ホンダ | スズキ | スズキ |
車種 | ゼスト | ライフ | ワゴンR | MRワゴン |
グレード | D | G_スマートプラス | FXリミテッド | X |
車体価格 | ¥1,176,000 | ¥1,160,000 | ¥1,181,250 | ¥1,215,900 |
型式 | DBA-JE1 | DBA-JC1 | DBA-MH23S | DBA-MF33S |
駆動方式 | FF | FF | FF | FF |
全長[mm] | 3395 | 3395 | 3395 | 3395 |
全幅[mm] | 1475 | 1475 | 1475 | 1475 |
全高[mm] | 1645 | 1610 | 1660 | 1625 |
ホイールベース[mm] | 2420 | 2420 | 2400 | 2425 |
室内長[mm] | 1810 | 2005 | 2035 | 2120 |
室内幅[mm] | 1315 | 1295 | 1295 | 1285 |
室内高[mm] | 1340 | 1315 | 1275 | 1260 |
車両重量 | 890 kg | 820 kg | 830 kg | 810 kg |
エンジン型式 | P07A | P07A | K6A | R06A |
3気筒 | 3気筒 | 3気筒 | 3気筒 | |
SOHC | SOHC | DOHC | DOHC | |
トランスミッション | 4AT | 4AT | 4AT | CVT |
最高出力[ps/rpm] | 52 / 6700 | 52 / 7100 | 54 / 6500 | 54 / 6500 |
最大トルク[kgm/rpm] | 6.2 / 3800 | 6.1 / 3600 | 6.4 / 3500 | 6.4 / 4000 |
10・15モード燃費 | 21.0 km/L | 22.0 km/L | 21.0 km/L | 25.5 km/L |
ゼストの車体サイズ特徴
ザックリ言えばホンダのゼスト:ライフはスズキのワゴンR:MRワゴンに相当するだろう。
ホンダ車種の全高は各々がスズキ車種と比較して1.5センチ低くなっており、これはホンダお得意の低床化技術が活かされている。
比較対象の全ての車種は軽トールワゴン車に属する。車体サイズはどれも似たり寄ったりで、並べて見なければ大きさの違いはわかりにくい。
ゼストは室内が狭いのが弱点
ゼスト、ライフのホンダ車は車体の全高が低いにも関わらず室内高に余裕があるのが特徴だ。ゼストの室内高はワゴンRに対して65mmも高い。ワゴンRでも不足に感じることはなかった頭上空間がさらに広くなり、ミニバン並の開放感があるのが特徴だ。ライフに関しても同様にMRワゴンと比較して+55mmの室内高となっている。
頭回りの空間に余裕があり開放感のあるホンダ車だが、室内長に関して言えばスズキ車に劣っている。やや設計の新しいライフはスズキ車並みの室内長を持っているが、ゼストはワゴンRと比較して225mmも短い。開放感は演出しているものの。今時の軽のハイトワゴン車としては狭い寸法だ。
ゼストは後席も欠点
ゼストの後席シートは座面、背もたれともに小さく大人は長時間座れない。広い頭上空間のおかげで大人が座っても窮屈な感じはしないが、ちょっとした腰掛け程度のもので満足することはできない。
ゼストのリアシートはリクライニング機能こそ装備しているが、スライド機構はなく荷室を広げることもできない。ライフもリアシートはスライドできない。
残念なホンダ車に対してワゴンR、MRワゴンのスズキ車は同価格帯のモデルであれば、後席スライドは装備している。
エンジン、トランスミッション
ゼストのNAエンジンモデルはかなり遅い。速度域の高い道路であれば、交通の流れに乗るのがストレスだ。ターボエンジン車が欲しいところだが、コストアップを考えると敢えてゼストを選ぶ理由がなくなる。比較4車種の中でダントツで重い車体重量と4ATトランスミッションではしかたのない結果だろう。4ATの自然な加速感はあるが、改善が進んだ現在のCVTと比較すれば、4ATのフィーリングは今やメリットとは言えないだろう。
ライフ、ワゴンRはエンジンフィールこそ違いがあるものの、ほぼ同等の加速感だ。ワゴンRは通常はCVTモデルを選択することが多い。CVTモデルのワゴンRであれば、交通の流れに乗るのはさらに楽だし燃費もいい。
MRワゴンは新型エンジンとCVT、さらに最も軽い車重という好条件だけあって、加速も十分で実用燃費もワンランク上だ。
ゼストの長所
ゼストの長所は後席を倒した時の荷室だ。床面が低く高い室内高は、大きい荷物の出し入れがしやすい。床面もフラットだ。リアハッチの開口高さは1020mmもある。
こんな人にお奨め
ゼスト
ゼストは人だけでなく、荷物の出し入れも重視したい人にお奨め。例えば、平日は人を運ぶ短距離の足として、休日は趣味で沢山の荷物を積みたい人に最適だ。
細かい部分で性能や使い勝手が悪いが、あまり距離を乗らない人にとっては大きな問題ではないだろう。
値引きが期待できるので、安く軽自動車の新車を手に入れたい人は見積りだけでも取るべきだ。
ライフ
ライフは広い室内で安い軽自動車が欲しい人にお奨め。
ライフも値引きが期待できる車種だ。
安くて広い室内の軽自動車が欲しい人は見積りを取ってみよう。
ワゴンR
ワゴンRは万人にお奨めできる軽自動車だ。
現行モデルのエンジンK6A型はスズキでは既に旧型であり、新型エンジンR06Aにモデルチェンジする時期には旧型エンジン搭載モデルの大幅値引きが予想される。
MRワゴン
MRワゴンは新しいモノ好きにお奨め。
新型としてデビューしたばかりのMRワゴンは性能や使い勝手はワンランク上だ。値引きは比較4車種の中で最も期待できないが、しばらくすると、OEM車の日産モコが新型デビューする。スズキの新型MRワゴンと姉妹車の日産の新型モコと同時に見積りして、競合させれば値引きも期待できる。