新型86/BRZは差別化がテーマ、フルモデルチェンジ情報
トヨタ・86、スバル・BRZのフルモデルチェンジが進行中となっている。共通の水平対向エンジンを搭載するFRスポーツカーとして2012年に発売された姉妹モデルであるが、新型は差別化が大きなテーマの一つでもある。
86とBRZの差別化については初代モデルでもいくらか実施されてきたが、内外装の細部の違いやサスペンション設定といった、味付け程度の範囲に留められていた。
次期型では、より明確なキャラクター分けが求められており、後出しとなる86の最終調整が長引いている。
エンジンはFA24型を搭載、プラットフォームはキャリーオーバー
ただしそれでも次期型の86とBRZが姉妹車であることには変わりがない。
共通となる搭載エンジンは、新開発の2.4L NA(FA24型)が採用される。
従来型の2.0L NA(FA20型)からは排気量アップということになる。
プラットフォームは従来型からのキャリーオーバーながらも大幅に改良を受ける。
BRZの6速ATにはアイサイト採用
トランスミッションは6速MTと6速ATが用意される。BRZの6速ATモデルにはアイサイトが搭載される見込みで、これはスバル側が仕掛けた差別化の一つである。
BRZは2021年夏発表、86は遅れる
新型BRZの米国仕様は2021年秋に発売されることが予告されている。日本仕様のスケジュールもこれに準じたものが想定され、2021年夏にも発売日を迎える見込み。先行予約の受付など実質的なセールス活動はもう少し早い段階から始まるだろう。
一方で新型86はデビューが遅くなり、2021年秋の発売が予告されている。
先に発表されたBRZ北米仕様を見ていく
新開発2.4Lエンジンは北米向けアセントのNA版
プラットフォームがキャリオーバーということなので、スポーツカーらしい低いボンネットフードからなるロングノーズも継承される。近年は歩行者安全に関わる法規への対応で、ふっくらとしたエンジンルームを持つ車種が多いが、高さ方向の寸法を抑えられる水平対向エンジンならではの特性がスタイリングに生かされている。ただし、これは過給器が搭載できない、という欠点も継承されることになる。
一方で、主力市場の一つ、北米においては初代型の2.0L NAエンジンではパワーが足りないという不満が多かった。ターボ車を望む声が以前からあったわけだが、それは前述の理由でできない。スバルは、より高出力なエンジンとして、北米向けSUVのアセントに搭載してきた2.4Lターボエンジンを持っており、これを自然吸気化させたものが、次期86/BRZに搭載された。
新開発2.4L NAエンジンは最高出力235ps、最大トルク25.5kgmといったスペックとなる。
従来型FA20型エンジンは同207ps/21.6kgmであるから、大幅なパフォーマンスアップとなった。
トランスミッションは6MTと6ATが用意される。
プラットフォームはキャリーオーバーながらも大幅改良
近年のスバルのラインアップでは、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)と呼ばれるFF/AWD車向けの共通プラットフォームがインプレッサ、レガシィなど幅広い車種で採用されてきた。新型BRZでは、このSGPでの技術が、基本骨格の改良において応用されている。
フロント横曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%を従来型から向上させており、これらはインナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用で実現された。
また、ルーフ、フード、フロントフェンダーにアルミ素材を導入することによる軽量化も図られている。
米国仕様は「Premium」「Limited」の2グレード
米国仕様で発表されているグレード展開は2つ。
- 「Premium」は17インチタイヤ(215/45R17)
- 「Limited」は18インチタイヤ(215/40R18)ミシュラン パイロットスポーツ