今回の記事は、開発が進められる次期86/BRZについての話題です。
現行型は2012年にトヨタスバルの共同開発モデルとして販売がスタートし、8年が経過。今年2020年3月、コロナ騒動の最中には「86ブラックリミテッド」が限定86台で販売され、モデル末期らしい販売体制に移っていた。
86/BRZの現行型生産は終了
そして現在、既に現行型86/BRZの生産は終えている。このまま順調に在庫が減っていけば、両モデルは一旦カタログ落ちとなり、トヨタ、スバルのラインナップに穴を開けることになるだろう。
ファンからすれば、次期モデルの存続が心配される状況に向かっているわけだが、そもそも86/BRZは供給が途絶えることが許されないような普及型の車種ではない。
次期型の開発は、商品化に向けて着実に進められており、このあたりは安心して待っていてよさそうである。
二代目モデルは北米ニーズを重視した設計になる
さて、次期86/BRZ、2代目モデルは、どういったキャラクターの車種になるのか。基本的には、市場のベクトルが北米に向けられ、モアパワーの要望に応えた性格が与えられる。
搭載されるエンジンは、もちろんスバルの水平対向。排気量は現行2.0Lから2.4Lへ拡大するというのが、現在のところ可能性が高い。
初代モデルのコンセプトであったライトウェイトスポーツという日本市場的な定義からは、やや外れてしまうことになるが、北米頼みでもしなければモデルネームの存続が危うくなるというのが実情だろう。
プラットフォームは初代型のキャリーオーバーの可能性
次期86/BRZを語るに当たって、予想が迷走していたのがプラットフォームである。自動車に求められる基本性能が高くなった昨今、プラットフォーム開発に必要な費用も大きくなっている。トヨタではTNGA、スバルではSGPといった共通プラットフォームがあり、基本骨格や主要部品を共通化することで高性能化とコストダウンを両立させてきた。これは現代の自動車開発には欠かせない概念であり、次期86/BRZについてもトヨタ系、あるいはスバル系のグローバルプラットフォームの中に取り込まれていくのでは、という予想も立てられていた。
しかし、SGPはFFベースである。TNGAについてはFR対応もできるが水平対向エンジンとの適合までは想定されていないだろう。
そんななか取られた策は、現行型プラットフォームの流用である。もちろん2代目モデルに相応しい改良が施されることになるはずだ。
プラットフォーム継続ということは、軽量FRスポーツ路線も維持
現行型プラットフォームの流用は新規開発のコストを抑えた方策ではあるが、見方を変えれば、北米市場に完全に適応した極端な大型化も無い、ということになる。そういう意味では、プラットフォーム継続はむしろ歓迎すべきかもしれない。
ホイールベースについても現行型2570mmが維持される見込みである。
ターボエンジンの搭載が難しい弱点も恐らく継続
小さな車体と、近年、安全法規上で難しくなったスポーツカーらしいロングノーズも維持される。しかしこれは、過給器がエンジンルームのスペース上の理由で搭載できない、という欠点も継承されることになる。そういったことから前述した搭載予想エンジンの水平対向2.4Lは、ターボではなくNAとなる見込み。スバルでは北米向けSUVのアセントで2.4Lターボエンジンを採用してきたが、次期86/BRZの2.4Lエンジンは、この自然吸気仕様となるだろう。
アイサイトはスバル全車適応へ
このほか、装備面ではアイサイトが採用されることになる。他のスバル車種と同じく、ステレオカメラ等を使ったシステムにより安全運転支援システムが提供される。
新型86/BRZは来年2021年のフルモデルチェンジ発売が予想される
新型86/BRZの発売は2021年が予想される。当初は2021年初頭の発売を期待する声もあったが、コロナの問題もあり不透明な状況である。遅くとも2021年秋の東京モーターショーには、間に合っていて欲しい。