スバルは新型BEV「SOLTERRA(ソルテラ)」を世界初公開した。
新型ソルテラは、トヨタのbZ4Xと姉妹車種の関係にある。
フロントはスバルならではのヘキサゴングリルを引き継いだデザインが採用される。ランプ類はフロント、リアともコの字のデイタイムランニングライトが置かれており、ひと目でスバルのクルマだとわかる外観に仕上げられた。
ボディサイズは全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mmで、このあたりの仕様はbZ4Xと同じ。
また、従来モデルではフォレスターと近いサイズ感になるが、長さと幅に関してソルテラがわずかに大きい。全高については、ソルテラが床下バッテリーを積載しているにも関わらず、フォレスターより低くなっている。室内空間の上下は、ソルテラはややタイトになっているようだ。
EV航続距離530kmを達成
EVバッテリー容量は71.4kWhで航続距離はWLTCモードでFWD車が530km、AWD車が460kmとしている。
直接的なライバルとなるのが、既に発売中のBEVの日産・アリアである。アリアは2種類のバッテリー容量、66kWhと91kWhをラインアップすることで航続距離として430~610kWhを設定し、幅広いユーザーニーズに応えている。
「ソルテラ」の車両概要
エクステリア・インテリア
エクステリアは、シームレスな造形のヘキサゴングリルでBEVらしいエネルギー効率の良さが表現された。グリルから始まる水平軸が通ったボディ、そして内側から張り出したダイナミックなフェンダーが、SUVらしい力強さを主張する。
インテリアは、高さを抑えたインパネ造形と、ステアリングホイールの上から見るインパネ上部に配置したトップマウントメーター(SUBARU初採用)により、開放的な空間が実現される。
e-SUBARU Global Platform
Subaru Global Platformで培った知見を活かし、BEV専用プラットフォームとしてトヨタとe-Subaru Global Platformが共同開発された。 e-Subaru Global Platformによって、操縦安定性が高く、ドライバーのステアリング操作に対してリニアに反応する、スバルらしい動的質感の高い走りが実現される。
また、BEVならではの構造として、車体下部に大容量バッテリーを搭載し、そのバッテリーを骨格の一部としても活用することで、低い重心高と、高いボディ強度・剛性が実現された。
走行性能・AWD(全輪駆動)システム
BEVならではのAWDシステムとして、前輪と後輪をそれぞれ別のモーターで駆動する新システムを採用。スバルが長年蓄積してきた4つのタイヤを緻密に制御する技術と、モーターだから可能になった高い応答性や自在な前後駆動力配分を活かし、4輪のグリップ力を最大限に使った安心感の高い走りが実現される。
また、従来のSUBARU SUVモデルと同様に、悪路での安心感を高めるX-MODEを採用。新たに、悪路でも車両を安定させながら一定速度での走行を可能にするGrip Controlを追加することで、走破性がさらに強化されている。
安全性
ボディ各部位の骨格形状の工夫や材料強度の最適化により、軽量化と、高い衝突安全性能の両立が実現された。
万が一の衝突の際は、複数のボディ骨格に荷重をスムーズに伝達する構造で効率的に衝突エネルギーを吸収。乗員を守ることはもちろん、高い安全性が求められるBEV特有の高電圧機器もしっかり保護されている。
ソルテラの主な諸元(日本仕様、社内測定値)
FWD車 | AWD車 | ||
全長×全幅×全高 (mm) | 4,690×1,860×1,650 | ||
室内長 (mm) | 1,940 | ||
室内幅 (mm) | 1,515 | ||
室内高(mm) | 1,160(ノーマル/ソーラールーフ仕様) | ||
1,145(ガラスルーフ仕様) | |||
乗車定員(人) | 5 | ||
ホイールベース(mm) | 2,850 | ||
最小回転半径(m) | 5.7 | ||
最低地上高(mm) | 210 | ||
車両重量(kg) | 1,930~ | 2,020~ | |
車両総重量(kg) | 2,205~ | 2,295~ | |
一充電走行距離(WLTCモード、日本国内向け基準)(km) | 530前後 | 460前後 | |
モーター | 種類 | 交流同期電動機 | |
最大出力(フロント)(kW) | 150 | 80 | |
最大出力(リヤ)(kW) | – | 80 | |
最大出力(システム)(kW) | 150 | 160 | |
動力用電池 | 種類 | リチウムイオン電池 | |
総電力量(kWh) | 71.4 | ||
総電圧(V) | 355 | ||
AC充電器最大出力(kW) | 6.6 | ||
DC充電器最大出力(kW) | 最大 150 | ||
ステアリング | ラック平行式電動パワーステアリング | ||
サスペンション形式 [前/後] | ストラット式コイルスプリング/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング | ||
ブレーキ [前/後] | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | ||
駆動方式 | 前輪駆動方式 | 全輪駆動方式 | |
ホイール | 18インチホイール | 18インチホイール | |
20インチホイール | |||
タイヤサイズ | 235/60R18 | 235/60R18 | |
235/50R20 |
新型ソルテラは、新開発e-スバルグローバルプラットフォームとシンメトリカルAWDを採用
スバル初のSUVボディのピュアEVであるソルテラは、これまでで最も技術的に進んだスバル車となる。新開発のe-スバルグローバルプラットフォーム上に構築されたまったく新しいSUVは、十分な後部座席と荷室が提供される。
先進安全技術を搭載した、多用途で有能なソルテラは、伝説的なスバル シンメトリカルAWDと十分な最低地上高による、スバルSUVのDNAから構築されている。
ソルテラは日本市場を含めたグローバルで2022年央までに発売
ソルテラはCセグメントクラスSUVモデルのEVに仕上げられる。
アセント(北米)、アウトバック、フォレスター、SUBARU クロストレック(XV)からなるスバルのSUVラインアップに加わる新たな選択肢として、2022年年央までに日本、米国・カナダ、欧州、中国等での発売が予告されている。
ソルテラに採用されるのは、スバル&トヨタが共同開発したEVプラットフォーム
ソルテラに採用されるプラットフォームは、スバルとトヨタが共同開発したもので、フロント・センター・リヤなど数種類のモジュールやユニットを組み合わせることで、様々なバリエーションのEVを効率的に展開することを可能とする。
従来からスバルが目指してきた高い衝突安全性や優れた操縦安定性をEVでも実現すべく、トヨタとともに開発が進められる。
ソルテラの開発は、この新型プラットフォームだけでなく、商品企画、設計、性能評価などの多岐に渡ってスバルとトヨタが共同で行っており、スバルが長年培ってきたAWD技術とトヨタの持つ優れた電動化技術を活用するなど、両社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力を持つ新しいSUVづくりが取り組まれている。
「SOLTERRA(ソルテラ)」という名称は、ラテン語で「太陽」を意味する「SOL(ソル)」と、「大地」を意味する「TERRA(テラ)」を組み合わせた造語である。優れた操縦安定性や高い走破性を誇るAWD性能を備え、行く先を選ばない「安心と愉しさ」を提供するスバルらしいSUVという特長を持つ。