次期インプレッサ、6代目モデルは2023年前半頃の発表が予想される。
その初期モデルに搭載されるのは、現行型キャリーオーバーのFB16型、FB20型、FB20型 e-BOXERが有力な候補となる。そして、モデル中期のタイミングでの追加設定が期待されるのが、新開発のCB15型エンジンである。
次期インプレッサは、CB15型の搭載が期待される
スバルでは従来2.0Lクラスエンジンからのダウンサイジングターボとして、水平対向4気筒の1.5Lターボ(CB15型)が開発中となっている。開発が間に合えば、次期インプレッサから搭載される可能性がある。
CB型エンジンについては、2020年より1.8L版のCB18型が、レヴォーグ、フォレスター SPORT、レガシィ アウトバックで搭載実績がある。ツインスクロールターボによる過給器の装備と、リーンバーンが採用され、熱効率は40%に達する。
CB18型の1.5L版となるダウンサイジングエンジン、CB15型の次期インプレッサ搭載が予想される。
CB型エンジンの最大の特徴は、ボアピッチの縮小化である。従来型インプレッサに搭載されてきたFB16型や、FB20型などでは、大排気量の2.5L版(FB25型)が存在することもあり、ボアピッチは113mmとしてきた。これに対し、CB型ではボアピッチは98.6mmと短く設定され、小型軽量化が図られている。
ボアピッチの縮小は、クランクシャフトを強度低下させることなく小型化する必要があり、開発に相当なコストが必要であったことは想像に難くない。つまり、CB18型の1.8Lだけでは適用車種が限られ、開発コストが合わないのでは、という考え方があり、他の排気量への展開が期待された。
排気量のラインアップを増やすとなれば、ボアピッチを縮小させた関係もあり、ボアアップによる大排気量化は困難である。逆に、1.8Lから排気量をダウンさせるのは容易である。
こういった一連の理由もあり、1.5L版のCB15型が後に控えていることは、CB18型の開発段階から予想されてきており、これについてスバルも否定はしてこなかった。次期インプレッサに、新開発CB15型の搭載を期待する声も高まるわけである。
また、次期インプレッサの電動パワートレインとしては現行型キャリーオーバーの2.0L e-BOXERが採用されるだろう。
トランスミッションはリニアトロニックCVTの採用となるが、レシオカバレッジ(変速比幅)の拡大は期待されるところである。
インプレッサが「新開発」水平対向エンジンを搭載できるのは次期型が最後か
厳しくなる排ガス規制のなかで、水平対向エンジンは一般的な直列エンジンよりもその存続が難しいとされる。
例えば、ロングストローク化も環境性能を向上させるアプローチの一つであるが、最新エンジンCB18型のボア×ストロークは80.6mm×88.0mmで、ボアストローク比としては1.09となる。これは水平対向エンジンとしては、大きな値だろう。しかし、トヨタの直列エンジンのM15A型やM20A型はボアストローク比が1.21にも達している。
また、水平対向エンジンは3気筒化ができない。このことは、排気量1.5L前後のエンジンパワーが最適なインプレッサ クラスの車種において、水平対向エンジンの搭載継続を難しくさせる。一般的に環境性能を重視したとき、一気筒あたりの排気量は500cc前後が最適と考えられている。これは前述のトヨタM15A型だけでなく、BMWのB38型などグローバルを見ても同じ考えで進んできている。
2021年4月の上海モーターショーでは、スバル&トヨタ合作のEVコンセプト、bZ4Xが発表された。スバルからは独自エクステリアで、SOLTERRA(ソルテラ)のモデルネームで市販化されることになる。
さらにソルテラは北米で2023年モデルであることが宣言されており、つまりその発売時期は2022年となる。まずは中型SUVのカテゴリで、スバルはピュアEVの市販モデルを出してくるわけだ。(トヨタ生産ではあるが。)
将来のクロストレック(XV)、インプレッサといった1.5Lクラス車の一部グレードでは、EVパワートレインのラインアップが予想される。(しかし、早くとも次々型となるだろう。)こういった脱炭素化へのプレッシャーの中で、現在開発中のCB15型を最後に、これの次の世代の水平対向ガソリンエンジンは、もう開発していくのが難しいのではないかと憂慮される。