ホンダはバッテリーEVの「HONDA e」を2024年1月をもって生産終了することを発表した。生産分が売り切れ次第、販売終了となる。
「HONDA e」の前身となるコンセプトカーは、フランクフルトモーターショー2017で発表された「Urban EV Comcept」である。N360をはじめとする、丸目ヘッドランプのデザインを後継する、ホンダらしい小型ハッチバックカーの姿が公開された。
その後、ジュネーブモーターショー2019では、プロトタイプが公開され、市販型に近い姿を初めて見ることができた。
BEVに偏重しつつあった欧州市場に向けた商品であったが、東京モーターショー2019では国内公開されたことで、日本発売も確定的となった。
2020年には、ホンダ初の量産BEVとして欧州、日本で発売された。
販売目標はグローバルで10000台、国内で年間1000台という低い水準にも関わらず、未達であった。発売からの累計で国内販売が1762台、グローバル販売が11,987台としており、この販売不振が早期生産終了の原因となっていそうだ。
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ホンダeは市街地で運転しやすい、コンパクトで小回りが利く
Honda eのボディサイズは、欧州仕様のスペックによると、全長3894mm×全幅1752mm×全高1512mm。ホイールベースは2530mmとなる。需要が高いBセグメントハッチバックカーとして仕上げられた。
バッテリー容量が35.5kWhと少なめに設定されているのも特徴の一つ。
フル充電からの航続距離は200km程度と短いものが想定されるが、Bセグメントカーに求められるシティコミューターとしての役割を果たし、なるべく低価格に抑えることが目指された。
後輪駆動であることも特徴の一つ。そのメリットを活かし、最小回転半径は4.3mとかなり小回りが利く。ちなみに全く同じホイールベース長を持つ3代目現行フィットの最小回転半径は4.7mである。
このほか欧州仕様によると、最低地上高として145.2mmが設定される。
駆動モーターのスペックは、
最高出力 136ps、
最大トルク 315Nm、
最高速度 90mph(約145km/h)となる。
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Honda eの車両本体価格は消費税込みで495万円
Honda eの車両価格については、これまでの一般的な量産EVよりもバッテリー容量を少なくして、低価格化したということであるが、それなりのプライスとなりそうである。
ドイツ価格は2万9470ユーロ、イギリス価格2万6160ポンドと、発売当時のレートでは、日本円換算にして約360万円が設定された。日本仕様は495万円でラインアップされた。
エクステリアは、1967年発売のホンダN360をルーツとしたような、丸目のヘッドランプユニットが特徴的。このクラシックスタイルのボディ形状により、Aピラーは近年のトレンドよりも立たされている。これに加えて、ドアミラーがカメラ式となっているため斜め前方の視界が非常に良い。もちろん斜め後方視界は室内モニターによって映し出された映像により、死角が大幅に減らされている。これら視界の良さからくる運転のしやすさは、アピールポイントとなりそうである。
ポップアップ式の前席ドアハンドルも特徴の一つで、展示車両を開けてみた。
このショーモデルでは、ドライバー側ドアの場合、ドアハンドル右端を指で押すことでハンドル引き手が出てくるシンプルな構造であった。市販型では、ハイブランド車のクーペモデルにありがちな電動ポップアップ機構の装備も期待したい。
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ホンダe インテリアの質感は上々、後席とラゲッジの容量不足は妥協が必要
ホンダeのファブリックシートは、高級感こそ薄いが決して安っぽくはない。北欧家具のソファーのような質感である。
木目調パネルもインテリアデザインのなかで占める面積が大きいが、例えばトヨタの上位グレードにありがちなプレミアムイメージを連想させる光沢感は出されておらず、ファブリックの素材にマッチしたナチュラルな印象に仕上げられている。
ダッシュボード左右いっぱいに配置される液晶ディスプレイは、いかにも次世代カーに乗っている気分にさせられる。
中央のエアコンコントローラーのデザインもなかなか特徴的、昭和時代の軽トラに装備されていたラジオ風でレトロイメージを意図的に狙ってきた感じがする。
その下にはAC100V電源、USBポート、HDMI端子があり、最近のデバイスであれば、あらゆるものと接続可能となるだろう。
後席シートはBセグメントカーのなかでもタイトな印象。日常の短距離移動が主目的であるから、3名以上乗車の快適性については割り切られている。グレーのシートファブリックとブラウンのシートベルトとのカラーコーディネートが、上品さを感じさせる。
ラゲッジルームはかなり狭い。後輪駆動ということで、おそらくこの下にはパワートレイン関連の一部があるはず。ラゲッジに深さが足りない。さらにフィットと比較して全長が約10センチ短いということもあってか奥行きも足りない。ラゲッジ広さは、Bセグメントカーの標準容量よりも少なく感じる。リアシートは可倒式ではあるが、左右分割に対応していない。2名以下乗車であれば、ラゲッジの拡大が可能となる。
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HONDA e まとめ
まとめ更新日: 2023/12/15
- 2020年に欧州と日本で発売
- 2024年1月に生産終了を発表
- 早期生産終了は、販売不振が原因か