トヨタは、グランエースの生産終了を2024年10月23日に発表しました。実質的には、2024年4月に生産終了していましたが、今後再開される予定がないことになります。
グランエースは、東京モーターショー2019のトヨタ車体ブースで初公開され、アルファードやヴェルファイアよりも大きなミニバンとして注目を集めました。約5年間の販売期間を経て、商品ラインナップから外れることになります。
昨今では、マイナーチェンジや4WDモデルの追加が期待されていたものの、販売台数は伸び悩みました。2023年にはアルファードとヴェルファイアが40系へフルモデルチェンジを行い、レクサスLMの日本導入など多人数乗車モデルが拡充される中で、グランエースは市場から淘汰される状況となっていきました。
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グランエース マイナーチェンジはしばらく無い?4WDモデルを期待する声
トヨタが誇る大型高級ワゴン「グランエース」は、その堂々たるサイズと豪華な装備で多くの注目を集めています。しかし、その一方で「なぜ4WD(四輪駆動)が設定されていないのか?」という疑問と要望を持つ方も少なくありませんでした。
グランエースに4WDが設定されない理由
まず、グランエースは2019年に新興国向けに販売を開始したハイエース(H300系)をベースにしています。このハイエースは基本的にFRを採用しており、そのプラットフォームを活用したグランエースも同様にFRとなっています。FRはハンドリングの安定性や高級感を演出するのに適しており、グランエースのコンセプトである「フルサイズワゴン」としての快適な乗り心地を実現するために選択されています。
また、グランエースはそのサイズと重量から、車両総重量が3トンを超える非常に重い部類に入ります。これにより、駆動系やサスペンションの設計・開発において4WDを追加することは技術的なハードルが高く、コストも大幅に増加する可能性があります。そのため、4WDの設定が見送られていると考えられます。
今後もグランエースに4WDが発売される可能性が低い理由
グランエースの主なターゲット層は、高級ホテルの送迎や富裕層向けの少人数ツアーなど、快適性と高級感を重視する用途です。これらの用途では、一般的に舗装された道路を走行することが多く、4WDの必要性が低いとされています。
さらに、トヨタのラインアップには既に4WDを備えた大型車種が存在しており、需要に応じた選択肢が提供されています。市場の需要や製品ポジショニングを考慮すると、グランエースに新たに4WDを設定するメリットは限定的であると言えるでしょう。
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グランエース搭載1GDディーゼルエンジンの認証問題と出荷再開
グランエース、エグゼクティブパワーシート4席モデルは650万円から
新型グランエースは、フィリピンなどで先行販売される新型300系ハイエースがベースのラグジュアリーミニバンとして日本で販売される。東京モーターショー2019でも出品を果たしており、映像は同ショーのトヨタ車体ブースで撮影したものとなる。
グランエースのグレード構成と車両価格
2グレード構成で車両価格は以下の通り。
まずはGグレード8人乗り仕様の4列シート車、エグゼクティブパワーシートは2列目の2席のみ採用で消費税込み620万円となる。
そして、Premiumグレードは6人乗り仕様、2列目と3列目の4席でエグゼクティブパワーシート採用となる。車両価格は消費税込み650万円に設定された。
これまでトヨタの大型ミニバンといえば、アルファード、ヴェルファイアがあったが、新型グランエースはこれらよりも一回り大きなサイズのミニバンということで注目されてきた。ベース車両がハイエースということで、ボディサイズの割にはリーズナブルな車両価格を期待する声もあった。しかし、300万円台中盤から用意されるアルファード、ヴェルファイアよりも新型グランエースのほうが概ね高いという結果となった。
またアルファード、ヴェルファイアには車両価格700万円を超えるExecutive Loungeグレードの設定があり、こういったミニバン高級モデルを比較対象とされることもあるだろう。
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新型グランエースは全車2.8Lディーゼル搭載、年間販売計画は僅か600台
パワートレインは全車2.8Lディーゼル採用で、ガソリン車、ハイブリッド車などは用意されない。
駆動方式はFR、トランスミッションは6速ATとなる。
燃費性能はWLTCモードで10.0キロとボディサイズを考えれば優秀ではあるが、やはり一般向け車種として選ばれるには、求められる性能のミスマッチを感じる。
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グランエースのボディサイズ
新型グランエースのボディサイズは、
全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mm、
ホイールベースは3210mm。
アルファード/ヴェルファイアとの比較では、
全長+355mm
全幅+120mm
全高+55mm
ホイールベース+210mm
といったサイズ感となる。
これだけ大柄なボディサイズながらも最小回転半径は17インチタイヤ装着で5.6mと小回りが利く。このあたりFRプラットフォームのメリットを感じる部分である。
全幅1970mmについては、やはりファミリー向けとして考えるには大き過ぎる。アルファード、ヴェルファイアがファミリーミニバンとしては、これからも人気となりそう。
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エクステリア
エクステリアは、商用ベースというだけあって、プレミアム感を出していくのが難しいところ。室内空間を重視したスクウェアなボディ形状を生かし迫力のある雰囲気に仕上げられた。各所のガーニッシュ、スポイラー類もやりすぎた感じがせず、送迎車としても使いやすいイメージである。中国モデル、レクサスLMシリーズのような取って付けたようなスピンドルグリルよりも馴染みやすいと感じる。
インテリア
インテリアもやはり商用ベースというだけあって機能性重視、無骨さを感じるものとなる。デザインに先進性が薄い。木目調パネルを多用するなど、トヨタ車らしい古典的手法でプレミアム感が出されている。
足元、床面がフラットになっているが、この下には、プロペラシャフトが存在する。FR駆動が採用されているのも新型グランエースの特徴の一つ。
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グランエースのシート配列
シート配列は2種類。
3列6人乗り仕様はキャプテンシートが2列目、3列目の全てに備わる。そして4列8人乗り仕様では、キャプテンシート2列目に設定される。
2列目以降のエグゼクティブパワーシートは大型でクッション性も十分。オットマン付きでかなり寛げる。高剛性ボディのほか、新開発トレーリングリンク車軸式リアサスペンション、防振遮音対策によって快適なエグゼクティブな移動が提供される。
このほかインテリアではLEDサイドカラーイルミネーションが装備される。
夜間走行時に落ち着きのある雰囲気が演出される。
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グランエース モデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2024/10/29
- 東京モーターショー2019 トヨタ車体で発表
- 2019年12月 発売
- 搭載される1GD-FTV型ディーゼルが、豊田自動織機の認証不正の対象により出荷停止
- 2024年3月4日より販売再開
- 2024年4月で生産終了