トゥアレグハイブリッドはVW初のパラレルHV搭載SUV
フォルクスワーゲン社のトゥアレグハイブリッドは、トゥアレグの2世代目に当たり、2010年にフォルクスワーゲンで初めてハイブリッドが導入されたとして注目を集めた。トゥアレグ自身は、高級セダンの乗り心地・本格的なオフロード性能・スポーツカーに匹敵するオンロード性能を高いレベルで融合させる、「3 cars in 1」をコンセプトに掲げられたモデルである。今回はトゥアレグハイブリッドのハイブリッド性能を注目してみよう。
トゥアレグハイブリッドのハイブリッドシステム自体は特に珍しいものではなく、エンジンとトランスミッションの間に電気モーターが配置されるパラレル方式と言われるものだ。メルセデスベンツのSクラスやBMWの7シリーズも類似のハイブリッドシステムを採用している。
トゥアレグハイブリッドに特有の強みとしては、電気モーターのみで走行できるということであろう。エンジンをクラッチで切り離すことができることによって可能となるフルハイブリッドシステムは、他には日産のフーガなどがある。
トゥアレグハイブリッドは、V6 3.0L搭載のハイパフォーマンス
さらにトゥアレグハイブリッドのおもしろい点としては、エンジンがV6 3.0Lと、ハイブリッド車としては破格のハイパフォーマンスを誇るところであろう。セダンなので単純比較はできないが、日本人おなじみのトヨタプリウスとは比較にならないほどである。
実はこのエンジンが、トゥアレグハイブリッドのスポーツカー並みの走り心地をハイブリッドシステムで実現したキーになっている。実際に走ってみると分かるが、加速はあくまでエンジンが中心で、低速時とブースト時以外では電気モーターはあくまで補助的な役割をしているだけなのである。したがっていわゆるハイブリッド車とは一線を画す乗り心地が実に見事に実現されているのだ。
ニッケル水素バッテリーをラゲッジルーム下に装備。