次期【日産セレナ】フルモデルチェンジ2022年秋、1.5 VCターボ e-POWERとマイルドハイブリッド、2021年は現行型継続

セレナ

日産セレナのフルモデルチェンジが2022年秋頃に実施される見込みである。

セレナ e-POWER 東京モーターショー2017

現行セレナ e-POWER

ミドルクラスミニバンのライバル勢を見ていくと、トヨタ・ノアが2021年末あたり、ホンダ・ステップワゴンが2022年春頃のフルモデルチェンジを予定しており、2022年はミニバン戦争の勃発が避けられない状況だ。

次期セレナには1.5L VCターボ e-POWERを搭載予定

現行セレナは第一世代1.2L e-POWERの強化版を搭載

現行セレナに搭載されるe-POWERは、先代ノートに搭載された第一世代e-POWERをベースに、モーター出力のアップ、オイルクーラーの追加、パワーモジュールの強化、リチウムイオンバッテリーの増量などが盛り込まれ、ミニバンの重量増に対応したシステムである。ただし、その発電エンジンは基本的には先代ノートと同じで、直列3気筒1.2LのNAという仕様であった。

セレナ e-POWER フロントグリル

e-POWERは、「第二世代1.2L 」と「1.5L VCターボ」の2種類に

1.2L e-POWERは、2020年にフルモデルチェンジしたノートを皮切りに第2世代型に進化した。さらにe-POWERは、エンジンバリエーションが一つ増やされる計画となっている。これは2022年春に欧州キャシュカイに追加発売される1.5L VCターボ e-POWER搭載モデルの発表により明らかとなっている。

キャシュカイ

新型キャシュカイ

1.5L VCターボ e-POWERは、速度域の高い欧州での走行に対応したパワートレインと考えられ、新型エクストレイル欧州仕様への搭載も確定的となっている。

さらに、搭載モデルは欧州向けに留まらないようである。2022年1月発売のエクストレイル日本仕様への搭載も判明しつつあり、むしろこちらのほうが先にデビューしそう。そして、エクストレイルと同じ2.0Lクラス車である次期セレナへも、1.5L VCターボが搭載されることになるだろう。

ノートのe-POWERも、第1世代から第2世代にかけて、加速性能、静粛性能、インバーターの小型軽量化など広範囲に進化を遂げた。4WDモデルにおいてはリアモーターに50kWという本格的な出力性能が与えられた。また、ノートオーラではフロントモーターが85kWに増強されている。
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セレナがフルモデルチェンジで搭載のVCターボとは?可変圧縮比ターボは日産だけが量産化に成功した

VC-Tエンジン マルチリンク

2.0L VC-Tエンジン

日産だけが商品化に成功した可変圧縮比エンジンは、その2.0L版が海外仕様インフィニティQX50で先行導入されてきた。エンジンの回転数や負荷の状況に応じて、最も熱効率が高くなる圧縮比の設定が可能となり、高出力化と環境性能を両立することができる。高速度域を多用する欧州ならではのニーズ、あるいはボディサイズの大きな車種に適応させるため、VC-Turboの技術でe-POWERを補強したという見方もできるだろう。

2022年フルモデルチェンジ後もセレナに、マイルドハイブリッド車が継続の可能性

e-POWERの仕様に注目が集まる次期セレナであるが、ユーザーサイドでは低価格グレードが残されるのかも重要な問題だ。昨今の日産は、電動車メーカーとしてのブランドイメージを高めるため、パワートレイン選択肢をe-POWERあるいはEVに絞った新型車投入をしてきた。

キックス

キックス

昨年からの例でも、2020年発売のキックス、ノートはいずれもe-POWER専用車。さらに、次期エクストレイルにおいても、日本仕様のパワートレインは、1.5L VCターボ e-POWERのみとなる可能性が高い。車両の電動化は、値上がり幅が大きくなるというデメリットがある。

そんななか、次期セレナにおいては、低価格なマイルドハイブリッド車が存続されるかもしれない。

現行の日産のラインアップでは、3列シート車としてNV200もあるが、これは商用メインのモデルである。実質的には、現行セレナのMR20DD-SM24型を搭載するマイルドハイブリッド仕様が、ミニバン車種のボトムラインとして機能しており、無くてはならない存在となっている。

セレナ e-POWER

かつて日産にはラフェスタという下位モデルがあったが、自社生産車は2012年に終了している。その後は、マツダからプレマシーの車体供給を受けたOEM車種としてラフェスタは存続されたが、これも2018年に販売終了となっている。

ラフェスタハイウェイスター

ラフェスタ ハイウェイスター

そして、これを引き継ぐモデルとして登場が期待されていたのが、新型ノートの3列シート派生車種である。しかし、新型ノートの派生モデルについては、そのボディタイプについてあらゆる検討がされていたようだ。結局、発売されたのはプレミアム志向のノートオーラのみで、3列シート車の話は立ち消えしている。

セレナ

セレナのマイルドハイブリッド車は、ボディサイズ的に格下のコンパクトミニバン、トヨタ・シエンタ、ホンダ・フリードと競合させ、受注を勝ち取っている現状がある。日産がコンパクトミニバン車種を持たないまま、次期セレナが全車e-POWERとなれば、ここの販売台数を失うことになり、これは避けたいというわけだ。

日産 セレナ

ノートは全車e-POWER搭載のためエントリー価格は200万円を超えた。詳しくは、
日産ノートが3代目にフルモデルチェンジ、E13型登場

次世代e-POWERのセレナ搭載は次々回フルモデルチェンジか

日産は、開発中の次世代e-POWERを発表している。これは2025年の技術確立、その後の量産化とあるので、セレナへの搭載は次々回以降のフルモデルチェンジのタイミングで実現しそう。

次世代e-POWER開発中

開発中の次世代e-POWER

次世代e-POWERの熱効率は50%の達成が可能と発表され、自動車向けガソリンエンジンとして、これまでの常識を覆すものとなるだろう。

2021年時点で、熱効率45%は量産可能段階

この熱効率50%という数字、よく見ていくとエンジン単体では最大で46%となる。そして量産可能な技術開発を完了させているのは熱効率45%の段階まで、ということで50%というのは現時点では実験室レベルの話。

STARC

それでもプリウスの40%、ヤリスハイブリッドの41%などと比較して、その優位性は明らかである。

完全定点運転がe-POWERの最終目標

日産のe-POWERは、トヨタのTHSⅡなどとは異なるシリーズ式ハイブリッドを採用してる。駆動力は全てモーターから発生したもので、ガソリンエンジンは発電専用として使われる。

この発電専用というところがポイントで、ある一定の回転数だけに特化して効率が上げられた完全定点運転がe-POWERの開発における目標の一つとなっている。この完全定点運転のもとで混合気のさらなる希釈を進める新燃焼コンセプトを日産は「STARC」(Strong Tumble and Appropriately stretched Robust ignition Channel)と名付けている。

ちなみに、現行型セレナe-POWERでは1.2L NAのHR12DE型が採用されているが、これは古くは2010年発売のK13型マーチからの使い回しであり、発電専用にゼロから開発されたエンジンではない。こういった経緯からもe-POWERは、まだまだ改善の余地があるはずだと、以前から注目されていた。

ちなみに、次期セレナに導入される1.5L VCターボ e-POWERは、回転数を含めたあらゆる条件下での熱効率向上を目的としたものである。次世代e-POWERの完全定点運転とは技術の方向性は異なる。

現行型セレナは販売期間6年でフルモデルチェンジへ

現行型セレナは2016年に発売された5代目モデルである。プロパイロット、e-POWERといった日産の最新技術が導入されており、ユーザーからの満足度、注目度も高い。2018年には、元会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕されるなど、日産のブランドイメージを損なう大事件もあったが、このセレナに限ってはセールスが好調であった。ミニバン販売台数ナンバーワンの座を2018年度、2019年度と2年連続達成しており、日産の人気車種としての面目を保った形となった。

セレナ e-POWER

前述の通り、6代目に向けたフルモデルチェンジは、2022年の秋が予想され、現行型は販売期間約6年で終了となる見込み。

CMFプラットフォームで開発中の次期セレナ

エスパス

ルノー・エスパス

次期セレナは、ルノーと日産が共同開発したCMF-C/Dプラットフォームを採用し、開発が進められている。これまでにCMF-C/Dプラットフォームが採用された主なモデルは、日産・エクストレイルなど。そして3列シートミニバンとしてもルノー・エスパスが存在する。

エスパスのボディサイズは
全長4860mm
全幅1890mm
全高1680mm
ホイールベース2885mm
である。

これは日本のミドルクラスミニバンの市場で求められるボディサイズとはマッチしない。現行セレナより全高が185mm程度も低くければ居住性で不満が出るだろうし、全幅においてもエスパスでは入庫できない駐車場が多くなる。次期セレナとエスパスは、共通プラットフォームの3列シート車となるものの、互いのキャラクターは大きく異なる。

ルノー エスパス

ルノー・エスパス

それでも、次期セレナの全幅に関しては、少なくとも1.7mを超える水準にまで拡大せざるを得ない状況にある。つまり5ナンバーモデルは廃止で、全車3ナンバー仕様となる見込みである。

ちなみに国内ミドルクラスミニバンがグローバル向けプラットフォームを採用することで、全車3ナンバーとなる事情は、先にフルモデルチェンジを受けるトヨタ・ノアでも同様のこととなりそうである。

次期ノア ヴォクシー エスクァイアはGA-Cプラットフォームが採用される。詳しくは、
ノアはフルモデルチェンジで全幅拡大3ナンバー

セレナのミニバン販売台数1位は終わる、2021年度後半から競争が激化

かつてミニバンブームと呼ばれた時代があったが、現在でもミニバンは国内のファミリーユーザーを中心に人気がある。ライバルのトヨタ勢は次世代型からヴォクシー、エスクァイアを廃止し、ノアに一本化してくる。これまでの販売台数ランキングでは、名目上はセレナが優勢であることも多かったが、次世代型以降はノアの一強状態になることが予想される。

ノア

現行型ノア

ノアのフルモデルチェンジ情報について。詳しくは、
三姉妹車種統合でノアがミニバン一強時代に

セレナのライバル、ステップワゴンもフルモデルチェンジ

セレナのもう一つのライバル、ホンダ・ステップワゴンについては、当初2021年と考えられていたフルモデルチェンジは2022年春まで遅れるだろう。実はステップワゴンは現行型が不人気車となってしまい、販売台数が伸びなかった。ホンダとしても販売台数が多く競争が激しいグローバルモデル、つまりヴェゼルやシビックを優先して商品化していかねばならない事情がある。

セレナのライバルステップワゴンはe:HEVを拡充
ステップワゴンのフルモデルチェンジは2022年春、5ナンバー維持
ステップワゴン SPADA

現行ステップワゴン SPADA

それでも次期型ステップワゴンの開発は進められており、2022年春にフルモデルチェンジとなりそうで、来年のミニバン戦争への参加は避けられない。

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