日産・新型セレナ e-POWERが2023年4月20日に正式発売される。
新型セレナ(C28型)は、2022年12月にフルモデルチェンジを受け発売された。先行して2.0L ガソリン車がリリースされたが、この時、発売が遅れる予定のe-POWER車についても予約受注を受けていた。既にe-POWER車だけの受注台数として2万台を超えている。
上級パワートレインに相当するe-POWER車は、受注全体の半数以上を占めている。また、新型セレナから新たに設定された最上級グレードのLUXION(ルキシオン)は、15%以上に選ばれている。
車両価格はガソリン車(2WD) 2,768,700円 ~ 3,733,400円、ガソリン車(4WD) 3,034,900円 ~ 3,933,600円、e-POWER車(2WD) 3,198,800円 ~ 4,798,200円に設定される。
新型「セレナ」<価格表>などは、次のページ
新型セレナ、予定されていた1.4L e-POWERが発売へ
C28型となる新型セレナには、キャリーオーバーとなる2.0L ガソリン車のほか、1.4L e-POWERが初採用される。
新開発シリーズ式ハイブリッドの1.4L e-POWERは、発電エンジンにHR14DDe型、走行モーターにEM57型が搭載される。2WDのみの設定で4WDは無し。HR14DDe型は、従来の1.2L HR12DE型から、シリンダー内径を変更せず、工程のみを100.0mmにまで延長させたロングストローク型となる。より正確な排気量は1.433Lとなる。通常時は効率性を重視した回転数で運転され、高負荷時には仕様上の最高出力が発生する5600rpm付近での運転で発電量が確保される。
新型セレナへ搭載されるe-POWERとしては、新型T33エクストレイルに搭載される1.5L VC-TURBO e-POWERも候補の一つとして考えられてきたが、これは実現しなかった。
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新型セレナが出品 東京オートサロン2023
東京オートサロン2023では、「SERENA AUTECH CUSTOMIZED」と「SERENA Highway STAR ACCESSORY CONCEPT」が出品された。
新型「セレナ」東京オートサロン<画像>は、次のページ
新型セレナへのフルモデルチェンジ、2022年11月28日実施
C28型となる新型セレナのフルモデルチェンジ発表は、2022年11月28日に行われた。
約6年ぶりのフルモデルチェンジにより、セレナは6代目となる。先代モデルC27型からの進化のポイントは、「電動パワートレイン」と「自動運転技術」にある。
シリーズ式ハイブリッドの「e-POWER」搭載モデルでは、発電エンジンが従来の1.2Lから、ロングストローク化による新開発1.4L(HR14DDe型)へ刷新される。
また、最上級グレードとして「LUXION(ルキシオン)」を設定し、これには「プロパイロット 2.0」を採用。高速道路のナビ連動ルート走行と、同一車線でのハンズオフ機能が、同時に提供される。なお、従来型「プロパイロット」については、全車標準装備となる。
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新型セレナはガソリン車の生産が先
2022年12月22日に先行して発売されるのが、ガソリン車の2WDモデルである。先行発売の理由としては、サプライチェーンの問題が比較的少ないモデルであることも考えられる。従来型セレナからキャリーオーバーされたMR20DD型がメインユニットとなる。
マイルドハイブリッド版は廃止となり、コンベンショナル版がブラッシュアップされて、継続採用される。
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セレナがフルモデルチェンジ、C28型へ
C28型セレナからOEM提携関係が解消、スズキ・ランディ
2022年7月にはスズキ・ランディについてのOEM提携が解消となった。新型ランディは、提携先を日産からトヨタに変えて、新型ノアの車体供給を受けることでフルモデルチェンジが実施された。
新型セレナがリーク、特許庁の意匠登録画像が先行公開
新型「セレナ」<最新画像>などは、次のページ
新型セレナの発表前の段階から、特許庁で意匠登録された「新型セレナの画像14枚」が公開されていた。
今回のフルモデルチェンジで6代目C28型となる新型セレナであるが、実は車体の多くが従来型からキャリーオーバーされた、実質フルスキンチェンジに相当するという考え方もできる。
新型セレナと従来型を比較すると、外板パネルの多くの部分が刷新されている。やはり新型もパワートレイン選択肢の一つにe-POWERが採用されるということで、日産最新の電動車らしい顔付きとなった。もちろんフロント中央には、新しくなった日産エンブレムが設置される。前後ドアパネルにも新デザインが採用されている。
一方で、サイドウィンドウについては、フロント、リア、リアクォーターとも従来型と共通設計である可能性がある。また、スライドドアのレールが配置されるサイドパネルのリア部分も従来型からのキャリーオーバーとなっていることが想定された。

自動車リサーチ 記事リスト | |
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新型セレナ、フルモデルチェンジ「まとめ」と「リーク画像」
新型セレナのスケジュール
- 販売店では、ガソリン車とe-POWER車いずれも予約受注受付中
- 11月28日にフルモデルチェンジ発表
- e-POWER車は2023年4月20日の発売
新型セレナ 東京オートサロン2023 画像
SERENA Highway STAR ACCESSORY CONCEPT
新型セレナ 画像 2023年1月
新型セレナの特徴
- ホイールベース2870mmは従来比で10mm延長
- 標準モデル(V、XV)で5ナンバーサイズ維持
- ハイウェイスター、オーテック、ルキシオンは3ナンバー
- ガソリン車とe-POWER車を設定
- ガソリン車は、従来コンベンショナル2.0L NA採用で、マイルドハイブリッド廃止
- ガソリン車は、2WD/4WDの選択肢あり
- e-POWER車は、新開発1.4L NA(HR14DDe型)の発電エンジンが初導入となる
- e-POWER車は、2WDのみ
- 標準、ハイウェイスター、オーテック ガソリン車は、8人乗り仕様
- オーテック e-POWERとルキシオンは、7人乗り仕様
新型セレナ「LUXION」は最上級グレード
- 3ナンバー
- 2WDのみ
- e-POWER専用車
- プロパイロット2.0(ハンズオフ機能付き)標準装備
- 12.3インチ フル液晶メーター標準装備
- 統合型インターフェースディスプレイ標準装備
新型セレナ 先行発売 2.0Lガソリン車 価格表
グレード | 車両本体価格(円) | |
2WD | 4WD | |
X | 2,768,700 | 3,034,900 |
XV | 3,088,800 | 3,355,000 |
ハイウェイスター V | 3,269,200 | 3,535,400 |
AUTECH | 3,733,400 | 3,933,600 |
新型セレナ 1.4L e-POWER車 価格表
グレード | 車両本体価格(円) |
2WD | |
e-POWER X | 3,198,800 |
e-POWER XV | 3,499,100 |
e-POWER ハイウェイスター V | 3,686,100 |
e-POWER AUTECH | 4,150,300 |
e-POWER LUXION | 4,798,200 |
新型セレナ、プレスリリース公開画像 2022年11月
新型セレナ、特許庁意匠登録、画像全14枚
新型セレナ標準車
新型セレナ ハイウェイスター
新型セレナC28型、リーク画像、動画など
(Twitterの利用規約に従った引用をさせていただいております。)
走行テスト中の新型セレナ https://t.co/wuAfKJa4LO
— 自動車リサーチ (@car_research_) September 5, 2022
2022年年末~2023年初頭の発表が予想されるC28型次期セレナの先行開発車両 https://t.co/1En6JChpbq
— 自動車リサーチ (@car_research_) August 12, 2022
厚木にて#新型セレナ? pic.twitter.com/VEfh5jDjLb
— 庶民さんぽー@RollingStar☆彡 (@sf2_sample) July 29, 2022
フルモデルチェンジ新型セレナ(C28型)の偽装車両が国内外でリーク
新型セレナのリークされている画像を見る限りでは、サイドガラスの形状がC27型から変更されていない可能性が考えられる。プラットフォームも従来型キャリーオーバーということになるだろう。
バックドアはガラス部分を含めて新デザインとなっているようだ。擬装シールのせいか、デュアルバックドアが廃止になっているようにも見えるが、これは継続採用される見込み。
テールランプのデザインはL字型で印象が強く、後部デザインのアクセントとなっていそうだ。
ボディ側面では、新デザインのキャラクターラインがはっきりと確認できる。従来型は後方から前方にかけて上げられたものであったが、新型ではシンプルに下げられている。
新型セレナ海外リーク車両はフルモデルチェンジ後のフロントデザインがチラ見
海外では、以前から新型セレナのフロント部分の画像がリークしていた。横桟のVモーショングリルは従来型のイメージを継承してそうだ。ただし、ヘッドランプは大きくデザインチェンジされている可能性がある。
よく見るとエンジンフードも新デザインが採用されていることがわかる。
こちらのリーク画像でも、リアクォーターウィンドウのせり上がり方など、ガラスウィンドウ周辺については、従来型セレナの特徴と酷似しており、現行型のパーツが流用されている可能性が高い。
(Twitterの利用規約に従った引用をさせていただいております。)
The 2023 Nissan Serena has been spied testing on U.S. soil with an evolutionary redesign. In addition, the MPV will feature a more tech-centric cabin this around and it could be offered with the Qashqai’s electrified 1.5-liter turbocharged three-cylinder engine. #Nissan #Serena pic.twitter.com/DK53VEoj9g
— Cole Marzen (@cole_marzen) June 14, 2022
新型セレナのフルモデルチェンジに向けて、C27型が販売終了の動き
現行セレナ e-POWERは騒音規制に対応するも、生産期間は僅か数ヶ月の見込み
HR12DE型エンジン搭載のセレナ e-POWERについては、騒音に関する法規対応を実施することで、2022年9月以降も生産が続けられた。
新型セレナのエクステリア画像、プロモーション動画でリークされたものと比較
山形日産グループ創業60周年を記念するプロモーション動画では、新型セレナのリーク画像と思われるシーンが含まれていた。
プロモーション動画によるとサイドのガラスウィンドウのデザインは従来型セレナからの踏襲を思わせるものであった。これは開発中のテスト車両とも矛盾しない。一方で、フロントデザインはプロモーション動画とテスト車両では大きく異なっている。
またプロモーション動画では、ボディ側面にある水平基調のキャラクターラインが印象的であるが、これは従来型セレナとは異なる新デザインである。テスト車両では、その部分が擬装で覆われているが、これは新デザインのキャラクターラインを隠したかったのかもしれない。
日産では、ワンサイズ上のミニバン、エルグランドもフルモデルチェンジが計画されているが、その発売時期は早くとも2023年度後半以降となりそう。動画のミニバン車種は、発売日がより近い新型セレナである可能性が高いと考えられてきた。
新型セレナのプラットフォームは従来型キャリーオーバーか
新型セレナのプラットフォームは、従来型からキャリーオーバーされる見込み。
セレナのプラットフォームはフルモデルチェンジにより、新型エクストレイルなどと同じCMFプラットフォームの採用になるのではという予想もあったが、テスト車両の外観的特徴からすると、従来型からのキャリーオーバーとすることでコストダウンされていることが推測される。そうなれば、2005年発売のC25型セレナから基本構造が大きく変わらないことになる。
近年の日産では、主力電気自動車のリーフでさえ、フルモデルチェンジ時に先代型の窓ガラスが流用された。さらに2022年の新型フェアレディZでは、プラットフォームが変えられておらず、新エンジン搭載と内外装の新デザインが与えられ、フルモデルチェンジ相当の扱いで発売された。こういったグローバルモデルですら、コストを掛けずに新型車両の開発が進められてきており、国内販売がメインとなる新型セレナに新プラットフォームを導入するほどの開発リソースが割かれるとは考えにくい状況となっていた。

セレナはフルモデルチェンジで6代目モデルとなる、30年以上の歴史
歴代セレナシリーズは1991年に発売されたバネットセレナ(C23型)を原点とし、30年以上に渡って販売されてきた。1994年のマイナーモデルチェンジでは独立した「セレナ」のモデルネームが与えられ、およそ現在と近いポジションが確立されている。
1999年には、初めてのフルモデルチェンジを受けて2代目セレナ(C24型)の販売が始まった。FFレイアウトが採用され、乗用車としての快適性が向上し、2.0L ガソリン車にはCVTが採用された。
続く3代目セレナ(C25型)は2005年に発売され、以降のミニバンブーム後半の時代を5~6年の周期でフルモデルチェンジを受けた。先代モデル比で大幅延長となったホイールベースは2860mmで、これはC27型まで変えられていない。搭載エンジンは当時最新のMR20DE型の1種類に絞られた。
2010年発売の4代目セレナ(C26型)では、パッケージングの改善により居住性が大幅に向上しており、室内長は先代モデル比で+300mmを実現している。それでもホイールベースは変えておらず小回り性能は維持された。2012年には、最高出力1.8kWの小型モーターを使ったマイルドハイブリッド「S-HYBRID」がエンジンラインナップに加わった。燃費性能の向上幅は限定的であったものの、当時のハイブリッドブームに追従した。
セレナC27型の一部改良、マイナーモデルチェンジでの変更点
そして、5代目セレナ(C27型)は2016年にフルモデルチェンジ発売された。
セレナのライバル3車種は2022年にフルモデルチェンジを実施
2022年に入ってから、国内の中型ミニバンのセグメントでは、ライバルのトヨタ、ホンダから新型車が投入されており、早くも販売競争が激しくなっている。まずはトヨタは新型ノア/ヴォクシーに約8年ぶりのフルモデルチェンジ発売を実施した。
次にホンダからは、フルモデルチェンジした新型ステップワゴンが発表されており、発売日は2022年5月となる見込み。2022年1月開催の東京オートサロンでは、カスタマイズモデルが一般公開されるに至っており、既に先行予約が受付中となっている。
これらトヨタとホンダの3モデルが新型に切り替わったことで、中型ミニバンの販売競争が激化している。
日産は半導体不足の影響を大きく受けており、新型車投入計画を順調に進められていない。ノートやアリアといったモデルの発売日は大幅に遅れたし、新型エクストレイルについてもグローバルから約2年遅れの発売という状況である。
新型セレナC28型へのフルモデルチェンジは、CMFプラットフォーム採用では大き過ぎる
C28型セレナのプラットフォームはC27型キャリーオーバー、CMFは採用されない
フルモデルチェンジでC28型となるセレナは、ルノーと日産が共同開発したCMF-C/Dプラットフォームが採用されるのかが焦点となっていた。
これまでにCMF-C/Dプラットフォームが採用された主なモデルは、日産・T32型、T33型エクストレイルなど。そして3列シートミニバンとしてもルノー・エスパスが存在する。
エスパスのボディサイズは
全長4860mm
全幅1890mm
全高1680mm
ホイールベース2885mm
である。
これは日本のミドルクラスミニバンの市場で求められるボディサイズとはマッチしない。C27セレナより全高が185mm程度も低くければ居住性で不満が出るだろうし、全幅においてもエスパスでは入庫できない駐車場が多くなる。新型セレナとエスパスは、共通プラットフォームの3列シート車となるものの、互いのキャラクターは大きく異なる。
共通車からプラットフォーム流用できるとはいえ、新型セレナを開発するとなると、新設計が必要な箇所は多くなるはず。リークされたテスト車両からも、C25型から採用が続くCプラットフォームがC28型セレナでも踏襲されることになりそうだ。新型セレナは、5ナンバー車がラインアップの一部で継続される可能性が高い。
一方で、先行してフルモデルチェンジされた国内ミドルクラスミニバンのトヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンは全幅1.7m以上の全車3ナンバーとなった。

セレナ2022年末~2023年初頭頃フルモデルチェンジまでの販売を担う「XV エアロ」2021年11月特別仕様車
6代目となる新型セレナ発売まで、あと約1年といったところであるが、C27型最終モデルとなるであろう特別仕様車セレナ「XV エアロ」が2021年11月に発売された。
「XV エアロ」は、専用のエクステリアパーツとしてフロントバンパーが装備された。また、これ以外にもハロゲンフォグランプ、サイドシルプロテクター、リアエアロバンパー、LEDリアコンビネーションランプ、アルミホイールなど標準装備される。
お買い得な特別仕様車「XV エアロ」の設定でモデル末期の販売体制が整えられたと考えられる。
このタイミングで大掛かりな販売テコ入れがなされると、2022年11月のフルモデルチェンジ時期の延期を疑う必要があったが、そこまでの内容では無かった。
半導体不足に加え東南アジアからの部品供給の問題は残されるが、2022年11月28日の新型セレナのフルモデルチェンジ発表が期待される。