三菱自動車は、「アウトランダー」の値上げを2022年12月に発表した。全グレードにおいて、一律22万円の値上げとなり、2023年2月1日から改定となる。
現行の3代目アウトランダーは、2021年12月にフルモデルチェンジ発売。その後、2022年10月には一部改良を受けて、仕様向上に伴う値上げも一部グレードで実施されていた。今回発表された値上げは、一部改良から3か月余りでの実施となるが、仕様向上は発表されていない。値上げの理由として、バッテリー材料をはじめとする原材料価格、並びに輸送費などを含む全般的なコスト上昇に伴うものとしている。
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新型アウトランダー 価格表 2023年2月1日
グレード | 旧価格(円) 2021年12月 |
差額 | 旧価格(円) 2022年10月 |
差額 | 新価格(円) 2023年2月 |
|
M | 5人乗り | 4,621,100 | 0 | 4,621,100 | 220,000 | 4,841,100 |
G | 5人乗り | 4,904,900 | 55,000 | 4,959,900 | 220,000 | 5,179,900 |
7人乗り | 4,996,200 | 55,000 | 5,051,200 | 220,000 | 5,271,200 | |
P | 7人乗り | 5,320,700 | 165,000 | 5,485,700 | 220,000 | 5,705,700 |
特別仕様車 BLACK Edition |
5人乗り | 5,047,900 | 220,000 | 5,267,900 | ||
7人乗り | 5,047,900 | 220,000 | 5,359,200 |
新型アウトランダー PHEV 特別仕様車「BLACK Edition」、一部改良と値上げ、2022年10月
三菱自動車は、クロスオーバーSUV「アウトランダー PHEV」に、ブラックのアクセントカラーを内外装の要所に配した特別仕様車「BLACK Edition」が設定された。また、標準車はコネクティッド機能を充実させるなど一部改良を受け、2022年10月27日に発売された。

特別仕様車「BLACK Edition」の商品概要
特別仕様車「BLACK Edition」は、「G」グレード(7人乗り/5人乗り)がベースとなり、内外装のブラックアクセントを特徴としたモデルとなる。
エクステリアでは、フロントグリル、スキッドプレート(フロント/リア)、ドアミラーがブラックで統一されるとともに、グロスブラックのセンターピラーとクォーターピラー、専用ブラック塗装20インチアルミホイールが採用された。
インテリアでは、ブラックの天井色とレーザーエッチング加工が施された専用シフトパネルが採用される。
ボディカラーは、チタニウムグレーメタリック/ブラックマイカが「BLACK Edition」専用色として設定され、2トーンは4色、またモノトーンは2色の合計6色のボディカラーがラインアップされる。
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新型アウトランダーPHEV 通常モデル、一部改良のポイント
通常アウトランダーPHEVの一部改良では、車内Wi-Fiのインターネット接続が導入された。
さらに、スマートフォンアプリ「My MITSUBISHI CONNECT」の新機能として、「リモートドアロック/アンロック」機能が追加された。
遠く離れた場所からでも、本アプリを使ってドアの施錠・解錠が可能となった。
ボディカラーは、2トーンにレッドダイヤモンド/ブラックマイカ、スターリングシルバーメタリック/ブラックマイカの2色が新たに設定されるなど、全13色のラインアップとなった。
「アウトランダーPHEV」の『一部改良、特別仕様車』の<値上げまとめ>は、次のページ
新型アウトランダーの予約状況は好調、フルモデルチェンジから販売2年目
三菱・アウトランダーは2021年12月に日本発売したモデル。ルノー・三菱・日産アライアンスで共用されるCMF C/Dプラットフォームをベースに開発され、日産の新型エクストレイルとは兄弟車種の関係にある。国内向けでは、エクストレイルよりもアウトランダーが先行導入されてきた。新型アウトランダー日本仕様のパワートレインとしては、2.4L PHEVが採用される。
アウトランダーPHEVの国内販売は計画以上を達成、2021年12月フルモデルチェンジで一新
アウトランダー PHEVモデルは2021年12月のフルモデルチェンジ発売以降、これまでに計画を上回る受注を獲得してきた。2021年度はPHEV国内販売でトップとなる5,338台を販売し、2022年度上期も1万台以上の販売実績をあげている。
新型アウトランダーの納期は半年前後で推移
共通プラットフォームである新型エクストレイルの発売が遅れたこともあってか、アウトランダーは多くのオーダーを獲得することができた。納期は6ヶ月前後となるケースが多いようで、やはり手に入れるのに時間がかかる状況となっている。
北米向けには、2.5L コンベンショナルガソリンエンジンのPR25DD型が搭載されてきた。一方でPHEVについては、日本とニュージーランドで先行導入されてきており、さらに2022年8月15日からオーストラリアでの販売をスタートさせている。
アウトランダーがフルモデルチェンジ、2021年12月
三菱自動車は、新型クロスオーバーSUV『アウトランダー』のプラグインハイブリッドEV(PHEV)モデルを2021年12月16日に発売した。約9年ぶりとなるフルモデルチェンジとなり、シリーズ3代目となる新型アウトランダーの国内販売がスタートした。
2021年10月28日より先行注文が開始されていたが、その受注台数は約1か月半の期間で月販売目標台数1,000台の約7倍となる6,915台を達成した。
2021年12月、フルモデルチェンジ初月の販売台数は1,104台で、これは前月79台の約14倍となった。
三菱のPHEVモデルは、新型『アウトランダー』と『エクリプス クロス』の2車種に設定される。なかでも新型『アウトランダー』のPHEVモデルは、力強く存在感のあるエクステリア、上質で先進的なインテリアとし、三菱自動車の電動化技術と四輪制御技術の粋を集めたフラッグシップモデルとなる。
グレードは、運転支援技術を備えたベーシックな「M」(5人乗り)、20インチホイールやコネクティッド機能など充実装備の「G」(5人乗り/7人乗り)、そのうえで上質な内外装とBOSEプレミアムサウンドシステムなどを標準装備した最上級の「P」(7人乗り)の3グレード展開となる。
先行予約の状況は、最上級のPグレードが最も多く受注の76%を占める。次いで、Gグレードの5人乗りが16%となった。

新型アウトランダーと新型エクストレイルはプラットフォーム共用
三菱が日産・ルノーのアライアンスに加わったのが2016年。当時から予想されていたのが、アウトランダーと日産・エクストレイルのプラットフォーム共用であった。これが5年の歳月を経て実現した。
CMF-C/Dプラットフォームを共用しながらも、国内向けのパワートレインに関しては、各メーカーで独自に開発を進めてきたものが採用された。なかでも国内向けアウトランダーには、新世代化したPHEVシステムが搭載された。
モーター出力の向上とバッテリー容量の拡大により、いっそう力強い走りと航続距離の延長が実現した。
ホイールベースは従来型2,670mmから新型2705mmに延長された。3列7人乗りを実現し、SUVとしての居住性と利便性が高められた。

アウトランダーのフルモデルチェンジ、先行発売された北米仕様では2.5Lガソリン車
フルモデルチェンジを受けた新型アウトランダーについては、先に北米仕様が2021年2月に発表、同年4月に発売されていた。
この北米仕様に搭載されるのは、新開発2.5LガソリンエンジンのPR25DD型で、プラットフォーム共用される新型日産・ローグ(エクストレイルの北米向け姉妹車)と同タイプのパワートレインとなった。
2.5Lガソリンエンジンモデルについても、日本市場での導入が期待されるが、現在のところ、公式にはそういった情報は無い。ちなみに従来型日本仕様のコンベンショナルガソリンエンジン車は、アウトランダーは2.4L、エクストレイルは2.0Lであった。
独自の新世代PHEVシステム
新型アウトランダーPHEVは電動車としての魅力をいっそう高めるためPHEVコンポーネントが刷新され、EV航続距離が延長された。さらにEVらしい加速感が向上した。フロント及びリヤモーター、駆動用バッテリーの出力は約40%高められ、アクセルを強く踏み込むシーンでも極力エンジンを始動せず、EV走行の維持が可能とななった。高出力なツインモーター4WDならではの滑らかで力強く気持ちの良いモータードライブが実現された。
バッテリーは大型化された
駆動用バッテリーは、総電力量として20kWhに大容量化されており、EV走行換算距離(等価EVレンジ)をWLTCモード最大87kmとすることで、エアコンなどを使用した場合でも十分な航続距離が確保される。併せて充電頻度の低減にも貢献している。また、ガソリンタンク容量が増大しており、EV走行とハイブリッド走行を組み合わせた総合航続可能距離が大幅に拡大した。
フロントモーターに昇圧機能を追加
フロントモーターのパワードライブユニットには昇圧機能が新採用された。フロントモーターへの供給電圧を高めることで強力な駆動力が発揮され、同時にジェネレーターの発電効率も高めることで電費低減を実現した。
リヤモーターユニットの搭載位置変更で静粛な後席を実現
リヤモーターとコントロールユニットは一体化されており、サードシート設置に必要なフロアスペースを確保することで、7人乗りシートレイアウトを実現。さらに、ユニットの搭載位置をキャビン外側としたことで高周波ノイズがシャットアウトされ、高い静粛性が実現された。
アクセルオフでエンジンブレーキ風の制動を得るモードを新設
アクセルペダルだけの操作で加減速することができるイノベーティブペダル オペレーションモードが新たに設定された。減速時にブレーキペダルに踏み替える必要がなく、アクセルペダル操作だけで適切な制動力が発生する。結果、ステアリング操作に集中することができ、雪道などの滑りやすい路面などでの安全走行に貢献する。このほか、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み替えが減ることによる疲労軽減効果が期待できる。
後輪側にブレーキAYC機能を追加
前後それぞれに1基ずつ駆動用モーターを搭載するツインモーター4WDをベースとした車両運動統合制御システムS-AWCに、新たに後輪側にもブレーキAYC機能が追加された。これにより、前後輪の駆動力を路面状態や運転状況に応じて最適に配分しながら、左右輪のブレーキ制御によるトルクベクタリングも前後輪ですることができ、四輪全てのタイヤ能力をいっそうバランスよく、最大限に引き出すことが可能となった。それにより、ドライバーの思い通りのハンドリングと高い操縦安定性が実現された。
高速道路 同一車線運転支援「MI-PILOT」、停車30秒以内自動発進
進化した高速道路 同一車線運転支援機能「MI-PILOT」を搭載。「レーダークルーズコントロールシステム[ACC]」と「車線維持支援機能[LKA]」を統合したこの制御は、車間距離と車線中央をキープしながら走行することで運転をサポートします。また、速度標識を認識し設定速度を自動で切り替えるほか、ナビリンク機能による地図情報を活用した、高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に自動で調整。渋滞時でも停車後約30秒以内の自動発進を実現するなど、高速道路の長距離走行や渋滞時の疲労が低減される。
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