3代目となる次期フリードが2024年夏頃に発売される見込み。搭載されるパワートレインは、ハイブリッドが1.5L e:HEV、そして低価格な1.5Lガソリン車も残されることが予想される。
次期フリードのプラットフォームはキャリーオーバーの可能性
次期フリードのプラットフォームについては、現行型の改良程度に留まることが予想される。
ホンダは2040年に世界の新車販売の全てをEVとFCVにしていく方針を発表している。国内向け小型車のフリードについては、もっと早い段階にEV仕様の設定が予想されるが、これはタイミング的にも次々型以降と考えるのが妥当だろう。その時に、プラットフォームはEV対応による全面刷新を受けるはずで、次期フリードの段階では現行プラットフォームをベースに改良が加えられる程度になると予想される。
また、搭載されるパワートレインについてはハイブリッド車、ガソリン車ともに全面刷新となりそう。
1.5L e:HEV、次期フリード ハイブリッドに搭載予想
次期フリードハイブリッドには、1.5L e:HEVの搭載が予想される。フィットとヴェゼルで先行導入されているが、ミニバン車種は車体重量も大きくなるため、ヴェゼルの96kWモーターに近い仕様になることが期待される。従来型のフリードハイブリッドは22kWモーターの採用であるから、電気モーターが担う役割も大きくなる。
ホンダのe:HEVは、発進~中速度までの加速をほぼ電気モーターからの出力によって行い、高速度域のみエンジンと駆動輪が動的に直結する。
L15Z型エンジン、次期フリード ガソリン車に搭載予想
次期フリードのガソリン車には1.5L 直列4気筒 L15Z型エンジンの搭載が予想される。新型ヴェゼルから搭載がスタートした新エンジンである。
1.5Lクラスのエンジンは、3気筒化するのがトレンドとなっており、トヨタや日産もこの流れに追従してきた。ただし、ホンダは4気筒を継続していくようだ。ホンダは2040年の完全EV、FCV化を宣言しているが、タイミング的に考えれば、ホンダからは今後1.5L 3気筒エンジンが出されることは無いのかもしれない。
フリードにハイブリッド搭載の新ライバル登場か、小型ミニバン市場が激戦へ
フリードのようなBセグメントカーをベースに3列シートミニバン化された車種としては、他にトヨタ・シエンタがあるが、これら2モデルはいずれも商品力が高く、長年、他ブランドの参入を難しくしてきた。
ミニバンセグメントでの販売競争は激しくなるなか、日産とダイハツにおいてもコンパクトミニバンの新型車種を投入する動きがあり、フリードのセールスは脅かされることになるかもしれない。
フリードの新たな競合車1:ノート派生3列シートミニバン
フリードの第一のライバルとなりそうなのが、ノート派生の3列シートミニバンである。日産は、新型ノートをベースにした派生モデルとして「プレミアム案」と「3列シート案」が計画されていたが、特に前者はノートオーラとして、既に市販化を果たしている。
そして後者の3列シート車についても開発が進行中となっている。やはりシリーズ式ハイブリッドのe-POWERが搭載されることになるだろう。
フリードの新たな競合車2:ブーンルミナス後継
そして、フリードの第二のライバルとなりそうなのが、DNマルチシックスの市販型である。ダイハツは、2012年に販売終了したブーンルミナス、その姉妹モデルのトヨタ・パッソセッテを後継する国内向け多人数乗車モデルを模索してきた。
そのユーザーへの提案の一つとなったのが、東京モーターショー2017で出品されたDNマルチシックスである。当時からダイハツはSUVテイストかつ小型の3列シート車の国内販売を構想していた。
そして、ダイハツは「e-SMART HYBRID」を完成させており、DNマルチシックスのような小型車クラスの新型車を市場投入させる機運が高まっている。「e-SMART HYBRID」は、ダイハツが独自開発したシリーズ式ハイブリッドで、100%モーター駆動と発電専用の1.2L エンジンが採用される。2021年11月発売のロッキーへの搭載を皮切りに、トール、ルーミーといった車種への採用拡大も見込まれている。
DNマルチシックス発表から、約6年の歳月を経て登場するダイハツの新型コンパクト3列シート車は、この「e-SMART HYBRID」を搭載し、2023年に発売されることが予想される。