フィアット500のエンジンは3タイプ
ベースグレードの1.2Lエンジン
フィアット500のベースグレードに採用されるのは1.2LのSOHC8バルブの4気筒NAエンジンとなる。
これはもっとも価格が安く設定されており主力販売グレードになるだろう。
車体重量が1t前後かそれ以下であることを考えると、1.2Lでも実用域でのトルクは余裕がある。
10・15モード燃費は19.2km/Lとなり、燃費性能で定評のある日本車と比較しても遜色ない数値だ。
スポーツ性の高い1.4Lエンジン
1.4Lエンジンのフィアット500はスポーツ性を求める顧客向けに用意されている。
DOHC16バルブの4気筒NAエンジンとなる。
燃費性能よりもパワー特性を重視したエンジンで高回転域でよくまわるエンジンフィールが特徴だ。
1t程度の車体重量にエンジン出力は100psであるから、加速性能は高い。
10・15モード燃費は13.8km/L。このクラスの最近の車としては悪い数値と言える。
875ccのツインエアエンジン
フィアット500ラインアップの中で注目度が高いのが、ツインエアエンジンと呼ばれる875ccの2気筒ターボエンジンを搭載モデルだ。
燃費性能が高いのが特徴。
低燃費の小排気量エンジンにターボチャージャーをつけてトルク不足を補う構成となっている。
最近の欧州車で流行の燃費向上システムだ。
車体値段、エンジンパワーは1.2Lと1.4Lの中間といったところ。
10・15モード燃費は21.8km/Lとラインアップの中で最も燃費性能が良い。
ECOスイッチを切り替えることで、エンジン特性を低燃費重視あるいは加速重視に切り替えることが可能。
エクステリアだけでなく、メカニカルな部分でもこだわりたい人にお薦めのグレードになる。
小さくても魅力いっぱいのフィアット500
手抜きの無い安全装備
最も安いベースグレードと最も価格設定の高いグレードの安全装備を比較した場合、全く違いがないのがフィアット500のいいところだ。
小さいサイズの日本車は安全装備が省略されがちだが、フィアットをはじめとする欧州車は、低価格モデルでも安全装備が省略されることは少ない。
フロントのデュアルエアバッグ、サイドエアバッグ、前席ウインドエアバッグ、運転席ニーエアバッグを装備し、合計7つのエアバッグが衝突時に乗客を守ってくれる。
ESS(Emergency Stop Signal:緊急制動表示機能)、ABS、ESP、ASR、HBAといった最新の安全装置も装備しており、クラシカルなエクステリアでも中身はハイテク装備が詰め込まれている。
START&STOPシステム装備
フィアット500では燃費改善効果のあるSTART&STOPシステム(アイドリングストップシステム)が1.2Lとツインエアエンジン搭載車に装備されている。
信号待ちなどで停車したまま一定時間が経過すると、自動的にエンジンがストップし、無駄なアイドリングを減らすことができる。
ブレーキOFFでエンジンが素早く再始動し、ストレスのない発進が可能だ。
シーケンシャルトランスミッション
フィアット500はATモード付きの5速シーケンシャルトランスミッションを装備している。(1.2LエンジンのSPORTグレードについてのみはクラシカルな5速MTとなる。)
メカニカル的にはマニュアルトランスミッションに近いが、クラッチ操作が自動化されている。
ペダル配置はアクセルとブレーキの2ペダルとなっている。
ギアチェンジは1→2→3→4→5→4→3→2→1と隣り合う番号のギアを順番にしかチェンジさせることができない。
従来のマニュアルトランスミッションのように2→4のようなギアを飛ばしてのシフトチェンジができない。
ATモードが付いておりクラッチ操作だけでなく速度にあわせたシフトチェンジも自動で行ってくれる。
坂道発進で後ろに下がらないようにサポートしてくれるヒルホールドシステムもついており、日本のATとほとんど変わらない感覚でドライブすることが可能だ。