エルグランドのフルモデルチェンジは2025年以降の実施が予想される。
現行型エルグランドについては、2024年春頃の実施が想定される一部改良に向けて、受注停止に入っている。2024年5月より後退時車両直後確認装置の装備義務化が継続生産車へ適用となるが、エルグランドはバックカメラの標準装備化により対応することが予想される。また、価格改定も実施され、値上げすることになりそうだ。
今回の一部改良がE52型エルグランドの最終型となる可能性がある。
フルモデルチェンジE53型の登場が待望されており、2023年10月のジャパンモビリティショーでは、そのデザインコンセプトモデルとして「ハイパーツアラー」が初公開となった。
あくまでコンセプトカーということで、全固体電池、完全自動運転といった、実用化にまでは時間が必要な技術も盛り込まれている。市販型の次期エルグランドにおいては、パワートレインとして「1.5L ターボ e-POWER」、4WDシステム「e-4ORCE」の採用が予想される。
一方、ジャパンモビリティショーでは、もう一つ興味深いモデルの初公開があった。三菱の「D:X コンセプト」である。協業関係にある両社が、ボディタイプが近くなるコンセプトカーを同日に発表したというのは偶然ではないはず。次期エルグランドと次期デリカは、プラットフォーム共用される可能性があるだろう。
日産と三菱の協業関係は、既に軽自動車セグメントにおいて明確に見られる。日産のルークス ハイウェイスターは、プレミアムツアラー要素を前面に押し出したモデルである。このモデルは、三菱のデリカミニと姉妹車種であり、デリカミニではSUVの要素が全面に出されている。
これらの関係性は、ミニバンセグメントの次世代型においても共通する傾向が見られそうだ。
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次期エルグランド コンセプト?「ハイパーツアラー」ジャパンモビリティショー2023に出品
日産・エルグランドのフルモデルチェンジを予感させるコンセプトカー「ニッサン ハイパーツアラー(HYPER TOURER)」がジャパンモビリティショーで出品された。
あまりにもコンセプトカー然とした姿は、ある意味で期待外れと感じたファンも多かったはず。実は、ハイバーツアラーは、203X~204X年を想定したモデルであることが、日産がジャパンモビリティショー プレスデー初日にYoutubeチャンネルで公開した動画のなかで確認できる。
日産は、ジャパンモビリティショーに向けて、5つのBEVモデル “Hyper”コンセプトカー シリーズを発表した。動画では、2026年後半以降のデビューを想定したものとして「HYPER PUNK」と「HYPER ADVENTURE」が紹介される。その後、203X~204X年の未来が表現されるなかで「HYPER URBAN」と「HYPER TOURER」が登場することになる。さらに最後に、GT-R後継として想定される「HYPER FORCE」が紹介される。
ハイバーツアラーは、全固体電池、完全自動運転といった数年以内には実現しそうにないテクノロジーが含まれており、これをそのまま新型エルグランドと考えるのは難しそう。
ただし、エクステリアの特徴についてのいくらかは、数年後のフルモデルチェンジが予想される新型エルグランドにも採用されるかもしれない。
例えばフロントデザインでは、日産のアイデンティティとして定着したVモーショングリルの存在が確認し難い。これは、今回の5モデルのHYPERコンセプトシリーズでも共通している。現在の日産ラインアップでは、最新デザインであるデジタルVモーションの導入が進められているが、このあとに続くのは全く別のデザインコンセプトかもしれない。
また、ハイパーツアラーでは、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」の採用が発表されており、これはエクストレイルなどで導入済みであり、実現性が高いだろう。
ハイパーツアラーのインテリアでは完全自動運転を実現しているため、対面に4つのシートが配置される。
組木をモチーフとしたセンターコンソールには、茶道具が置かれ、インテリア全体が茶室をイメージさせるものとなっている。
組木細工からヒントを得たデザインは、エクストレイルなどでも例があり、日産らしさを象徴するデザインの一つ。エクステリアでもホイールデザインやフロント、リアのランプ類など多くの採用が確認できる。
床面はディスプレイで装飾されており、バッテリー搭載による完全フラットな形状が強調される。
また、ステアバイワイヤシステムと思われる形状のハンドルが設置されており、ドライバーが自ら運転することも可能なようだ。室内幅の全体を使った細長いディスプレイには、メーターパネルとしての機能も兼ねられるだろう。このあたりも、次期エルグランドで実現可能な技術ではないか。
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新型エルグランドは、次期デリカD5とプラットフォーム共用か、三菱もコンセプト発表
現行型エルグランドは、2010年8月にフルモデルチェンジ発売された3代目モデル(E52型)で販売期間は13年に及ぼうとしている。
この間、ライバルのトヨタ・アルファード / ヴェルファイアは、まずは2015年に30系へのフルモデルチェンジを果たし、さらに2023年6月には最新の40系が発売された。
エルグランドはまさに2周回遅れという状況で、商品力で大きく水をあけられている。このまま販売終了とするのか。あるいはフルモデルチェンジ実施でラインアップを継続させるのか判断が迫られる状況となっている。
新型のアルファード/ヴェルファイアは価格帯の大幅な上昇にも関わらず、予約困難な状況となっており、ラージクラスミニバンの市場は、活性化していると見ることもできる。
ホンダはこれを商機と判断したか、一旦国内生産を終了させたオデッセイについて、中国生産モデルを輸入することで、2023年冬に国内向け販売の再開を予告している。
近年では各社とも、海外でも販売がしやすいSUVに重きを置いて、新型車開発が行われきた。国内販売が主力となりがちなミニバン車種は、プラットフォームからの本格的な新規開発が容易にはできない状況にある。一方、パワートレインについては、電動化ニーズに応えるべく、新しいものが開発されてきた。次期エルグランドには、T33エクストレイルで商品化された1.5L VC-Turbo e-POWERが、搭載パワートレインの第一候補として考えられ、さらにBEVや、アライアンスパートナーの三菱自動車から供給を受けるPHEVなども想定される。
その三菱自動車でも、SUVミニバンのデリカD:5が、2007年1月の発売より、フェイスリフトを実施しながらも、基本構造を変えることなく長く販売されている状況である。デリカD:5も、新型エルグランドとのプラットフォーム共用によるフルモデルチェンジが期待され、これもジャパンモビリティショーでコンセプトモデルが発表された。
近年では、新型エクストレイルと新型アウトランダーにおいて、基本構造を同じくする兄弟車種としてのフルモデルチェンジを実現している。
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エルグランドはe-POWER搭載のフルモデルチェンジ、2025年以降の実施予想
次期エルグランドは1.5L VCターボ e-POWERの搭載予想
日産は2022年7月に国内向けエクストレイルをフルモデルチェンジ発売させており、そこでは新開発のシリーズ式ハイブリッドである「1.5L VCターボ e-POWER」が採用された。
この新開発e-POWERは、今後は日産の中大型車種への採用が予想され、特に搭載が期待されるのが、フルモデルチェンジによって登場する新型エルグランドである。また、電動4WDシステムとしては「e-4ORCE」の採用が予想される。
新型エルグランドへのフルモデルチェンジでLクラスミニバン市場が活性化
現行のE52型エルグランドは、2010年5月にフルモデルチェンジ発売された車種で販売13年目に突入している。2014年と2020年に2度のマイナーモデルチェンジでリフレッシュはされているものの基本部分は変えられていない。次期型E53型へのフルモデルチェンジが待望されてきた。
2022年より、国内のミニバンセグメントはフルモデルチェンジの動きが大きくなっている。まずは中型ミニバンから、トヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンにフルモデルチェンジが実施され、販売競争が激しくなっている。日産も2022年12月にセレナをフルモデルチェンジさせた。
そして、これら中型ミニバンがフルモデルチェンジされてきた流れは、その後、大型ミニバンのクラスへと波及した。やはり火付け役となったのは、同クラスで圧倒的な販売実績を誇るアルファードで、ヴェルファイアと伴に2023年6月にフルモデルチェンジ発売された。
エルグランドのフルモデルチェンジは、アルファード/ヴェルファイアに対して遅れることになる。次期E53型エルグランドの発売の時期は2025年以降が予想され、アルファードに対して後出しとなってしまうが、優位性のある商品力と価格で勝負を挑むことになる。
さらに、ホンダも中国生産のオデッセイを輸入し国内販売する予定で、先行予約がスタートしている。
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新型エルグランドも姉妹モデルの北米クエストを設定か
現行型のE52エルグランドは、2010年8月のフルモデルチェンジ発売であった。北米向けに設定された姉妹モデル、クエストが2017年に生産を終わらせているなか、日本向けエルグランドは、販売期間が約13年に達する。
次期型E53型エルグランドについても、国内市場だけのために大型ミニバンをフルモデルチェンジさせるとは考え難い。現行E52型同様に北米市場を巻き込んだ販売を待望する声もあり、北米クエストが復活する可能性がある。
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現行E52型エルグランドが一部仕様向上、エンブレムなどに日産の新CIを採用、2022年11月
現行E52型は、2010年8月にフルモデルチェンジ発売された3代目モデルで、実に、販売期間12年を超えるロングセラーモデルとなっている。
近年では、2020年10月にフェイスリフトが含まれるマイナーチェンジが実施されたものの、この時点では、日産の新CIが採用されていなかった。
2022年11月の一部仕様向上では、フロントとリアのエンブレムに、日産の新CIが配置された。このほか、ホイールのセンターキャップ、ステアリングホイール、インテリジェントキーにも統一して新CIが採用された。
また、装備面では、抗菌仕様シートが全車に標準装備となり、車両価格は3,799,400~5,679,300円に設定された。
「エルグランド」一部仕様向上(画像、価格表)、フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
エルグランド25年周年へ、ライバルのアルファードよりも長い歴史のある大型ミニバン
エルグランドシリーズは1997年に発売された「キャラバンエルグランド」と「ホーミーエルグランド」のE50型が原点となっている。ライバルのトヨタ・アルファードは2002年の発売で、実はエルグランドのほうがモデルネームとしては歴史が長い。ただし、トヨタは「グランビア」や「グランドハイエース」といった、エルグランドと直接対抗するモデルをアルファード以前から販売していた。
さらに1999年のマイナーモデルチェンジでは「エルグランド」に車名が統一され、商用バンからの乗用向け派生モデルから、ファミリー向けの専用大型ミニバンとしてのポジションが与えられた。
2代目エルグランド(E51型)は2002年5月21日にフルモデルチェンジ発売され、その翌日には新型アルファードが発売日を迎えるという、当時のミニバンブームを象徴する販売競争の一つとなった。アルファードはセダン車種のカムリなどの流れを汲むFFレイアウトのKプラットフォームを採用し、広大なキャビンスペースと快適性に拘った仕様とした。一方でエルグランドのプラットフォームは、先代型から大幅改良されてはいるものの、商用バン同様のフロントミッドシップのFRレイアウトのままであった。重量物を積載した場合の走行性能については、エルグランドが優れた。ただし、アルファードのわかりやすい居住性や高級感は特にファミリーユーザーに訴求力が大きく、エルグランドは販売台数として結果を出すことが難しかった。
2010年には現行のE52型 3代目エルグランドがフルモデルチェンジ発売される。ミニバンブームの最中、モデルサイクルとして8年もの期間を要することになったが、従来的なFRレイアウトを捨てた大きな変化となった。プラットフォームは、アルティマなどと同じDプラットフォームの採用となり、北米向けセダンのプラットフォームをベースに開発する流れは、アルファードを追従する形となった。
一方でパワートレインに関しては、アルファードはハイブリッド車を2002年モデルから用意してきたのに対し、エルグランドは未だにマイルドハイブリッドすら設定できていない。次期エルグランドE33型では、シリーズ式ハイブリッドの1.5L VC-TURBO e-POWERが搭載される可能性があり、期待される部分となっている。
エルグランドのフルモデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2024/02/23
- 2023年10月のジャパンモビリティショーでコンセプトカー「HYPER TOURER」(デザインモック)出品
- 三菱が出品したデリカD5後継コンセプトカー(D:X)と兄弟車の可能性?
- 2010年発売の現行型のE52エルグランドは、2024年春に一部改良で法規対応と値上げ予想
- フルモデルチェンジ時期は2025年以降の予想
- 1.5L VC-TURBO e-POWERの採用予想
- 4WDシステム e-4ORCEの採用予想
新型エルグランド デザインスタディ HYPER TOURER 2023年10月 画像 ジャパンモビリティショー
新型エルグランド デザインスタディ HYPER TOURER 2023年10月 画像
エルグランド 2023年1月 画像
従来型エルグランドの一部仕様向上 2022年11月
- フロント・リアのエンブレムとホイールのセンターキャップ、ステアリングホイール、インテリジェントキーに日産の新CIを採用
- 抗菌仕様シートが全車に標準装備
- 数万円の値上げ
エルグランド 一部仕様向上 2022年11月 画像
エルグランド 一部仕様向上 2022年11月 価格表
ミッション | エンジン | 駆動 | グレード | 定員 | 価格(円) |
エクストロニック CVT-M6 |
VQ35DE | 2WD | 350ハイウェイスター プレミアム | 7 | 5,159,000 |
350ハイウェイスター | 4,589,200 | ||||
350ハイウェイスター | 8 | 4,589,200 | |||
350ハイウェイスター プレミアム アーバンクロム | 7 | 5,379,000 | |||
350ハイウェイスター アーバンクロム | 7 | 4,809,200 | |||
8 | 4,809,200 | ||||
4WD | 350ハイウェイスター プレミアム | 7 | 5,459,300 | ||
350ハイウェイスター | 4,878,500 | ||||
350ハイウェイスター | 8 | 4,878,500 | |||
350ハイウェイスター プレミアム アーバンクロム | 7 | 5,679,300 | |||
350ハイウェイスター アーバンクロム | 7 | 5,098,500 | |||
8 | 5,098,500 | ||||
QR25DE | 2WD | 250ハイウェイスター プレミアム | 7 | 4,558,400 | |
250ハイウェイスター S | 3,799,400 | ||||
250ハイウェイスター S | 8 | 3,799,400 | |||
250ハイウェイスター プレミアム アーバンクロム | 7 | 4,778,400 | |||
250ハイウェイスター S アーバンクロム | 7 | 4,096,400 | |||
8 | 4,096,400 | ||||
4WD | 250ハイウェイスター プレミアム | 7 | 4,858,700 | ||
250ハイウェイスター S | 4,098,600 | ||||
250ハイウェイスター S | 8 | 4,098,600 | |||
250ハイウェイスター プレミアム アーバンクロム | 7 | 5,078,700 | |||
250ハイウェイスター S アーバンクロム | 7 | 4,395,600 | |||
8 | 4,395,600 |