新型【CX-5】フルモデルチェンジ日本発売2026年中予定、ジャパンモビリティショー2025で左ハンドル欧州仕様開発車両出品画像【マツダ最新情報】リアサスはマルチリンク、2.5L e SKYACTIV G先行搭載、SKYACTIV Zモデルは遅れる

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CX-5 欧州仕様「開発車両」をJMS 2025で公開

ジャパンモビリティショー2025で3代目となる新型CX-5の欧州仕様「開発車両」が展示されました。

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左ハンドル車かつ、会場の出品ボードには「Development vehicle for European specifications」の注記があり、日本市場向けの量産仕様ではないことが明確に示されていました。

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従来KF系から新たにKI系へ改まります。欧州仕様の初公開日は2025-07-10で、欧州における導入時期は2025年末と案内されています。日本は2026年中の導入予告で、国内ユーザーは一定の待ち期間を要することになるでしょう。

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今回のJMS出品は、当面の搭載パワートレインを示す役割を担いました。先に欧州で販売を開始し、その後に日本を含むその他市場へ展開する段取りです。

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展示個体はAWD・6速ATの組み合わせで、グレードは「Homura」。外装色はソウルレッドクリスタルメタリック、シートはタン×黒の本革仕様でした。量産を見据えた装備構成に見え、走行系・快適系ともに実用パッケージの精度を重視した内容です。

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ブランド/CIの観点では、マツダが段階的に新しいCIシンボルの導入を進めている最中である一方、本出品車のフロントは従来のブランドエンブレムをグリル中央に据え、車両アイコンとしての統一感を維持しています。

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新CIは28年ぶりの更新としてロゴ外形が角丸長方形からより楕円的な形状に推移する方針とされていますが、現在のところ車両適用はコンセプトカーに限られ、今回の展示個体は従来意匠のまま。現行ユーザーにとって違和感の少ないトランジションが図られているといえます。

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従来型の整理も並行して進みました。2025-10-09には「XD Drive Edition」が追加され、一方で「Retro Sports Edition」と「Field Journey」は廃止。現行型のバリエーションをスリム化しながら、次期型日本発売までの準備期間における販売継続性が確保されています。

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パワートレインのロードマップは少なくとも二段構えとなっています。先行導入期は2.5Lガソリンの「e-SKYACTIV G 2.5」(M HYBRID)+6速ATが主力となり、2027年に新開発の「SKYACTIV-Z」を後追い導入する計画です。SKYACTIV-Zは欧州ユーロ7、米国LEV4/Tier4といった次世代規制適合を目標に据えた直列4気筒2.5Lの新設計で、希薄燃焼領域の拡大や熱効率の向上を掲げます。

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CX-5 パッケージ・デザイン・寸法・ラゲッジ実測

CX-5 ボディパッケージと世代差

新型CX-5(KI系)の全長×全幅×全高は4,690×1,860×1,695 mm、ホイールベースは2,815 mmです。

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従来KF系の4,575×1,845×1,690 mm/WB 2,700 mmに対し、長さ+115 mm、幅+15 mm、高さ+5 mm、ホイールベース+115 mm相当の拡大となります。数値上の伸びは控えめに見えますが、実用域で効いてくるのはホイールベースと後席ドア開口まわり、そして荷室長の調整です。

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シャシー骨格の見直しにより、床面のフラット化やユニット搭載周辺のNVH対策も再構成されました。サスペンション取り付け剛性の最適化、遮音材の配置変更、ロードノイズ低減のためのホイールハウス内側パネルの形状管理など、個別の対策は地味ながら、結果として長距離走行時の会話明瞭度の改善や高速域のステアリング安定感につながります。

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これらはカタログ数値に現れにくい領域ですが、KI系での重点配分が読み取れる部分です。

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CX-5 ラゲッジ実測値(取材データ)

荷室を計測していきます。

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現地取材での参考実測値は、開口幅(下部の広い箇所)が1,112 mmとなります。

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開口上端から床面までの高さが780 mmで、クロスオーバーSUVとして標準的です。

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荷室幅はホイールハウス後ろの広い箇所で1,462 mmありますので、長さのある荷物の積載場所として重宝しそうです。

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一方、荷室幅最狭部で1,062 mmとなります。

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床面の奥行は965 mmでした。

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CX-5 シャシーと足まわり

前サスペンションはマクファーソンストラット、後サスペンションはマルチリンクです。

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FF横置きを基本としつつ、AWDが設定されます。北米のCX-50ではコストやパッケージの都合からトーションビームが採用されましたが、新型CX-5ではマルチリンク継続の方針が確認できました。

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これにより、路面入力の周波数帯に対する減衰特性の作り込み自由度が確保され、欧州の舗装ギャップやコンクリート継ぎ目、高速域のレーンチェンジにおける“二次の揺り返し”の収束を狙った味付けが可能です。

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ブッシュ硬度やリンク角度の最適化で、操舵初期の応答性と直進時の直立感の両立が期待できます。

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制動系・操舵系では、ペダルレシオとブースター制御のリニアリティ、電動パワステのゲインマップ設定が再定義されます。

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MHEV付きの制動回生協調では、ペダル踏力に対する減速度の位相遅れを減らし、微減速のコントロール性を確保するのが鍵です。

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CX-5 エクステリアとCI表記の変更点

フロントはグリル中央にブランドエンブレムを配置し、両サイドの未塗装エリアをやや広めに取る意匠で、ランプは目頭側に太さを持たせたシグネチャーを採用します。

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CX-60/CX-80と親和する要素を残しつつ、同一化は避け、ファミリー内での役割を踏まえた表情づくりがなされています。

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リアはテールランプ間のバックドア中央に「MAZDA」ロゴ文字を配し、従来のCIマーク単体から表記方法を改めました。

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空力付随のエッジ処理は控えめですが、リアスクリーン周りの乱流抑制やテールゲート上端の剥離管理など、実効値を狙う要素が見受けられます。

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CX-5 乗員空間と静粛性の見通し

ホイールベース拡大は後席のニースペース確保に直結します。

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遮音については、フロントウインドウとフロントドアにラミネートガラスを適用するグレード運用が想定され、ロードノイズの主成分が支配的となる80~100 km/h帯での会話明瞭度改善が期待されます。

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室内の床下・フェンダー内部・カウルトップ部の遮音材配置は、重量増を抑制しながら狙いの帯域に効かせる配合が検討されています。

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CX-5 パワートレイン計画・仕様編成・経営方針の整合

当面の主力:e-SKYACTIV G 2.5+M HYBRID+6速AT

初期導入の主力は、2.5Lガソリン「e-SKYACTIV G 2.5」と24Vのマイルドハイブリッドを組み合わせた構成です。

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変速機は6速AT「SKYACTIV-DRIVE」。AWDを設定し、ディーゼルと6MTは少なくとも当面の設定が見送られます。

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欧州先行のキャリーオーバー要素を取り込みつつ、制御側の見直しで最新の排出ガス規制をクリアし、出力レンジを確保するのが狙いです。

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高負荷のノッキングマージンと熱マネジメントに配慮し、過度の高圧縮化や過給依存ではなく、実使用域のトルク立ち上がりとアクセル開度に対する“素直さ”を優先する設計思想が感じられます。

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エンジン主要諸元(参考)

形式は直列4気筒DOHC 16バルブで総排気量は2,488 cc。ボア×ストロークは89×100 mm、圧縮比は13.0。

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最高出力は104 kW[141 PS]/ 4,500–5,000 rpm、最大トルクは238 N·m / 3,500–3,750 rpm。燃料は無鉛レギュラー(95 RON)で、燃料供給は筒内直接噴射。タンク容量は58 Lです。

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マイルドハイブリッド(M HYBRID)を組み合わせ、アイドルストップ復帰時の再始動質感と低速アシストのつながりを滑らかにする方向です。

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将来:SKYACTIV-Zとマツダ独自ハイブリッドの後追い導入

2027年の導入を目標とするSKYACTIV-Zは、理想燃焼の追求を背景に、希薄燃焼域の拡大や点火・混合気形成の最適化を進める新開発2.5Lです。

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規制対応で従来は出力が低下しがちでしたが、量産価格帯で燃費と性能を両立する開発目標が示されており、同等出力の維持と熱効率向上を両立する方針がうたわれています。

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CX-5では、マツダ独自のハイブリッドシステムと組み合わせることで、WLTPや国内モードでの燃費目標を押し上げながら、走行フィールの一貫性を確保する計画です。既存ハードの多用により開発投資を適正化し、調達構造の見直しと合わせてビジネス全体のスループット改善を図ります。

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トランスミッションとAWD制御の方針

6速AT継続の判断は、実使用域のダイレクト感と耐久信頼性のバランス、および車両価格のレンジ管理に基づくものでしょう。

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ステップ数の増加やDCT化が必ずしも体感価値に直結しない領域で、ソフト側のロジック刷新と油圧制御の微分・積分ゲインを詰めるアプローチが選ばれます。

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AWDは路面μ推定と横加速度・ヨーレートの推移を重ねたトルク配分マップを基本とし、降雨時の市街地・轍のある高速路面・積雪路での穏当な姿勢保持を優先します。アクセルオフ時や微減速時に不要な駆動抵抗を増やさないチューニングも並立し、実効燃費への悪影響を抑える狙いです。

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グレード/内装仕様と“選びやすさ”

出品車の「Homura」は、ステアリングやシート、内装加飾の質感を一段引き上げた位置づけです。

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タン×黒の本革シートは、座面の支持剛性を保ちながらも接触面の摩擦係数を抑え、長時間乗車時の蒸れと疲労感を軽減する配慮が見られます。経営方針で掲げられた種類数の適正化により、装備の“塊”をわかりやすくまとめたグレード編成に再構成される見通しで、メーカーオプションの枝分かれを抑え、在庫・生産計画の平準化に寄与します。ユーザーにとっては、価格帯ごとに必要十分な装備がパッケージ化され、見積りの比較が容易になる効果をもたらします。

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開発・目撃情報と導入計画の現実味

2025年6月上旬には、日本国内でテストカーが複数目撃されました。

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新型CX-5 日本国内スパイショット(画像提供 X@SH4T3N 様)

横浜の仮ナンバーを装着した走行シーンのスパイショットでは、リアコンビネーションランプの意匠が海外で確認済みの個体と同一であることが読み取れ、車体側の仕上がりが量産移行前の最終段階にあることを示唆しました。

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マツダの決算説明では、次期CX-5の導入時期を「2025~2027年」の幅を持たせた計画として言及し、マツダ製ハイブリッドの初搭載車となる方針を繰り返し示しています。

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日刊自動車新聞が早期実用化を報じた時期もありましたが、会社公表のロードマップではハイブリッド適用は2027年の後追いに整理されています。先行期はe-SKYACTIV G 2.5のキャリーオーバー主体で市場投入し、段階的に新技術へ移行するシナリオです。

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市場受容性と価格戦略の論点

初期の2.5L MHEV+6ATという構成は、最新の電動化トレンドから見れば“先端性の誇示”ではありません。

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一方で、完成度と価格レンジのバランスに優れるのも事実です。量販価格帯のSUVで重要なのは、通勤・週末レジャー・ファミリーユースを包括した日常領域での使い勝手と、維持費・残価の安定です。日本導入が2026年中となる見込みの中で、競合のフルHEVやPHEVとの価格差・実質燃費・補助施策の組み合わせが鍵になるでしょう。

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後追いのSKYACTIV-Z系ハイブリッドが導入されるまでの橋渡し期間に、値付けと在庫コントロールで販売現場の動きを滑らかに保てるかが、初期の商況を左右するでしょう。

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CX-5 まとめ

まとめ更新日: 2025/11/06

  • JMS 2025で展示されたのは欧州仕様の開発車両で、日本仕様の最終量産スペックではない
  • 欧州は2025年末導入、日本は2026年中の導入予告で、導入順を欧州→その他市場に設定
  • 世代はKF系からKI系へ。ボディは4,690×1,860×1,695 mm、ホイールベースは2,815 mm
  • 荷室の参考実測は開口幅1,112 mm、開口上端〜床780 mm、最大幅1,462 mm、最狭幅1,062 mm、奥行965 mm
  • 前ストラット/後マルチリンクを継続採用。FF横置きベースにAWD設定。
  • 初期の主力はe-SKYACTIV G 2.5+M HYBRID+6速AT
  • ディーゼルと6MTは設定されない可能性
  • SKYACTIV-Zは2027年の後追い導入を目標。次世代規制適合と熱効率向上を狙う新開発2.5L
  • グレードは「Homura」を展示。タン×黒の本革シート、外装はソウルレッドクリスタルメタリック
  • リアは「MAZDA」レタリングへ。フロントは従来エンブレムをグリル中央に配置

新型CX-5 欧州仕様開発車両 画像、ジャパンモビリティショー 2025年10月

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