ルークスが後期型へマイナーチェンジ、2023年6月下旬発売予定
日産は、スーパーハイト軽ワゴン「ルークス」のマイナーチェンジを実施し、2023年6月下旬に発売することを発表した。フェイスリフトが実施され、新型セレナと共通デザインの新時代Vモーショングリルが採用された。
インテリアでは、インストルメントパネルやドアトリム、シート地の色彩が一新された。
さらに、安全装備も強化され、インテリジェントルームミラーが新規採用となった。LEDヘッドランプ、自動防眩式ルームミラーは全車標準装備となった。
ボディカラーは、全19色が用意され、ルークスハイウェイスターシリーズとルークスシリーズにそれぞれ2トーンとモノトーンのカラーバリエーションが展開された。
快適性も向上し、快適パックにはプラズマクラスター技術搭載のリヤシーリングファンやパーソナルテーブル、カップホルダー、USBソケット、ロールサンシェード、撥水加工シートが標準装備された。また、寒冷地仕様に採用されるステアリングヒーターは本革巻きで、4WD車には標準装備、2WD車にはメーカーオプションで用意される。
今回のルークスのマイナーチェンジに伴い、フロント・車室内2カメラ式の日産純正オリジナルドライブレコーダーも新規に販売される。
なお、一部でシリーズ式ハイブリッドのe-POWERの採用が期待されていたが、見送りとなっている。
ルークス マイナーチェンジで大幅な値上げ
旧価格からの値上げ幅は、159,400~224,400円と大きくなった。新価格は、通常ルークスが、1,637,900円 〜 2,036,100円。ハイウェイスターが、1,940,400円 〜 2,316,600円に設定される。
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ルークス マイナーチェンジ変更点リスト
- フロントグリルに先進的に進化したVモーションを採用
- エクステリアとインテリアのデザインが高級感あるものへと進化
- 「インテリジェント ルームミラー」を新たに採用
- 「ハイウェイスター アーバンクロム」専用の15インチアルミホイールを採用
- 「ハイウェイスター アーバンクロム」専用の2トーンのボディカラーを採用
- 「助手席スライドアップシート」、「オートステップ付車」に乗り降りをサポートする機能を追加
- 大幅値上げ
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新型ルークスのフェイスリフト、セレナ顔フロントデザインが以前よりリークされ話題に
以前よりプレカタログがリークしており、新型セレナ風にフェイスリフトされた、「ルークス」および「ルークス ハイウェイスター」のフロントデザインが話題となっていた。
「ルークス ハイウェイスター」は、セレナのベースモデルを忠実に小型化したようなデザインとなる。ヘッドランプ下方の横桟グリルの左右両端に各4本のクロームメッキが施され、新世代Vモーショングリルが形成される。
「ルークス(ベースモデル)」は、左右のヘッドランプを挟む横桟グリルの両端にそれぞれ小さく5本のクロームメッキが施され、新世代Vモーショングリルがコンパクトに表現される。
マイナーチェンジで新たに採用される装備もいくつかある。メーカーオプションとして「インテリジェントルームミラー」、グレード別設定として「ステアリングヒーター」が用意される。
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新型ルークスよりも、人気の姉妹車種「デリカミニ」が登場予定
現行「ルークス」は、2020年3月にフルモデルチェンジ発売された3代目モデル。2022年は、9月に一部改良が実施され、新グレード「X ターボ」の導入や、値上げなどがあった。
エクステリアデザインの大幅変更は、2023年初夏のマイナーチェンジが初めてとなり、これより後期型に移行することになる。
東京オートサロン2023では、日産ブースから「ROOX SUITE CONCEPT」が出品された。左側の前席ヒンジドア、後席スライドドア、Bピラーが取り除かれ、大型のガルウィングドアが装備される。
室内は、運転席と後席キャプテンシートの二人乗り仕様となっている。さらに、ピアノを搭載したトレーラーが備わる。メーカーブースからの出品としては、異例なほど大胆なカスタマイズとなった。
また、三菱ブースからは、新型「デリカミニ」が発表され、これはルークスとは姉妹車種の関係となる。
新型「デリカミニ」は、2023年5月の発売が予定されている。「ルークス」のマイナーチェンジも、このタイミングに便乗するかように実施されるが、既に前評判は「デリカミニ」のほうが上々のようだ。
一方で、期待されていた軽自動車向けe-POWERの導入は、マイナーチェンジ時には実施されない。次回フルモデルチェンジ時での導入に期待したい。
2022年は、電気自動車の新型「サクラ」が発売となり、日産の軽自動車セグメントで大きな動きがあった。2023年の軽自動車セグメントは、スーパートールワゴンのカテゴリに注目が集まりそう。
同カテゴリで販売トップの「ホンダ・N-BOX」についても、2023年はフルモデルチェンジが計画されており、販売競争が激化することが予想される。
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ルークスの一部仕様向上モデルが2022年9月15日発売、通常グレードにターボ追加
今回の一部仕様向上では、これまで上級グレードのハイウェイスターに限り設定されていたターボエンジン搭載モデルが、通常グレードでも「X ターボ」として用意された。
ボディカラーとして2トーンの新色、「ソーダブルー/アッシュブラウン」が設定された。
内装では抗菌仕様シートの採用があったが、それ以上に目立ったのが値上げである。値上げ幅は、エントリーモデルの「Sグレード」2WDでの比較で47,300円となった。
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新型ルークスのe-POWER搭載はいつ?
ルークスシリーズの今後のスケジュールは、まず販売中期に差し掛かる2023年初夏に、後期型に向けたマイナーモデルチェンジの実施が計画されている。また、軽自動車向けe-POWERの搭載も期待されているが、このマイナーチェンジのタイミングでルークスへ導入されるという話は無い。フルモデルチェンジでの実施が期待される。

ルークス e-POWERが必要、2030年度燃費基準の達成
2021年のルークスの販売台数は72,600台を記録している。現行モデルのパワートレインは、マイルドハイブリッドが採用されているが、この先「2030年度燃費基準」を達成していくためには、これだけでは力不足であることは明らか。
一方で日産は、新型EVの「サクラ」を2022年5月に発表し、軽自動車のEV化についても積極的に進めている。ただし、充電インフラや航続距離などの問題から、全ての軽自動車販売をEVに限定していくのはまだ難しい。しばらくは、ガソリン燃料車と併売される状況が続くことになるだろう。
特に最量販モデルのルークスにおいては、軽自動車向けe-POWERを搭載させることが、「2030年度燃費基準」達成のための現実的な選択肢として考えられる。
ルークスなど軽自動車は、シリーズ式ハイブリッドを採用する車種の拡大が予想される
ライバルのダイハツは、軽自動車向け「e-SMART HYBRID」の導入を発表しており、これは日産の「e-POWER」と同じシリーズ式ハイブリッドとなっている。いずれのシステムも100%電気モーターによる駆動で、発電専用エンジンと駆動用バッテリーが備わる。
軽自動車向けの本格ハイブリッドは性能とコストの両面から、成立が難しいとされてきた。ただし、近年ではバッテリー価格の低下や、インバータなどの効率が向上したことで、軽自動車への適用が合理性を持つようになりつつある。
特にシリーズ式ハイブリッドは、システムが単純なため開発が容易である。さらにBEVと技術的に共通する部分が比較的多く、生産する全台数がEV化されるまでの過渡期に最適なパワートレインとして、複数のメーカーで採用車種が増えていくことが予想される。

現行ルークスは全車マイルドハイブリッドの採用
現行ルークスは、燃費向上対策としてハイブリッドシステムの導入が全車に施されてきた。
その仕様は最高出力わずか2.0kWのSM21型モーターを使ったもので、いわゆるマイルドハイブリッドと呼ばれるシステム。名目上のハイブリッド化、および電動化は果たされているものの燃費性能の向上幅は限定的で、WLTCモード燃費は20.8km/Lに留まる。
ルークスがマイルドハイブリッドだけで2030年度燃費基準を達成するのは難しい
経済産業省と国土交通省で策定された2030年度燃費基準によれば、ルークスのような軽トールワゴン車の車両重量では、燃費性能として28km/L程度の達成が求められている。これと現状の性能を比べると、未だ大きな開きがあるのは明らか。このままマイルドハイブリッドをベースとした改善で、2030年度燃費基準を乗り切れるとは考え難い。軽自動車セグメントにおいても本格ハイブリッドの導入が望まれるところとなっている。
ルークスをEV化できても、2030年度までに全台数のEV化は難しい
日産は、2022年5月に、新型の軽EVを発表した。これはIMkコンセプトの市販型に相当し、モデルネームは「SAKURA」となった。
軽自動車セグメントにおいては、本格ハイブリッドの導入をすっ飛ばし、一気にEV化するという論調もあるが、これは理想論に過ぎない。充電インフラ問題やユーザーの走行パターンによっては、ガソリンエンジン搭載の軽自動車は簡単には無くせない。
特に、長い航続距離に対応させようとすると、大量の高性能バッテリーを積む必要があり、車両価格が高騰してしまう。これでは多くの軽自動車ニーズに応えることはできない。
今後、軽自動車セグメントにおいてもEVの普及率は上昇していくだろう。しかし、2030年度までに新車販売の全台数をEVとするのは難しそうだ。

ルークスだけではない、軽自動車へのシリーズ式ハイブリッド搭載をダイハツが予告
既に、軽自動車セグメントへの本格ハイブリッド導入については、ダイハツから大きなメッセージが出されている。ダイハツは2021年11月に、新開発の本格ハイブリッド「e-SMART HYBRID」を小型SUVのロッキーに搭載し発売した。
その発電エンジンの排気量サイズは1.2Lであるが、今後、660cc未満エンジンを発電機とする軽自動車向け「e-SMART HYBRID」を市場投入することが予告された。「e-SMART HYBRID」は、100%電動モーターで駆動するシリーズ式ハイブリッドとなっており、その仕組みは日産の「e-POWER」と近い。
日産の現行「e-POWER」の発電エンジンは排気量1.2Lサイズである。2022年には1.5L VCターボが加わり、新型エクストレイルに搭載された。さらに660ccクラスが加わり、軽自動車向け「e-POWER」となる見込みで、特に車両重量が大きいルークスへの搭載が期待される。