「クラウンエステート」の日本発売は、「2023年度内」から「2024年央以降 発売予定」に延期となった。
国内向け新型クラウンシリーズは、先行の「クラウンクロスオーバー」に続き、「クラウン スポーツ」と「クラウン セダン」も発売された。
最後に市場投入される「クラウン エステート」は、ラゲッジ容量と居住性が重視されたモデルである。
当初2023年度内の発売予定が告知されていたが、スケジュールの延期が2024年2月9日付けで日経新聞によって報道された。具体的には、2024年1月~2月に当初予定されていた「クラウン エステート」の生産開始が難しい状況となっており、6月下旬の生産開始に変更されたという。よってホームページ上での告知も「2024年央以降 発売予定」と書き換えられている。
2024年夏頃に再設定されることが見込まれる。
「クラウン エステート」の生産開始時期の延期は、トヨタグループ内で相次いで発覚している試験不正の問題と無関係ではないことが予想される。
また、2024年夏頃は、マツダの新型「CX-80」が発売日を迎えることも予想される。両モデルとも、国内向けとしては大型のクロスオーバーSUVという特徴を持っており、直接対抗するライバル車種として発売時期を同じくすることになる。「クラウン エステート」は2列シート、「CX-80」は3列シートが設定され、乗車定員も大きな違いの一つとなるだろう。
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新型クラウンエステートPHEVの車両価格は800万円前後が予想される
新型クラウンエステートへの搭載が予想されるPHEVは、GA-Kプラットフォームに対応した、2.5L PHEV(A25A-FXS型)で、既にクラウンスポーツなどで市販車搭載実績がある。
そのクラウンスポーツ PHEVは、765万円の価格設定となった。同じクラウンシリーズでボディサイズが大きくなるクラウンエステートでは、これを上回る800万円前後の価格になることが予想される。
この他、比較的低価格なHEV(4WD)モデルも用意される見込み。
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クラウンエステートのインテリア動画公開、後席背面に仕掛け有り?
トヨタが公開した「クラウンエステート」のインテリア動画からは、車中泊にも対応した、工夫された後席シートの構造を見ることができる。
後席をフォールディングさせると、完全フラットの荷室が登場する。ここまでは、他のいくらかの車種でも実現していそうだが、後席ヘッドレストと前席シートバックの隙間をどう埋めるかという問題があった。
後席シートの裏側には、通常5名乗車時には折りたたみ収納された板が仕込まれている。車中泊時には、この板を前方に展開することで、後席ヘッドレストの上に覆いかぶさり、ラゲッジ後端から前席シートバック直前までのフラットな床面を実現している。
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新型クラウンエステートはGA-Kプラットフォーム、ロングホイールベース採用
複数のボディタイプでシリーズ化される新型「クラウン」であるが、なかでもミドルクラスのSUVスタイルに仕上げられるのが「クラウン エステート」となる。かつてワゴン車に使われていたモデルネームが、16年ぶりに復活採用されることになる。
「クラウンエステート」は以下を目標に開発が進められている。
- 全長:4930mm
- 全幅:1880mm
- 全高:1620mm
- ホイールベース:2850mm
- 定員5名
- HEV/PHEV
ボディスタイルはSUVで、プラットフォームにはTNGA(GA-K)のロングホイールベース版が採用される。トヨタが海外販売してきた従来車種、北米「ハイランダー」や中国「クラウンクルーガー」といったモデルとキャラクターが近い。これらと比較して、「クラウンエステート」の全高が低く抑えられており、よりスポーティな仕上がりとなることが予想される。定員は5名としており、3列シートの設定は無い。
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GA-KプラットフォームのSUVといえば、国内では「ハリアー」や「RAV4」、「レクサスNX」といったホイールベース2690mmのものに限られていた。
そんななか、2022年には「クラウンクロスオーバー」、「新型レクサスRX」が発売され、GA-Kの2850mmロングホイールベース版を採用するモデルが国内ラインアップに加わっている。
新型「クラウンエステート」は、居住性が重視された広いキャビンスペースが与えられる。レクサス新型RXに対するトヨタブランド版という位置づけという考え方もできるだろう。
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新型クラウン エステート、実質的に中国車クラウンクルーガーを別設計で日本発売
また、2021年に中国で「クラウン クルーガー」が発表されたときは、その日本発売の可能性についても話題となっていた。「クラウン クルーガーの日本発売は無い」という予想が大多数であったが、結局はクラウン名義で特徴が近いモデルを日本発売させることになる。
ただし、クラウンクルーガーに装備される3列シートは、新型「クラウン エステート」では設定されない。
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新型クラウン エステートはHEVとPHEVを採用
新型クラウンエステートへ搭載されるパワートレインは、HEVとPHEVが採用される。ロイターは、日本向けの新型クラウンシリーズの中に、プラグインハイブリッドが存在することを報道していた。PHEVはクラウンエステートのほか、クラウンスポーツにも採用が予告されている。
新型クラウンの4つのボディタイプの中で、特にツアラーとしての側面が大きいのが、このクラウンエステートである。PHEVならではの航続距離の長さと、ガソリン給油が可能なことは、ユーザーから大きな支持を得ることになりそう。
また、新型クラウンエステートのフロントグリルのエアインテークが閉じられたスタイルであることも、PHEVらしさを感じさせる部分である。
クラウンエステート(米国名Crown Signia)ワールドプレミア、日本時間2023年11月15日 正午
新型クラウンエステートの米国向けモデル「クラウン シグニア(Crown Signia)」が発表された。2024年夏の米国発売が予告された。
日本仕様クラウンエステートは、2023年度内の発売が予告されており、パワートレイン選択肢としてHEVとPHEVが用意される見込み。米国仕様は、HEVのみが用意され、システム最高出力243HPで4WDの設定であることが発表された。2.5L A25A-FXS型ハイブリッドのE-Fourということになるだろう。
インテリアでは、12.3インチのフルデジタルメーターのほか、12.3インチのディスプレイオーディオが備わる。
新型クラウンシグニアは、米国でのトヨタ・クラウンモデルの第二弾となる。2023年に、トヨタ・クラウン(クロスオーバー)が、51年のブランクを経て米国市場で復活している。
また、米国向けクラウンシグニアの最終組立は堤工場で行われることも発表された。
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新型クラウンエステートが2023年年度内発売予定、SUVとワゴンのクロスオーバー
新型クラウンの16代目へのフルモデルチェンジ発表は2022年7月に行われた。そこでは、FFレイアウトの採用というクラウンシリーズにとって大きな節目を迎えることになったが、なかでも驚かされたのは、数年前から噂されていた4つのボディタイプ全てが市販化されるということである。
「クラウン」は、1955年の初代モデルから先代15代目モデルまで、セダンという枠の中で発展してきたわけだが、新型16代目以降はボディ形状を問わず、トヨタのフラグシップ級の複数車種を統合するブランドネームとして使われることになる。
そして、4つのボディタイプに採用されるプラットフォームも多種多様となる。そんななか、「クラウン エステート」は、先行発売される「クラウン クロスオーバー」と共通プラットフォームとなる。ホイールベース2850mmのGA-Kプラットフォームが採用される予定だ。
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新型クラウンエステート発売 まとめ
まとめ更新日: 2024/02/11
- 日本発売時期として2023年度内が予告も延期見込み
- 2024年6月下旬生産開始、夏頃発売予想
- エクステリアについてはデザインスタディモデルが公開済み
- 全長4930mm × 全幅1880mm × 全高1620mm
- 定員5名と公表され、3列シートの可能性は無くなった
- 「ホイールベース 2850mm」の「GA-Kプラットフォーム」は、クラウンクロスオーバーと共通
- HEVとPHEVが用意される
- 米国仕様クラウンシグニアが発表(2023年11月14日 米国時間)
- 米国発売は2024年夏の予告