新型bZ4Xのプラットフォームは、スバルと共同開発したEV専用仕様のe-TNGAで、スバル側でも「新型ソルテラ」としての発売が予定されている。
トヨタはこのEVプラットフォームをベースにした新型電気自動車「bZシリーズ」を2025年までに7車種を投入する計画である。今回のbZ4Xはその第一弾ということで、ボディタイプとして中型クロスオーバーSUVが採用された。人気車種のハリアーやRAV4と近いボディサイズとなる。
bZ4Xの航続距離はまずまずながらも、ソーラールーフの充電能力が意外と高い
今回、bZ4Xの主な仕様が発表された。
1回の充電での航続距離はカタログ値でおよそ500km(FF)、460km(AWD)となる。
ライバルEVとなりそうな車種と比較すると、テスラ・モデルXが547km(AWD)、日産・アリアが430~610kmといったあたりで、bZ4Xも同程度の水準になんとか並んだという印象だ。
また、bZ4Xにはソーラールーフ仕様があり、これにより年間1800km分の電力を太陽光から充電可能となる。走行パターンや日当たりによっては日常的な充電作業が減らされることになり、実用上もメリットとして感じることができそうだ。
新型bZ4Xの実質負担価格を下げる、有利な「残クレ」を準備中か、10年24万km時のバッテリー容量について言及
そして新型bZ4Xは、10年後または24万km走行後の駆動用リチウムイオンバッテリーの容量として当初の90%が目指されることも発表された。
EVバッテリーの寿命については、使用環境などの影響で短命なものも中にはあるが、実は長寿命な個体が多い。特に日産・リーフやテスラのような信頼のおけるメーカーのEVであれば、トヨタが目指す水準に近いものは多くの実車で達成済みである。
そんななかトヨタがあえて10年24万km時のバッテリー容量について、発売前の段階から言及したことには意味がありそう。
bZ4Xの車両価格は現段階で未定であるが、これだけの航続距離を持つ中型SUVタイプのEVであれば高額となるのは必定である。
ただし高額車を売るのはトヨタの得意とするところで、残価設定型ローンの手法をEV販売でも大体的に使ってくるはず。EVの中古車はガソリン車と比べて相場が安定していなかったが、バッテリー寿命への不安も理由の一つであった。
トヨタはこれを払拭し、ライバルに比べ有利な条件の残価設定型ローンを提供してきそうだ。