日産は、新たなEVコンセプト「20-23」を発表した。BEVとして2024年の発売が予想される次期マーチ(欧州名マイクラ)からインスピレーションされたホットハッチ仕様に仕上げられている。
モデルネームの「20-23」は、単に2023年という意味だけでなく、ロンドンにあるデザインセンター設立20周年を記念する「20」と、ニッサンの「23」を組み合わせたものである。プレスリリースでは、「Be-1」、「パオ」、「フィガロ」、「エスカルゴ」といったモデルを名指しで伝統を受け継いだ、としつつも、肝心の「マーチ」や、「マイクラ」の文字は無い。
それでも大きな円形のLEDデイタイムライトは、ティザーが公開済みであったマイクラBEVそのもののように見える。
また、インテリアでは、レーシングカーの機能を近未来的に表現したとしている。
「20-23」についてはあくまでコンセプトカーという位置づけで、シザードアの採用や極端なオーバーフェンダーなど市販化を目的としたモデルではないだろう。むしろ発売が迫ったマイクラBEVをプロモーションする役割が大きそうだ。
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マーチ(マイクラ)後継のBEVが2024年発売見込み
日産はK13型マーチについては、国内向け生産が2022年8月に終了している。
2024年からは、新開発CMF-BEVプラットフォーム採用の小型電気自動車をルノー・日産・三菱アライアンスで導入していく予定となっている。
K14型マイクラ(日本名マーチ)を後継する新型BEVも同プラットフォームで開発中となっており、まずは欧州市場向けにフランス北部のルノー エレクトリシティで生産されることが予告されている。
また、アライアンス全体では2030年に35モデルのBEVを導入する計画を発表しており、マイクラ後継の新型BEVもそのなかに含まれる。
新型BEVのティザー動画も公開されている。大ヒットモデルとなった2002年発売 K12型マーチを彷彿とさせる丸目ヘッドランプがエクステリアデザインの特徴となっている。
日産の国内向け小型BEVとしては、サクラ、リーフがラインアップされるが、サクラはあくまで軽自動車規格のモデルである。リーフは2017年にフルモデルチェンジを受けた2代目モデルであるが、基本構造は2010年の初代型からのキャリーオーバーとなっている。小型BEV市場は今後、競争が激しくなることが予想され、国内向けにも完全新設計されたモデルの導入が望まれるところとなっている。
マーチは1982年から40年に及ぶ販売の歴史があるモデル。今後、約2年程度の期間、国内向けラインアップに穴を開けた後に、2024年頃にフルモデルチェンジを受けて、新型BEVの「マーチ」としてモデルネームが復活することが期待される。
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マーチEVはCMF-BEVプラットフォームで開発される
新開発のCMF-BEVプラットフォームは、2012年の初代モデル発売から大きな販売実績を残してきたルノー・ゾエと比較して、航続距離の400kmを維持しながらも、コストを33%、消費電力を10%以上削減するという。新型マーチBEVは、次世代の小型BEVとして相応しいパフォーマンスが与えられることになるだろう。
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K14型マーチへのフルモデルチェンジ、結局は日本発売されなかった
マーチは、1982年発売のK10型を初代モデルとする。その後、1992年のK11型、2002年のK12型へとフルモデルチェンジを受けて、2010年のK13型からは日本仕様はタイ生産の輸入モデルとなり販売規模が大幅に縮小した。国内販売の小型車は軽自動車やノートといったモデルに主役の座が移されてきた。
一方で、欧州市場向けにはK14型マイクラを2017年に導入し、フルモデルチェンジを果たした。日本市場への導入も期待されたが、これは叶わず、K13型がロングセラーモデルとして販売継続され、2022年8月にその役割を終えることになる。
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K13マーチ、メキシコモデルは2021年に新Vモーショングリル搭載でまだまだ販売予定
グローバル販売されるK13型マーチは、メキシコでは2021年に大幅フェイスリフトが含まれるマイナーチェンジが実施された。
最新のVモーショングリルを採用し、キックスなどとも近い顔付きとなった。もし、この顔付きで日本販売されていれば、もっと販売実績を伸ばすことができたかもしれない。
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マーチ モデルチェンジ まとめ
- K13型マーチが2022年8月に国内向け生産終了
- K14型の日本発売は無し
- マーチを後継するBEV計画あり
- マーチBEVは、CMF-BEVプラットフォーム採用で2024年発売見込み