軽自動車の電気自動車として定着した日産サクラは、2022年の発売から4年が過ぎ、次の世代への関心が高まっています。2代目へのフルモデルチェンジで何がどう変わるのかは、軽EVの買い替えや買い増しを考えている人にとって気になるところです。
次のサクラに向けて公表されていた新型LFP電池工場の建設は中止となり、電池をどこから調達するのかという前提が変わりました。車体をどこで生産するのかという計画も、あらためて問われることになりました。
電池と生産の前提が変わったことで、買う側が気にするのは、一充電でどれだけ走れるのか、車両の値段を左右する電池のコストが下がるのか、使い勝手が競合の軽EVに追いつくのかという3点です。
日産サクラの次期型に期待される進化、現行WLTC180kmからの航続距離延長・電池コスト引き下げ・使い勝手の3点
まず問われるのは、一充電でどれだけ走れるかです。現行サクラの一充電走行距離はWLTCモードで最大180kmにとどまり、買い物や送り迎えには足りても、片道100kmを超える移動では途中の充電を前提にする必要があります。
次期型では、この数字が伸びることが期待されます。
二つ目は、車両の値段に直結する電池のコストです。中止となった北九州の新型LFP電池工場は、現行サクラ用のリチウムイオン電池に比べて約3割のコスト削減を見込んでいました。同じ水準の引き下げが次期型で実現すれば、値段を抑えるか装備を増やすかという形で買う人に返ってきます。
三つ目は使い勝手です。競合の軽EVには両側の電動スライドドアを備える車が登場しており、小さな子どもの乗り降りや狭い駐車場での積み下ろしを重く見る人には、次のサクラにも同じ装備がほしいところです。
この3点をどこまで実現できるかは、次期型に向けて公表されてきた電池と生産の計画がどう組み直されるかに左右されます。
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北九州の次期サクラ向け新型LFP電池工場、電池コスト3割減の見込みとともに2025年5月に建設中止に
日産は2025年5月9日、北九州で計画していた新型のLFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池工場について、建設中止を決めたと発表しました。
白紙になったのは、現行サクラ用のリチウムイオン電池に比べて約3割という削減幅そのものです。同じだけの引き下げを別の形で実現できるかどうかが、次期型の買いやすさを大きく左右します。
電池をどこで作るのかが決まらなければ、その電池を積む車体をどこで組み立てるのかという話も、そのままにはできません。
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次期サクラの日産自動車九州生産は2024年3月のロイター報道にとどまり、電池と車体の調達先をどう組み直すかが課題に
車体の生産についても、次の型は現行型と違う場所で組み立てられるという見方が出ていました。
現行サクラを生産しているのは三菱自動車の水島製作所で、日産と三菱自動車の合弁会社であるNMKVが企画と開発のマネジメントを担っています。両ブランドの軽自動車と同じ設備で作ることが、軽EVの量産コストを抑えるうえで大きな意味を持ってきました。
これに対し、次の軽EVを日産自動車九州で生産する検討が進んでいると、2024年3月にロイターが報じました。ただし、これは日産が公表したものではありません。
電池の調達先と生産の拠点をもう一度組み立て直すことが、次の型を出すうえでの課題として残っています。
会社全体の計画としては、日産が2026年4月14日の長期ビジョンで、日本市場へ2028年度以降にコンパクトカーシリーズを新たに投入し、2030年度までに55万台の販売を目指すと示しました。このコンパクトカーシリーズはノートなどBセグメントの登録車を指し、軽自動車は含まれないと予想されます。日産が対象の車種区分を示していないため、次のサクラがここに含まれるかどうかは読み取れません。
作る側の前提が固まらない一方で、買う側が見比べる軽EVの水準は先に上がっています。
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現行サクラ180kmに対しBYD RACCOは最大320km、航続距離と両側電動スライドドアの上積みへの期待
2026年7月28日、BYDが軽の電気自動車「BYD RACCO」の国内販売を始めました。一充電走行距離はWLTCモードで、上位の300 Plusと300 Premiumが320km、200が210kmです。
スーパーハイトワゴンの車体には、両側の電動スライドドアが備わります。発売から2週間で受注1000台超に達したことも、BYDが公表しました。
現行サクラの180kmと比べると、走れる距離の差は倍近くあります。この差がそのまま優劣になるわけではなく、街中の移動が中心なら現行型でも困りませんが、比べる材料がはっきり増えたことは確かです。
次期型では航続距離の拡大と、両側の電動スライドドアのような使い勝手への対応が期待されます。
もっとも、この物差しになる市場を最初に作ったのは、サクラ自身でした。
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IMkコンセプト発の初代サクラは国内累計101,018台・4年連続EV販売No.1、次期型への期待を後押しする実績に
サクラの出発点は、2019年10月23日に開幕した第46回東京モーターショー2019で発表された軽EVコンセプト「IMkコンセプト」で、三菱自動車工業とNMKVとの共同開発を経て市販車になりました。
2022年5月から2026年6月までの国内累計販売台数は101,018台に達し、同じ期間の国内電気自動車販売台数のおよそ3割を占めます。暦年の国内電気自動車販売台数では、発売以来4年連続で首位に立っています。
ここまでの数字を見れば、サクラは次の型が用意される側のモデルだと期待されます。
現行型は2026年4月にフロントまわりを刷新する大幅改良を受けており、販売はこの先もしばらく続くと予想されます。だからこそ、初代が積み上げた実績の上に2代目がどう乗るのかが待ち遠しいところです。
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日産サクラの次期型フルモデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2026/09/02
- 次期サクラへは航続距離の拡大、電池コストの引き下げ、両側の電動スライドドアのような使い勝手への対応が期待される
- 次期サクラ向けとされた北九州の新型LFP電池工場は2025年5月9日に建設中止、約3割のコスト削減という見込みは白紙
- 次期サクラを日産自動車九州で生産する検討は2024年3月の報道どまりで、その後の公式な説明はない
- 競合のBYD RACCOは2026年7月28日発売、一充電走行距離は最大320kmで両側の電動スライドドアを備える
- 初代サクラはIMkコンセプトから市販化し、国内累計101,018台、暦年の国内電気自動車販売台数は4年連続で首位
- フルモデルチェンジの時期は日産から示されておらず、生産終了を告げる公式情報もない










