シビックタイプR後期型が発売、英国工場閉鎖後のシビックはどうなる?

シビック

ホンダのシビックタイプRがマイナーモデルチェンジを受けて2020年10月9日に発売となった。そして、通常モデルを含めたシビックシリーズの状況は、今後大きく変化していく。現行型は既にモデル末期で、さらに英国スウィンドン工場は閉鎖予定となっているのだ。このあたりを詳しく解説していく。

コロナで発売が遅れていたタイプRが無事発売、次期型も開発中

コロナ禍の影響で、シビックタイプRの生産拠点、英国スウィンドン工場が一時操業停止となっていた。これによって、予定されていたシビックタイプR日本仕様のマイナーモデルチェンジの日程に影響があったが、約2ヶ月の遅れで発売となった。

英国スウィンドン工場は来年閉鎖予定

このスウィンドン工場は、2021年に完全に閉鎖されることがホンダの方針で決まっている。今後、日本向けのシビックの生産拠点がどうなるのかが注目されていた。

シビックシリーズの日本仕様は、セダン、ハッチバック、タイプRとある。ボディタイプごとに、それぞれで事情は異なる。

国内向けセダンは現行型の生産を終えている

現行型セダンは2017年の国内デビュー時から、埼玉県の寄居工場での生産であった。現行シビックシリーズの中で唯一の国産モデルでもあるわけだが、皮肉にも不人気で販売台数が伸びなかった。2020年8月に生産を終え、ラインナップから消失している。

ハッチバックの英国生産は、いずれ寄居工場に移管

ハッチバックはスウィンドンで生産したものが日本で輸入販売されてきたが、寄居工場に生産拠点を移すことが検討されている。とはいえ、これは次期型以降の話である可能性がある。現行のシビックシリーズは日本では2017年デビューであったが、グローバルでは2015年に販売がスタートしていた。フルモデルチェンジの時期は2022年頃が予想され、2021年のスウィンドン工場閉鎖からのおよそ1年程度の期間は、一旦カタログ落ち、と考えるのが妥当である。

タイプR次期型の生産地は何処になるのか

スウィンドン工場閉鎖後のタイプRの生産拠点については情報が無い。同工場閉鎖のニュースが報道された当初は、中国生産になるという噂もあった。しかし、ベース車のハッチバックが日本生産になるということになれば、タイプRについても日本生産となる可能性も出てきた。

ただし気をつけたいのは、同じくスウィンドンで生産されていた北米向けハッチバックの生産も地産地消の原理で、北米で行われるとのこと。つまり、タイプRの生産が北米に移っても不思議ではなくなった。

シビック タイプRのフルモデルチェンジは2022年予想、次期型が開発中

さて、シビックシリーズのフルモデルチェンジが2022年頃の予想ということなので、タイプR次期型の開発も進められている。

ホイールベースは現行型から延長される見込み。ルーフラインは、よりファストバック的になり、後席ヘッドクリアランスはタイトになる。ただし、ホイールベース延長でキャビンスペースの前後長が長くなるので、この居住空間に対するデメリットはある程度解消されるだろう。

大型のリアウィングはもちろん踏襲される見込みだ。

次期タイプRのパワートレインは電動化されるのか?

問題は、次期タイプRのパワートレインであるが、これはまだあらゆる可能性が残されている。ハイブリッドを含めた電動化が世界的に進められるなかで、タイプRだけが例外であり続けられるのか?これはまだホンダの中でも確定に至っていないだろう。

今回、マイナーモデルチェンジを受けたタイプRが、場合によってはコンベンショナルエンジン最終型ということもあり得る。

一方で、次期型もコンベンショナルエンジン継続となると、これは現行型搭載の2.0L VTEC-TURBO(K20C型)のブラッシュアップ版以外は考えにくい。2.0Lクラスでアシストモーターが付かない高出力エンジンをこのタイミングで新たに投入することなどできないだろう。

シビックタイプR 限定モデルは残り10台、WEB抽選を受付中

さて、話を現行モデルに戻す。
今回マイナーモデルチェンジ発売となった新型シビックタイプRは2種類が用意されている。
パフォーマンスアップが期待された、2.0L直列4気筒ターボのK20C型エンジンのスペックは前期型と変わりがなく、最高出力320ps、最大トルク400Nmといった仕様である。

TYPE R(通常モデル)

まずは通常モデル、TYPE Rは消費税込み車両価格475万2000円で用意される。

エクステリアはフロントグリル開口部が拡大しており顔付きが変わった。これにより冷却性能もアップしている。フロントバンパーのデザイン変更は、ダウンフォース向上効果を目的としたものである。

2ピースフローティングディスクブレーキ採用でブレーキングの安定性向上とバネ下重量の軽量化が図られており、サーキット走行領域でのパフォーマンスアップが盛り込まれている。

サスペンションも変更。アダプティブ・ダンパー・システム制御、サスペンションブッシュ・ボールジョイントに改良が加わり、ハンドリング性能、接地性、制振性が向上している。

インテリアでは、シフトノブがティアドロップ型に変わった。ステアリング表皮にアルカンターラが採用される。

装備面では、ホンダセンシングが導入される。主な内容は衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、時速30キロ以上対応のオートクルーズコントロール、時速60キロ以上対応の車線維持支援システムとなる。タイプRというキャラクターを考慮すれば、ここは高速道路渋滞時の対応を充実させて欲しかった。

TYPE R・Limited Edition

TYPE R・Limited Editionは1000台限定で日本割当分は200台。うち190台が成約済み。残り10台が抽選中となっている。抽選申込みはWEBからで、締め切りは2020年11月9日まで。発売日は11月30日の予定。消費税込み車両価格550万円で用意される。

Limited Editionの主な装備は、通常TYPE Rのものに加え、BBS製鍛造アルミホイールがある。これにより1本あたり2.5kg、合計10kgのバネ下重量を軽量化。これに履かされるのは、20インチの専用タイヤ、ミシュラン パイロットスポーツ Cup2となる。
アダプティブダンパーとEPSは専用にセッティングされる。
インテリアでは、シフトノブ手前にシリアルナンバーが入れられる。

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