シャラン(VW 7NCAV)7シーターミニバンの口コミ評価

フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲン・シャランはこんなクルマ

シンプルな7シーターミニバン

シャランは日本車と比較するとサイズ的にはエスティマに近い。
3列目も大人が座る事が可能なサイズのミニバンだ。
ライバル車は価格帯が近いことからアルファード、ヴェルファイア、エルグランドが挙げられる。
室内はミニバンらしく広々している。400万前後の車体価格を考えると豪華さはなく質実剛健といった印象が強い。
トヨタ式上質感の木目調パネルやメタル調パーツとは方向性が違うが、樹脂パネルの質感がよく安っぽい感じがしない。
国産ミニバンにありがちな妙な高級感アピールが少なく、落ち着いたインテリアで飽きがこないため、長く乗れそうな感じがする。

ドイツ車ならではのしっかりした乗り心地も魅力のひとつ。
剛性感のあるボディは長時間のドライブでも疲れにくい。

車体価格が国産ライバルと比較して高いが、これはエアバッグが標準で装備されていることで納得したい。

シートアレンジなどのユーティリティ性については、これまで国産ミニバンの方が優れていることが多かったが、最近は欧州車も追従してきて使いやすくなっている。
シャランの2列目、3列目はフルフラットに倒せるようになっており、後席の使い勝手で不満を感じることは少ないだろう。
車中泊が出来る車としても注目したい。

ボディサイズは横幅が大きい

シャランのボディサイズでまず感じるのは、全幅が大きすぎる事だ。
1910mmの全幅は日本では大きすぎる。
狭い道路でのすれ違いはもちろん、駐車場では停めるのを諦めなければならない場合も出てくる。
そういった意味で、購入するのに少々覚悟のいるクルマになるだろう。
そんな中、電動スライドドアはありがたい。
幅に余裕がない駐車場でも後席の乗り降りの負担が軽減される。

広い道路に出てしまうと、大柄なボディを感じさせず運転しやすい。
剛性確保の為、フロントウィンドウ横のピラーは太いので慣れるまでは視界が悪いと感じる。
sharan-spec
シャラン

シャランの性能・スペック

エンジンは1.4Lターボ

シャランは1.4LのTSIエンジンを搭載している。
いくらターボエンジンとはいえ、車体重量1.8tオーバーのミニバンを1.4Lエンジンで足りるのかと疑問だったが、実際はスムーズな加速が可能。
何ら不足を感じることが無い。
NAエンジンに例えると2.0L相当ぐらいの力強さはある。
ただし、走りを強調している割には、物足りないのも事実だ。
サスペンション性能などの足回りはしっかりしている。

燃費性能

シャランのカタログ燃費は10・15モード走行で14.0km/Lとなっている。
これは、国産ライバルのNAエンジン車と比較して、良好な数字と言えるだろう。
例えば、2.4Lのエスティマが12.4km/Lと比較しても、10%以上の差がある。
カタログ燃費でこれだけの違いがあれば、実燃費でも実感できる結果として現れてくるだろう。

アイドリングストップ

シャランにはアイドリングストップ機能「Start/Stopシステム」が付いている。
国産車のアイドリングストップと大きく違う点は、アイドリングストップ中でも室内温度やバッテリー残量の状況判断でエアコンが作動することだ。
夏場の渋滞でも安心して、Start/Stopシステムを作動させることができる。
だたし、アイドリングのON/OFFのタイミング、再始動のスムーズさに関しては日本車に及ばないという意見が多い。

また、オルタネーター制御によるブレーキエネルギーの回生システムを採用してる。

トランスミッションは6速DSG

シャランのトランスミッションは6速のDSGを採用している。
ATとほぼ同じ感覚で扱えるが、ギアの切り替え方式が異なりシフトチェンジでのロスが少ない。
そのため燃費性能が高いのが特徴だ。
高速巡航時の燃費性能が優れる。
ただし、日本の道路事情に最適かと言われれば微妙なところ。
低速での発進、加速が多い地域では、DSGのギクシャク感が気になるのも事実。
日本ではCVTの技術が進み、普及しているのもこういった事情がある。

自動車税が安い

シャランが装備する1.4LのTSIエンジンはコンパクトカークラスと同等の自動車税の負担で済む。
このクラスの国産ミニバンは2.4L、3.5Lのラインアップが多い。
2.4L車と比較して年間1万円、3.5L車と比較して年間2万円、自動車税で差が出てくる。
燃費性能の良さとも相まって、維持費用を抑えることができるだろう。

メンテナンス費用は用意しておきたい

税金、燃料費の維持費用が安くなりそうなシャランではあるが、コスト的な理由だけで選ぶのはお薦めできない。
故障しにくさという意味での信頼性はドイツ車はまだまだ国産車に及ばないのが実際だ。
ほぼノーメンテナンスで乗れる国産車と比較すれば、VW車はクルマによって当たり外れが多く、運が悪ければこんなに故障の多い車はもう乗りたくないと言う人もいる。
故障したときの急な予定変更を許せる寛大さと、修理費用をすぐに出せる経済力が必要になる。
車を単なる移動の道具として考えているなら国産車をお薦めする。
メンテナンスそのものすら趣味として楽しめる人でなければ、長く乗り続けるのは難しいだろう。

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