セニアの日本仕様に相当か、新型【ライズ スペース】日本発売いつ?商標出願済みもダイハツ再建の新体制で開発中止の可能性、長期的に軽自動車とOEM生産に事業縮小【トヨタ最新情報】3列シートミニバンの可能性、シリーズ式ハイブリッド採用期待

ライズ/ロッキー スペース
xenia-limited-edition

XENIA Limited Edition(インドネシア)

ライズスペースとロッキースペースは開発継続する?登録車クラスのダイハツ開発モデルが長期的には消失する可能性

商標出願済みの「ライズスペース」「ロッキースペース」は、ダイハツの再建に向けた新体制のなか、今後の開発が継続されるのか見守っていく必要がありそう。

daihatsu-president

2024年2月13日、ダイハツの新社長として、現トヨタ自動車 中南米本部の本部長、井上雅宏氏の就任予定が発表された。新体制では、トヨタとダイハツの事業振り分けが再編される見込みで、4月に詳細な方針を発表するとしている。今回の会見の中でも、その内容について少し触れており、ダイハツに振り分けられる事業は、軽自動車を軸としたもの、およびトヨタから委託されたOEM生産に、長期的には縮小される可能性がある。

また、ダイハツが東南アジアで進めてきた海外事業についても言及され、「ダイハツの負担軽減」の言葉のもと、問題の発端である認証手続きまでを含めた開発業務をトヨタへ移管することも検討されている。

ROCKY  Premium ver

ROCKY Premium ver. 東京オートサロン2022

「ライズスペース」と「ロッキースペース」という商標出願済みのモデル名は、ダイハツが主導して開発を進めていることを示唆しているだろう。新体制において、事業の継続もしくは撤退が判断されるモデルということになる。

新型「ライズ スペース」の<まとめ>は、次のページ

セニア日本発売の可能性は?国内で商標出願 ライズ スペース、ロッキー スペース

「セニア LIMITED EDITION」がインドネシア国際オートショー2023で発表された。

セニアシリーズは、ダイハツが20年に渡って新興国市場で販売してきた3列シートを装備するコンパクトミニバンで、今回発表された「LIMITED EDITION」はこれを記念する限定20台の特別仕様となる。2021年にフルモデルチェンジ発売された最新型のセニアは、DNGAプラットフォームが採用されており、日本発売を期待する声が盛り上がっていた。

既に、セニアに近いと思われるモデルの日本発売計画の存在が、特許庁の商標出願より確認されている。

そのモデルネームは、ダイハツ「ロッキー スペース」で、さらに姉妹モデルと思われる、トヨタ「ライズ スペース」が商標出願されている。国内ラインアップされるコンパクトSUV、ライズ/ロッキーの室内空間拡大版が想定される。

raize-space

現行型「ライズ」は、ダイハツが主体で開発・生産を行ってきたモデル。「ライズ スペース」についても、ダイハツからトヨタへ車体がOEM供給される計画となっているはず。

ライズ SUV

現行ライズ

ダイハツは、東京モーターショー2017でコンセプトモデルの「DNマルチシックス」を公開していた。

DNマルチシックス コンセプト 東京モーターショー2017

これはSUVスタイルのエクステリアに、3列シートを装備したモデルであった。その後、2019年11月に2列シート車の「ライズ」と「ロッキー」が発売された。ボデイサイズと乗車定員は異なるものの「DNマルチシックス」の流れを汲むエクステリアデザインが採用された。

DNマルチシックス ダイハツ

DNマルチシックス コンセプト 東京モーターショー2017

従来型セニアは、これまでアジア新興国を中心に販売されてきた。しかし、DNマルチシックスは「東京モーターショー」で発表されていただけに、日本発売の可能性が残されていた。

新型「ライズ スペース」の<まとめ>は、次のページ

新型ライズ スペースはセニア ベースのミニバンではなく2列シート車の可能性も

新型「ライズ スペース」が3列シート車になるかどうかは、現段階では確定した情報ではない。というのも、マレーシアで販売されるライズの姉妹車種には、全長を拡大させたストレッチ版の2列シート車が出るのではという噂がある。これが新型ライズ スペースの正体である可能性は残される。

セニア

セニア

ただし、国内市場で待望されるのは3列シート車ではないだろうか。そうなると新型ライズ スペースのベースとなるのは、インドネシアの3列シート車「セニア」ということになる。セニアはダイハツの共通プラットフォームであるDNGAが採用された最新の3列シート車で、従来のFRレイアウトから、パッケージングに優れたFFレイアウトへと構造を大きく変えてきている。

セニア リアコンビネーションランプ

セニア

また、上位モデルではトランスミッションのD-CVTが搭載されるほか、安全運転支援システムについてもスマートアシスト相当の装備が採用されており、将来の日本仕様の設定を思わせる商品内容となっている。

新型「ライズ スペース」の<まとめ>は、次のページ

新型ライズ スペースには、e-SMART HYBRIDの搭載に期待

新型ライズ スペースのパワートレインをインドネシア セニアと共通化させ、国内販売した場合、少なくとも環境性能の面では力不足となりそう。搭載される1.3L NAの1NR-VE型は新興国向けのエンジンであり、もう一つの1.5L NAの2NR-VE型についても、国内の現行ラインナップで導入例はあるが、グランマックス、タウンエースなど商用モデルでの採用に留まっている。

セニア インテリア

セニア

こういった状況を考えると、国内向けには専用パワートレインの導入が必須となりそう。そんななか搭載が期待されるのがシリーズ式ハイブリッドシステムの「e-SMART HYBRID」である。「e-SMART HYBRID」は現在のところ、「ロッキー」「ライズ」のみで搭載されるが、今後、採用モデルを拡大させていかねば、開発コストを回収できない状況にある。新型ライズ スペースには、ハイブリッドモデルの採用が予想される。

新型「ライズ スペース」の<まとめ>は、次のページ

新型ライズ スペースはSUVスタイル、パッケージングに優れたシエンタと差別化

セニア エクステリア

セニアシリーズはトヨタにもOEM供給され、アバンザおよびヴェロッツのモデルネームで販売されてきた。

新型ライズ スペースのボディサイズは、インドネシア セニアの全長4,395mm×全幅1,730mm×全高1,700mmと近くなることが想定される。日本仕様を考えた場合、専用エクステリアで全幅を1.7m未満に抑えられるかどうかも焦点になるだろう。また、全長はトヨタの小型ミニバン「シエンタ」の4,260mmを超えている。シエンタは2022年のフルモデルチェンジで新型となったが、全高が+20mmとなったのみで、従来型から大型化をほとんど受けずコンパクトサイズが維持された。

ROCKY  Premium ver

ROCKY Premium ver. 東京オートサロン2022

新型ライズ スペースのエクステリアは、やはり小型SUVのロッキーの流れを汲んだものとなるはず。一方で新型シエンタは、大型サイドモールの採用などにより、SUVテイストに仕上げられたもののデザインの方向性は大きく異なる。

sienta-08

トヨタ新型シエンタ

新型「ライズ スペース」の<まとめ>は、次のページ

新型ミニバン ライズ スペースは「SUV×3列シート」をDNGAプラットフォームで実現する

小型ミニバンとしての新型ライズ スペースの発売が待望されるが、かつてのダイハツ生産の国内向け小型ミニバンといえば、2012年まで販売されたブーンルミナスと、その姉妹車種トヨタ・パッソセッテがあったが、これらはセールス的には成功しなかった。当初の計画は、トヨタ生産のシエンタシリーズを廃止し、ダイハツ生産モデルに切り替えるというものであったが、この通りにはならなかった。現行ラインアップを見てもシエンタシリーズのみが継続されている状況だ。

sienta-21

しかし、その後もダイハツでは、ブーンルミナスを後継する国内向け小型ミニバンの可能性について意欲的な姿勢を見せてきた。2017年の東京モーターショー発表のコンセプトカー「DN MULTISIX」では、SUVテイストのデザインを取り入れることで、小型の3列シート車ながらも所有欲が満たされそうな、デザイン性の高い内外装が特徴であった。

DNマルチシックス リアコンビネーションランプ

DN MULTISIX コンセプト

小型ミニバンのカテゴリで先行するシエンタ、フリードが居住性重視の設計により多数のユーザーニーズに応えていくなか、ダイハツは当時のトレンドであった「SUV×3列シート」というコンセプトを小型車で模索していた。マツダのCX-8が発売され人気となったのも同じ2017年であった。

 

新型「ライズ スペース」まとめ

まとめ更新日: 2024/02/13

  • トヨタは「ライズ スペース」を商標出願
  • ダイハツ生産「ロッキー スペース」のOEMモデルの予想
  • ライズの室内空間拡大版が想定される
  • 2列シート車か3列シート車は未確定
  • エクステリアはSUVスタイル
  • 3列シートミニバンであるならインドネシア セニアの日本仕様の可能性
  • e-SMART HYBRIDの搭載が期待される
  • 当初の発売予想時期は2024年後半だが、実現は不可能に近い
  • ダイハツ再建の新体制で、開発が中止となる可能性
タイトルとURLをコピーしました